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【振り返り】ソウル大首席なのに何処にも就職出来なかった弁護士の出発はほろ苦い、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』第1話「おかしな弁護士ウ・ヨンウ」

2022-07-31 | 備忘録
-『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

最新話を観つつも、過去配信分を何度も観てしまう本作。物語展開や落ちを知っていても何度見ても面白いのですが、

第1話では、ヨンウの子供時代に住んでいたマンションの大家さん夫婦の間で起こった傷害事件を担当することになります。認知症を患い嫉妬深く怒りやすい夫が更に嫉妬深くなり、妻に嫉妬から失礼なことを言ったことで妻が逆上、夫を殴り倒しました。

ヨンウの上司で先輩弁護士であるチョン・ミョンソクは罪状を認め、執行猶予を勝ち取る戦略で進めようとしますが、夫婦が経営するマンションが夫名義である点、また妻は年金の受給資格が無く夫の扶養に入っていること、また韓国の法律では相続人が被相続人に危害を加えた場合、相続資格が失われる為、ヨンウは罪状を否認する戦略をとるべきであると主張。

その流れで、嫉妬深く怒りやすい夫の気質を法廷で明らかにすべく、法廷に証人として呼び出し、法廷内で夫の嫉妬深く怒りっぽい気質を引き出すことに成功しますが、その直後に憤怒のあまり夫は亡くなってしまいます。夫の死はヨンウが勝つことに囚われて、なりふり構わなかったことで引き起こされたとも言えます。

Kang Tae-oh waltzes his way into Park Eun-bin’s life | Extraordinary Attorney Woo Ep 1 【日本語字幕 CC】


今見直してみても、第1話ですし導入なので全体的に中盤以降よりもハンバダのメンバーはそれなりに優しく、全体のトーンとしてもコメディ的なトーンが強いです。上記のようなイ・ジュノとのロマンティックなシーンもあります。

でも一方で中盤以降顕著になってくる本作の描く”苦味”がこの時点でもしっかり横たわっていると感じます。ヨンウの選んだ戦略のせいで、被害者である夫が亡くなってしまうだけではなく、ミョンソクはヨンウが自閉スペクトラム症であることからチームへの合流に難色を示し、ロースクールの同期だったチェ・スヨンは学生時代からヨンウが困っているのを目の当たりにすると助けずにはいられなかったが、いつもヨンウの後塵を拝してきた口惜しさを語ります。回転扉から出られなくなっていたヨンウを助けた際にその思いをヨンウにぶつけてしまっていました(そして今更ですが、ハンバダのビルの回転扉はヨンウにとっての社会のメタファーなんですね。そしてそして社会で壁にぶつかっても助けがあれば乗り越えられる、と。)。

また、この時点でも同僚のクォン・ミヌ弁護士はメモ書きを見て、ヨンウとハンバダの代表、ハン・ソニョンとの関係を尋ねていました。

Extraordinary Attorney Woo | Official Trailer | Netflix【日本語字幕 CC】


第1話の時点から、自閉スペクトラム症であることでのギフテッドを描きつつも、社会からの差別の話も描き、弁護士の仕事の責任の重さとその結果に付きまとう”苦味”も描いていました。