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NOTEBOOK

なにも ほしがならなぁい なにも きたいしなぁい

【レビュー】『The Last of Us PART I』が最高グラフィック、最高サウンドになって帰ってきた!が…

2022-09-07 | 備忘録
―『The Last of Us PART I』(SIE公式

『The Last of Us Part I』 ローンチトレーラー


2013年、プレイステーション3末期に発売され、批評的にもユーザーレビュー的にも大成功した『The Last of Us』(以下『TloU』)のフルリメイク作、『The Last of Us PART I』(以下『PART I』)がプレイステーション5用ソフトとして9月8日に発売されました。下馬評としては、プレイステーション4でも2014年に『The Last of Us Remastered』としてHDリマスター版が発売されていた為、不要論が強い中での発売でした。

■フルリメイクされたグラフィックや敵AI
本作の1番の目玉は2020年発売の『The Last of Us PART Ⅱ』準拠のハイクオリティなグラフィックです。プレイステーション3のグラフィックをいくらHDリマスターしたところで根本は9年前のゲームのクオリティです。モデリングはもちろんフェイシャルモーションなど9年の間に進化したグラフィックは今見ると美麗ではありつつも、古臭い印象はぬぐい切れません。『The Last of Us PART II』(以下『PART II』)のフォトリアルとコミックの間のような美麗なグラフィックをさらにブラッシュアップしたグラフィックは現行機でも最上級のグラフィックに変更されています。また、敵AIについても『PART II』のより人間的なAIに変更され、原作よりも歯ごたえのあるバトルが繰り広げられます。




■特筆すべきデュアルセンスのハプティックフィードバックと3Dオーディオと高速SSDによる高速ローディング
『PART II』よりも更に進化した点として、プレイステーション5ならではデュアルセンスのハプティックフィードバックと3Dオーディオと高速SSDによる高速ローディングがあります。デュアルセンスのハプティックフィードバックは周囲の環境に合わせた繊細な振動は近くを通るトラックの振動を感じられたり、没入感を高めます。没入感を高める点では3Dオーディオは敵の位置を音で感じることができ、さながら感染者に囲まれているシチュエーションを実体験できます。また、高速SSDによる高速ローディングは『PART II』の唯一の欠点である長いロード時間を過去のものとしています。快適。

※参考:『The Last of Us Part II』読み込み時間動画


■グラフィックや敵AIやその他もろもろを最新にしても中身のゲームメカニクスは2013年のゲームである
しかしゲームを進めるにつれて、『TloU』が如何に”ゲーム史に残る大傑作”だとは言っても、結局は2013年のゲームである点が立ち上ってきます。フルリメイクされたグラフィックや敵AIやデュアルセンスのハプティックフィードバックと3Dオーディオと高速SSDによる高速ローディングで最新の技術でフルリメイクしたところで結局は2013年のゲームなのです。2020年発売の『PART II』と比べると、ゲーム部分は古い、古臭いのです。ダッジ(回避)が出来ない戦闘、ホフクが出来ない移動、ダッシュから滑り込みが出来なかったり、アクションの幅が2013年のままです。フィールドもXY軸でしかなく、Z軸がありません。遊び比べると『PART II』の進化が際立つとともに『PART I』のシンプルさ、古臭さが際立つというか、端的に言って面白くないです。

加えて言うと、日本版はバイオレンス描写が規制されており、本作の物語が持つ「暴力性」を弱めてしまっており、本作においては規制が表現にマイナスの影響を与えています。これはやはり残念です。

■変わらない上質な物語と『PART II』への布石
久しぶりに『TloU』の物語を味わうとその端正さと完成度の高さは変わらない面白さがあります。そして、『PART II』を経た後に今一度『TloU』の物語を『PART I』でプレイすると、『PART II』の被害者から見たジョエルとエリーの視点は『TloU』の時点で既に示されていたことを再確認できました。中盤で登場するデビットはジョエルたちに仲間を大量に殺害されたコミュニティのリーダーでした。彼らが人肉食をする異常な集団である為、彼らが悪魔的にも見えますが、ジョエルとエリーの暴力性も強調されておりジョエルとエリーが単純に正義ではないことが示唆されていました。また、ジョエルはエリーがウィルスの治療薬研究に協力することで命を落とすことを知り、エリーを奪って病院から脱出します。ジョエルはエリーの協力が不要になったから帰ることにしたとエリーにウソをつきますが、ラストカットでエリーはその理由が本当であるかを念押しで確認しています。『PART II』でのジョエルの嘘が明らかになってしまう事を暗示しているようです。


