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NOTEBOOK

なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

プリズナーNo.6

2010-04-29 | 休み
「プリズナーNo.6」(AXNミステリー)
リメイク版プリズナーNo.6

昨年末にアメリカで放映されたリメイク版「プリズナーNo.6」がAXNミステリーで放送決定。嬉しさ半分、恐ろしさ半分だけどそれでもやっぱり楽しみだ。No.6はともかくNo.2はイアン・マッケランだし。イアン・マッケランのNo.2はまだ”ぽい”が、マクグーハンの灰汁が足りないなぁ、No.6は。ヴィレッジやドラマ全体の演出がスタイリッシュになっちゃってるけど、謎の風船が健在なのには笑った。

「プリズナーNo.6」(スーパードラマTV)
そして何故だかオリジナル版「プリズナーNo.6」がAXNミステリーではなく、従来通りスーパードラマTVで放送。しかもHD放送。これを見比べるとマクグーハンが、オリジナルの雰囲気がどれだけ異質だったかがよく分かる。リメイク版のキービジュアルはNo.6ではなくNo.2。イアン・マッケランの方が知名度があるのは分かるけど、それにしても今回のNo.6にはパンチが無いな。どういう感じなのか。


オリジナルのNo.6ことパトリック・マクグーハンはヴィレッジのルールに面くらい、翻弄されながらもあの顔のため、それほど振り回されている感じがしなかった。でも今回のNo.6であるジム・カヴィーゼルは予告編を見る限りかなり振り回されている感。たぶん作り自体が違う感じなのか。当たり前か。

スカーフェイス

2010-04-28 | 休み
『グランセフトオート:バイスシティ』がリスペクトというかオマージュを捧げたというか、ぱくった元の映画だと『ゲームになった映画たち』で指摘されていて、ほんのりと興味があり観てみた。


scarface


観て驚いた80年代のロサンゼルスを舞台としているということもあるんだろうけど、それにしても主人公の名前もトニー。キューバからの形式上政治亡命者という設定以外、造詣とかはほぼ似ている。海岸沿いの風景なんてまんま『バイスシティ』。車や80年代テクノサウンド音楽もあいまってトニーはトニーにしか思えない。アル・パチーノが『バイスシティ』の存在を知って激怒したというのは至極最もな感じ。

内容的にも『グランセフトオート』みたいに当初はお使いミッションをこなして、徐々に”格”をあげてしのぎを渡って成り上がっていくという何ともなピカレスクでビルディングスロマン。そしてまんま『グランセフトオート』。『バイスシティ』以上にお使いミッションからストーリーを組み上げて行くというゲームデザイン自体も『スカーフェイス』から来ているのでは?と思わずにはいられない。土地や店を買って、経営とかもまんま。

話は本当にピカレスクロマンのビルディングスロマン。昔の劇画みたいなもの。端的に言ってしまえば、チンピラが小さい犯罪から徐々に大きな犯罪を犯し、裏社会の大物になって行く。ただこれで終わらないのが好いところ。極悪人ではあるけれど、家族思いで人殺しも厭わないが守るべき矜持は持っている。それが全ての足を掬うと。単なるバイオレンスに落ちていないのはやはりこういったトニーの人物描写が大きい。

過激といわれていた描写も序盤のトニーたちがはめられ、仲間が拷問を受けるシーンくらいにしか感じなかった。ラストの大銃撃戦も確かにバイオレンスで弾丸を打ち込まれてもなお戦い続けるトニーの立ち回りはまさに悪漢で圧巻。ラストの女々しいまでの生き様は本当に格好良い。妹との別離も。けれどラストのトニーの絶命シーンは作りこみすぎだなぁと思わないことも無い。マシンガンで後ろから撃たれて屋内プールに落ちるとか。


この悪漢の最後というのは『ゴッドファーザー パート3』に近い。というか、ぼくは『ゴッドファーザー』サーガはやっぱり3部作あってこそのものだと考える『パート3』肯定派だけれどマフィアモノ、ピカレスクモノと考えると『パート3』のラストも『スカーフェイス』のラストも非常に正統派。愛娘を奪われるマイケルと親友と妹、すべてを失うトニー、崩壊という点で非常に全うなピカレスクロマン。しかも両方ともアル・パチーノ。

その男、凶暴につき

2010-04-27 | 休み
北野映画は『あの夏、いちばん静かな海』と『HANABI』くらいしか見ていないので本格的な北野バイオレンス映画は初めて。


その男、凶暴につき


前半、武こと我妻刑事が聞き込みに歩くシークエンス。ロケ地が横浜ということもあるんだろうが、朽ちたアパートを回るシーンや川を行く船から橋を仰ぎ見るカットなんかは殊更に『機動警察パトレイバー:劇場版』を思い起こさせる。しかも同様に忘れ去られた風景という批評性まで感じさせる。それほど似通っているいや、本当に。あの時期、ウォーターフロントって言うのが流行っていたからなのかも知れない。同時代性ってことなのかも知れない。公開年も同じだし。

