クラーク
2009-07-24 | 休み
皆既日蝕のニュースを見ていてそこに出て来る人のはしゃぎっぷりを「なんで月が太陽にかぶる現象くらいで大騒ぎをしているのだろう」と思ってましたが、NHKの特別番組を観たら考えが変わりました。いや、凄いなぁ。硫黄島と太平洋上のフェリーからの皆既日蝕中継は息を呑む神秘性でした。それを皆が皆揃いも揃って空を見上げてるんだから。こういうイベントに興味ないのに、なんだか羨ましくなってしまって。
勝鹿北星と浦沢直樹の『マスターキートン』の「喜びの壁」というエピソードを思い出しました。石油精製施設の排気のためにボロボロになってしまった遺跡の壁の上に気象の関係で数年に一度オーロラが現れるというエピソードで、そのオーロラを前に動物がそこらじゅうから集まり空を見上げ。その光景に際し「俺達は一人で生き、一人で死んでゆくが、この瞬間、この場にいる生き物だけは、自分の宇宙を抜け出して…同じことを感じている」と登場人物がつぶやきます。
世界が空を見上げた日(産経新聞)
とあるニュース番組で神足裕司さんが皆既日蝕の騒動を評して、「こういう形でしか”大きな物語”はないのかなぁ」みたいな事を言ってました。多分言葉は全然違いますが趣旨としてはこういうことを言ってたように思います。宗教とか思想とか文学とかじゃもうどうしようもなくて、けれど自然の前では無力というか、凌駕されるというか、皆が皆同じモノを共有せざるを得ないみたいな。
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