面白いゲームであり、贅沢に最新技術が盛り込まれたハイクオリティゲームではあるものの、『PART II』と比べるとゲームとしての面白さは古臭くもあります。『PART II』大好き人間としては、『PART II』の悪評を聞いて手を出していない人は『PART II』を買った方が幸せになると思います。『PART II』経験済みな人で『PART II』が面白いと思った人には物足りないと思います。『PART II』の北米版を買う方が楽しいと思います。『PART II』のプレイステーション5版を期待して待ちます。


PS4史上、最も不当な評価をされている『The Last of Us PART Ⅱ』を『PART Ⅰ』発売前に振り返る

2022-08-28 | 備忘録
ー『The Last of Us PART Ⅰ』(SIE公式)

『The Last of Us Part I』 ローンチトレーラー


■『The Last of Us』、2度目のリメイク
プレイステーション5/PCタイトル、『The Last of Us PART Ⅰ』(以下『PART Ⅰ』)が来週9月2日(金)にいよいよ発売になります。本作は2013年リリースのプレイステーション3用ソフト『The Last of Us』(以下『TLoU』)の2度目のリメイク作品です。その後プレイステーション4でもHDリマスターがリリースされていることもあり、一部ユーザーからリメイク不要、リメイク自体が批判されています。ただ、プレイステーション4でのHDリメイクはプレイステーション3版の翌年2014年のリリースであり、システムは基本的に同じでグラフィックがHDリマスターされただけのものでした。8年前の内容なのでグラフィックもメカニズムも古い内容でした。『The Last of Us PART Ⅱ』(以下『PART Ⅱ』)ベースの『PART Ⅰ』のリメイクは私は歓迎です。

今回のリメイクは2020年発売の『PART Ⅱ』のグラフィック、ゲームメカニズムをベースとしてリメイクされています。プロデューサーのニール・ドラックマンは『PART Ⅱ』製作中に『PART Ⅰ』のリメイクを発想したと語っています。『PART Ⅱ』をプレイした人なら分かると思いますが、『PART Ⅱ』はグラフィック、ゲームメカニズムともに大幅に進化しており、別物と言って差し支えないレベルのゲームになっています。AIはより人間的になり細かい変化に気づきやすく、より緊張感のあるステルスプレイが可能になりました。また、アクションも大幅に進化しホフク機能などの追加によってアクションの戦略性が幅広くなりました。また、物理エンジンの進化によりゲーム内の移動も現実的な物理法則を用いたギミックが増え、ゲームとしての面白さが激増しています。その技術が応用された『PART Ⅰ』は、単純なHDリマスターであるプレイステーション4版とは別物のゲームになっているはず。

『The Last of Us Part I』PlayStation®5フィーチャー&ゲームプレイトレーラー


ただ、そのリメイクの元となる『PART Ⅱ』はゲームのクオリティに比して、ユーザー評価が芳しくありません。要因としては、発売前のリークに基づいた本作への憎悪感情、更にそれを煽ったSNSでのバイラル効果によるものだと私は考えております。そしてそこから発生した『PART Ⅱ』への批判の大半は不当なものだと言わざるを得ないものです。ユーザーがレビューや評価を投稿できるmetacriticのスコアを『PART Ⅱ』と同じ年に同じソニーインタラクティブエンターテイメント(SIE)からリリースされた『Ghost of Tsushima』と比べるとその異常さが際立ちます。