遠景と個人に視線を当てるときの仰ぎ見るようなカメラ。雨の中陸橋を車が走るシーンとか武が白竜を詰問するシーンはとにかく格好良い。特に後者は前段の道を外れた刑事というキャラクターがよりピカレスク的な色合いを強くしてくる。そこを白竜の視点のような感じで武を仰ぎ見るように映す。密室空間での暴力の緊張感がすごく伝わってくる。そこでの小細工もまた卑怯で格好良い。まぁ他のシーンでも対峙したキャラクター単独でカメラを向けると少し下からあおったようなカットが多いけど。

主人公が破天荒で、暴力的でいて、一方で憂いが内在されていて良い。というか、大概の武映画の登場人物は憂いがあるっけ。無いほうが珍しいか。そういう魅力的なキャラクターが動くので本当に面白い。ただ不満なのはその暴力描写が少し遠慮がちなところ。執拗に暴力を振るうのだけれど、型は重いのに、描写としてはとっても軽い。ヒット感が無い。それはこの映画のすべての部分に当てはまっていて重さという点で少し物足りない。その代わりにさらっと楽しめるけど。


VシネっぽいけどVシネじゃない。日本のドラマでエリック・サティの音楽がやたら使われるようになったのって、この映画の影響なのか。20年以上前の映画だから当然だけれど、出演者がとっても若い。特に遠藤憲一が別人のよう。

春のミステリードラマ祭り

2010-04-19 | 休み
何故か今年の春の地上波ドラマはサスペンスドラマが多いです。サスペンスばかり放送しているテレ朝が金曜枠を全て刑事モノにしたのはもちろん、フジテレビのドラマ枠4枠中2枠がサスペンスになり(木10は違う意味でサスペンス)、日曜劇場まで刑事モノになったのが大きい。1週間で8本はかなり多いと思います。


火曜日
「絶対零度~未解決事件特命捜査~」(フジテレビ)
未解決事件モノ。未解決事件モノは古くは「ケイゾク」や「おみやさん」、「時効警察」などがあるけれど、これは見事な海外ドラマ「コールドケース」フォロワー、というかデッドコピー、というかエピゴーネン。「コールドケース」をフジテレビ的な安っぽい感動話と成長譚に味付けしたら、こうなりました。もういっそのこと懐メロJPOPもかけてしまえば良いのに。EDのラブサイケデリコの懐メロ、「Far away」は良かったです。
(追記)
2話をちろと見たら、大黒摩季の「ららら」がかかってた…ああ本当に「コールドケース」をまるっとぱくったのだなぁとある種の感嘆を抱く。すげーな、フジテレビは。臆面も無く。

「ジェネラル・ルージュの凱旋」(関西テレビ)
前作のテレビ版を見ていなかったので初めてテレビドラマ版を見たけれど、大筋の物語を見つつも毎回原因不明の病気を解明していくという単発医療ミステリーとして見ることが出来る。というかまんま海外ドラマの「ドクター・ハウス」。ただフォロワーなんだけど、エピゴーネンではないというか、あの原作を連続ドラマにするための仕掛けとして機能しているので面白いとは思う。そして「ドクター・ハウス」より分かり易い。ただ田口先生は映画版の竹内結子の方があってるような。

「三代目明智小五郎~今日も明智が殺される~」(MBS)
良くも悪くも深夜ドラマのミステリー。ホームズの孫でも金田一の孫でもなく明智小五郎の孫という設定。うだつがあがらず、毎回犯人に殺害されるという設定も奇抜で面白いが、初回を見る限りミステリーはほんの風味付けに過ぎず、メタ的なミステリードラマをやりたかっただけかなぁと思う。ただ全体的にキャストを含め堅実なのでいやな感じはしない。さすがMBS。関テレもそうだけど地方局の方がドラマの出来は良いと思う。HTVとかも。

水曜日
「臨場」(テレビ朝日)
前シーズンは主人公や周囲の人物のシリアスな話題満載な感じと大きなドラマを描こうとしているところが苦手であんまり見ていなかったけれど、前作で亡くなった奥さんの問題などが解決したので、今回は純粋にミステリードラマとして楽しめる。事件自体も面白いし、何より展開がありふれてはいない。いやありふれてるか。内野さんはなにやっても格好良いが、倉石はもろ竜馬-ユーモア。

木曜日
「おみやさん」(テレビ朝日)
いつもの。たぶん。というか見ていないや。

金曜日
「警視庁 失踪人捜査課」(朝日放送)
フジテレビが「コールドケース」と「ドクター・ハウス」を見繕って来たので、これは「WITHOUT A TRACE」なのか?と思ってたけど、設定だけ。後は良くある日本のドラマ。要はあんまり面白くない。海外ドラマが好きな人はキャストを見て、すぐに犯人と気づかないから好きな人も多いんだろうなぁ。なんか、こう、足りない。
(追記)
第2話を観たら、結構面白かった。落ちも含めて。ただやっぱり海外ドラマっぽい演出や「クリミナル・マインド」的な回想の演出やお金のなさとかは残念な感じ。

