NOTEBOOK

なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

ヱヴァンゲリヲン 新劇場版 破 テレビ版

2011-08-27 | 休み
頑張って早めに帰って、オンタイムで観てみました。




『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版 破 テレビ版』(日本テレビ金曜ロードショー)
リトルランボーズ



今見返してみても抜群のテンポ感が際立っていて、ある意味今のテレビサイズと言えなくもないですが、ただテンポが良すぎるという印象のほうが強くなりました。100分ちょっとの尺に、4使徒との戦いを盛り込むなどあの密度の話を盛り込む手腕は確かにすごいとは思うのですが、如何せん矢継ぎ早、急ぎすぎ、詰め込みすぎと言う言葉がよぎりました。やっぱり面白いは面白いんですけど。

あと台詞。これはアニメであり、SFであるのだから仕方が無いですし、何しろ「ヱヴァ」であるのですから、仕方が無い部分ですが、説明的であったり、”臭い”が過ぎる台詞が多いなぁと感じてしまいました。もちろん「ヱヴァ」はアニメなんですから、仕様がない部分もあると思いますが、こと脚本部分を観た場合あんまり他人には勧めづらい部分があります。特にリツコさんの台詞は。面白い破面白いんですけど。

あと音楽。映画公開時から言われていたことですが、許容範囲ではあるものの3号機戦の「また会う日まで」やラストの「翼をください」の演出って絶賛したいような酷評したいような何とも言えない部分です。『ヱヴァ』に童謡や合唱曲をあわせると言う音楽的演出は確かに劇場で見た際は、鳥肌モノの演出だと思えましたが、テレビで見るとポジティブにもネガティブにも取れないというか。


『ヱヴァンゲリヲン 新劇場版破』が大傑作であると言うことは疑いようも無いんですが、どこかでエクスキューズ付きにならざるを得ないのじゃないかとも思うのです。「新劇場版」はある種のエキストラであり、テレビシリーズや旧劇場版で人生を左右されビデオソフトからサントラまで買いつくしたような人たち。さらに言えば、庵野秀明監督版『帰ってきたウルトラマン』までを抑えていたような特撮マニアのような人たち出ないと、ストレートには許容できないんじゃないかと思えてきました。

描くものは普遍的な欲求、愛への希求だとぼく自身は理解しているんですが、単純に新劇場版を見ただけだと、テンポが速すぎてついていくのが難しく、変な台詞が多い一方で、主人公が躁鬱のようにネガティブかポジティブへとラストで転換するだけに見えてしまうかもしれないと。テレビシリーズ、旧劇のシンジやレイ、アスカを知らないと『破』で描かれた変化、テーマ性が届かなかったり、響かなかったりするのかなぁと思ってしまいます。


もちろん基本的にはオタクコンテンツですが、そもそも『エヴァ』は単純なオタクカルチャーにとどまらず、少なくとも『エヴァ』というアニメの名前を知らない人は少数派なほどの著名なコンテンツなわけで、そういう部分のコモンセンスはあるんだろうとは思いますが、単体の作品としてみた場合はやはり違和感が募るんじゃないんでしょうか。



それにしても新予告。ついに宇宙で『ウルトラマン』をやるようです。あと1年、がんばるぞ!