■異常なレビューサイトへのユーザーレビュー投稿数
・GHOST OF TSUSHIMA(metacritic


・THE LAST OF US PART II(metacritic


2022年8月28日時点で『Ghost of Tsushima』のユーザーレビュー数が20,621件 であるのに対して、『PART Ⅱ』のユーザーレビュー数は159,302件となっとり、『PART Ⅱ』のユーザーレビュー数はおよそ8倍になります。これは明らかに異常で、実際にプレイしたユーザー以上にプレイしていないユーザーがネガティブレビューを書き込んでいることが伺えます。『TLoU』の主人公が冒頭で殺害されるなどのストーリー面での批判はまだ理解できますが、もう1人の主人公であるエリーの性自認への批判やもう1人の隠されていた主人公、アビーへのルックスへの否定的な意見が批判として展開されています。

アビーをして「多様性の名の下にブスを出すな」と言った多様性、ポリティカリーコレクトネス批判が見られたりもします。率直に言ってそう言った批判はSNSやPV稼ぎが目的のゲーム系まとめサイトに煽られた人たちのルッキズム的な差別的思考に基づいたものであり、まともに取り合うべき批判や評論ではありえません。ただ、SNSやPV稼ぎが目的のゲーム系まとめサイトに煽られた人たちは少なくなかった為、"『PART Ⅱ』はポリティカリーコレクトナスにおもねったクソゲー”の烙印を押されてしまい、アマゾンなどでも発売後数週間後には新品も大幅な値崩れをしてしまい、未だに価格改定前のバージョンの新品がアマゾンで2,000円台で購入できてしまいます。

・【PS4】The Last of Us Part II 【CEROレーティング「Z」】(Amazon


■『The Last of Us PART Ⅱ』はプレイステーション4史上最高のゲーム
実にもったいないです。プレイステーション4やプレイステーション5を持っていて、"『PART Ⅱ』はポリティカリーコレクトナスにおもねったクソゲー”と思ってまだプレイしていない人がいたら、ぜひプレイしてみてほしいです。ゾンビ系のサバイバルシューターが苦手で、ゲームはクリアしたらほぼ再度プレイしないのですが、『PART Ⅱ』は4度もプレイしてしまうほどはまり、表現規制の違いの為に北米版も購入するほどハマってしまったゲームです。

シナリオに賛否あるのは理解できるものの、それでも強烈な”愛”の話としてよくできています。賛否があるラストのエリーの判断もこの物語を一緒に体験してきたユーザーであれば受け入れられるものだと思います。物理法則を取り入れたギミックは凡百のゲームでみられる苦痛なパズル要素とは一線を画した現実的なものでアクション映画の主人公になった気分です。ゲーム内のアクションは前作よりも更にリアリスティックに演出されており、リアルで没入感が増した一方で、アクションはより豊富になりつつも動かして楽しく、マップは起伏に富み鬼ごっこの様に戦略性が増しています。ステルスが苦手な私も本作のステルスは試行錯誤が楽しくて意外でした。

The Last of Us PART Ⅱ®︎ ゲームプレイ


決してクソゲーなどではなく、プレイステーション4史上で最も不当な評価を得てしまった、プレイステーション4史上最高のグラフィックとゲームメカニズムを備えたゲームだと思います。そんなゲームが今は新品で2,000円台で買えてしまうので、ぜひまだの方はプレイしてみてほしいです。本当におすすめです。












ヨンウが初めて涙を見せた日、ヨンウからパク・ウンビンに戻った日『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』第16話「風変わりだけど」

2022-08-19 | 備忘録
『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』が遂に最終回を迎えてしまいました。これまでどんなに辛いことがあってもヨンウの涙はカメラには捉えられませんでしたが、今回初めてヨンウの涙がはっきり映されました。また、ラスト"達成感"を得て、表情が豊かなヨンウはもはやヨンウでは無く、パク・ウンビンでした。寂しい…


ハッキング事件の犯人はヨンウの異父弟、高校生ハッカーのサンヒョンであり、その黒幕は被害企業ラオンのウォズニャックこと共同代表のキム代表だった事が明らかになり、もう1人の共同代表ペ代表の自殺未遂をきっかけとして自首したいサンヒョンと法務長官になる為に息子の自首を阻みたいテ・スミと言う構造から話が転がされました。

まず、事件の構図が面白かったです。共同代表の1人が黒幕と言う設定から、ハンバダ弁護士チームは依頼人の利益相反の為、事実を公に出来ない事態に陥りますが、入院中のミョンソクの助言とヨンウの閃きでなんとか立ち回ります。この構造は本作ならではなスッキリ感。