「警部補 矢部謙三」(テレビ朝日)
悪い意味で非常に深夜ドラマ。本家の「トリック」ですらミステリーとしてはギリギリだったのに、これはもはやアウト。今更言うことではないけれど、もう矢部が公安である必要性は全く無い。そしてミステリーはいつの間にか事件を起こして、一瞬分からなくして解決すればそれで良いみたいな感じになっちゃってるのが悲しい。これを見ると本当にそう思う。キャストが豪華だから結構期待していたのにのに。コメディとしてみても滑ってる。バラエティに滑り笑いはあるのに、ドラマには滑り笑いが無い。

日曜日
「日曜劇場 新参者」(TBS)
一応物語の底に殺人事件を置いてはいるものの、本筋は殺人事件を中心としたソーシャルミステリーというか人間ドラマ。キャストがやたら豪華だなぁ。気になるのはやっぱり脚本で良くも悪くも日本のテレビドラマ的。阿部寛と黒木メイサが劇中「新参者」と連呼するけれど、この言葉ってあんまり常用しなくないか?ましてや若い記者が。何か色々年齢が間違ってる気がする。


ミステリードラマ以外で気になったのは日テレの「mother」。テレビドラマなの?と疑問を抱かずにはいられないほどの丁寧なカット割と演出。科白だけじゃなくちゃんと画で見せてる。それだけじゃなくだいぶお金がかかってるなぁという印象。何より子役の子が上手すぎる。あんまり良すぎて、見ていて心が痛くなるほどです。見てられない。もちろん大人も上手い。重いのが難点だけれど、1話を見る限りだと凄い出来だと思う。日テレの水曜10時は凄いな。

それとあとNHKの「チェイス 国税査察官」も土曜9時枠らしく硬派でシリアスでお金のかかった内容。ARATA演じる村雲の容姿が鳥肌実然としているのが面白い。しかも左手が義手!面白いんだけれど、ところどころ科白が説明的だなぁ。「ハゲタカ」もそうだったし、「外事警察」もそうだったけれど、そこが毎度もったいないなぁ。そんでもって臭い。そしてキャラが妙に立ってる。国税をマルサといわずに”8階”っていうのが面白い。そんでもって事務机がリアリティ。

NHK狂育

2010-04-07 | 休み
NHK教育のこの春の新番組ラインナップ凶悪過ぎて、素晴らしすぎる。


Eテレ


「0655」(NHK教育)
朝のたった5分なのに濃密な5分。アホかと思うほどのハイセンスとお金のかけ方。子供向けかもしれないが、大人でも見ます。ハイ。影の薄い芸人さんが歌う「おはようソング」は狙いすぎのきらいもあるけど、続けて「シャキーン!」も見ればニュースなんて見ることない。目が覚める。

「ハーバード白熱教室 」(NHK教育)
ハーバードの政治哲学の授業。この大教室の中で議論を作り上げるサンデル教授も凄いが、2階席まである大教室が満杯の状況で臆することなく挙手をし議論を成立させている学生は凄いな。しかもちゃんと議論になってる。編集しているのかもしれないけれど。ソクラテスとかのギリシャ哲学みたいな問答が面白い。しかも全編吹き替え。中学生とかでも観られる。

「schola 坂本龍一 音楽の学校」(NHK教育)
バッハから音楽の流れを解説。でも調性のくだりはよくわからん。浅田彰が出演していたり無駄に豪華。

「デジスタ・ティーンズ」(NHK教育)
高校生くらいまでのティーンのクリエーターが作った作品を特認教授(今回はティム・バートン)に褒めてもらう番組。クリエーターの作品は面白いけれど、ティム・バートンに変な、不毛な質問したり、無理から褒めさせようとするのは何だかなぁと思う。後半の現役クリエーターが高校生に教授するコーナーはプロとアマチュアの技術以前の違いが垣間見れて面白かった。

「ベーシック10 シーズン2」(NHK教育)
基本は教育テレビの教育番組風で、オードリーが司会だけれど。中学の復習VTRがこれもまたアホかと思うくらいに豪奢。くだらなくて面白くてためになる?のかも知れない。別にためになる必要は無いけれど。復習になるような、ならないような。そしてウェブでも無料で公開というのも。

「1155」(NHK教育)
夜のたった5分なのに濃密な5分。アホかと思うほどのハイセンスとお金のかけ方。「おやすみソング」がそのアニメーションもあわせてまさに”おやすみ”的で心地よいです。一日の終わりに、のはずなのに何故かNHK教育ではエコのためとして休止していた深夜の放送を4月から再開。寝られません。



正直だましだまし消しながら使っていたハードディスクが満杯です。BD大量購入です。こんなラインナップをやられて「地上波はつまらない」だとか言う人はもったいなさ過ぎる。教育は平日の通常ラインナップも過激で面白すぎる。