続いて、ヨンウの異父弟サンヒョンのキャラクター描写。金持ちの息子で天才ハッカー設定はありがちながらも、未熟なりに倫理観は持ち合わせており、自分の罪を償いたいと考えているのが面白かったです。また、ヨンウと同じように耳栓とアイマスクで睡眠をしていたり、モノの置き方にこだわりがあったりと、ヨンウと同じだ!となり親近感を抱きました。(なおサンヒョンとヨンウのこの性質はテ・スミ譲りである事が過去の描写で描かれています。)

サンヒョンがヨンウの元に突然訪ねてくるのもアクロバットながら、説得力ある前段のテ・スミとのやり取りや大企業へのハッキング事件の犯人と言う設定から、何故サンヒョンがヨンウの事を知り得たのかと言う点に脚本の飛躍ではなく、納得感がありました。サンヒョンとヨンウとのやりとりもヨンウの困惑具合が良いシーンでした。

地味に、"春の日差し"ことスヨンに惚れられて、絆されたミヌが、テ・スミからヨンウをハンバダから追い出せと言う依頼を断る際に、「バカになることにしました」と断る理由を述べていたのが、ミヌの変化が感じられるシーンでした。また、その中でヨンウの近況を報告しますが、「社内恋愛の相手と別れた」と伝えると、テ・スミがヨンウが社内恋愛していた事に喜んでいる描写があり、彼女が鬼では無い事が示され、これも良いシーンでした。

ヨンウの説得シーンにこの鬼では無いテ…スミは繋がっていたと感じます。決死の覚悟で聴聞会前のテ・スミと面会し、テ・スミに息子サンヒョンの法廷での証言を認めさせようとするヨンウは、サンヒョンに罪を償わせる機会を与えて欲しい、子供を叱れる親だと信じているサンヒョンを裏切らないで欲しい、私にとっては良い母親ではなかったけれどサンヒョンにとっては良い母親でいて欲しいと説得。ここもまた演技合戦でしたよ…ええ…泣くよ…


猫の例えのジュノの告白からのヨンウの逆告白で捨てられた子犬顔だったジュノがアホみたいな顔でヨンウを見つめていて、ジュノは本当はアホなんじゃ無いかと思えてきました。ミヌはミヌでスヨンが好きで居てくれる男である為に、良い人になっていくのもアホっぽくて最高です。サンヒョンへの尋問前にヨンウを励まそうとグーを差し出すもののスルーされるのもアホでかわいいです。


最後の敵はテ・スミでした。韓国ではしばしば財閥などの富裕層の子息が犯罪を犯しても、警察に手を回したり、お金を積んだらすることで罪を免れると言う話があったように思うので、今回はそこがエピソードのテーマだったのかなと。

結局、ヨンウの出生の秘密は暴露されませんでした。この点で予想は当たっていましたが、ヨンウはハンバダを辞めませんでしたし、ミョンソクは辞めそうではあったもののラストの逡巡を見る限り辞めなさそう。

それにしても良い最終回でした。ただ、ラスト、"達成感"を得たヨンウは表情豊かになっており、私の知るウ・ヨンウではなくて、パク・ウンビンになっていました。これは「あー、ヨンウが居なくなってしまった」と寂しい気持ちに…

予告が完全にミスリードで最後にどでかい大ネタを持ってきた『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』第15話「聞いてないこと、頼んでないこと」

2022-08-18 | 備忘録
Woo Young-woo doesn’t want Lee Jun-ho to be lonely | Extraordinary Attorney Woo Ep 15 【日本語字幕 CC】


ミョンソクの手術中、ミョンソクの唯一残った同期であるチャン弁護士の管理下に置かれるヨンウたち新人弁護士チーム。

チャン弁護士はミョンソクとライバル関係にあるっぽかったので、もう少し"仕事ができる"キャラかと思ったら、仕事は適当、知識は適当、姿勢も適当な上に癇癪持ちで部下の反論に声を荒げるパワハラ上司。しかも部下を見捨てて逃げるクソ上司で、ミヌの酷さを追い抜く酷さで、ミヌの酷さを忘れさせてくれます。

ヨンウはジュノに付き合えない本当の理由を語る一方、スヨンとミヌのラブラインは更に加速。ツンデレなスヨンの告白のような"好きな男のタイプ"を放ち、それを受けてのスヨンが"バカ"になった瞬間よ。

あと、細かいヨンウの指摘からチャン弁護士がブチ切れてからの嫌な展開になりますが、ヨンウと同じくらい細かい裁判長がヨンウと全く同じ細かい指摘をするギャグってなんなんだ笑となりました。

14話のラストの15話の予告が完全なるミスリードで構成されていた事に驚くと同時に遂にテ・スミの息子が遂に姿を現し、しかも第15話の担当事件の大元のハッキング事件の犯人であると描かれて2度びっくり。


さぁ、明日(今日か)は泣いても笑っても第16話、最終回の配信です。

テ・スミの息子がヨンウの元に弁護の依頼に来るのでは?と予告から想像します。そして、15話後半にハン・ミニョンはテ・スミを潰す為にヨンウがテ・スミの隠し子である事を暴露することを予告していましたが、テ・スミの息子が刑事事件で起訴されれば、ハン・ミニョンが暴露するまでもなくテ・スミの政界進出は打ち砕かれるのでは無いでしょうか。

ジュノは孤独になってもヨンウと居たいと告白して結ばれ、スヨンとミヌは何だかんだでミヌが振られるのかなぁ…そしてヨンウとミョンソクはハンバダを辞めて、ヨンウはリュ弁護士の人権派弁護士事務所に転職して、ミョンソクはワークライフバランスの取れた弁護士事務所に転職、若しくは独立して元妻とヨリを戻す…だったら、良いなぁ。

ジスの孤独とジュノの孤独、スヨンとミヌの『恋人たちの予感』、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』第14話「済州島の青い夜Ⅱ」

2022-08-12 | 備忘録
-『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(ウ・ヨンウ弁護士は天才肌 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

第13話「済州島の青い夜Ⅰ」ラスト、法廷内で倒れたミョンソクは結局胃がんのステージ3だった事が明かされます。ヨンウは自分がジュノを幸せにする事ができないと考えてしまい、ジュノに別れを告げます。


◆ジスの孤独、ジュノの孤独、光代社長の孤独
ミョンソクの入院先に訪れて居た元妻ジスとミョンソクが話しているところに、相談の為に割り込んでくるヨンウ。ジスと話している時とは異なり、イキイキとヨンウと話すミョンソクを見たジスはミョンソクと別れた理由を思い出します。ジス曰く、ミョンソクと一緒にいても孤独を感じていたと、だから別れたのだと。夫婦、恋人たちの間の孤独の話ですが、これはヨンウに対する父グァンホの気持ちに接続している様に思います。グァンホはヨンウに対して、ヨンウを育てる事が大変だったとは言わずに寂しかったと表現していました。ヨンウは自閉スペクトラム症の為に、自分の世界に住んでいる為、グァンホに関心を向けなかったからです。

この自閉スペクトラム症に特有の自分の世界に止まってしまう特性、相手の世界をスルーしてしまうと言う描写は、ヨンウがジュノに別れを告げるシーンで改めて表現されます。ジュノへの別れを告げているにも関わらず、インスピレーションを得たヨンウはジュノの事は置き去りに、進行中の裁判の弁護方針を一方的に語り出します。これがグァンホが言う寂しかったの正体ですし、自閉スペクトラム症では無いにしろ、ミョンソクとジスが別れた原因でもあります。少し話は飛ぶのですが、この恋人間、夫婦間の孤独の話は、NHK総合で放送されて居た「ふたりのディスタンス」の太田光と妻光代社長回で描かれていた光代社長の孤独と通底している様に思いました。ちなみに、光代社長は再三太田光に対して離婚届を突きつけたものの、その度に離婚届を破られた為、離婚に至って居ないと語っていました。


◆プリンセスと腹黒策士の『恋人たちの予感』
ミョンソクが病に倒れ、ヨンウとジュノはラブラブから一転、ツラい事情をキッカケに別れを選択すると言うツラい展開のオンパレードで落ち込んだ所に、プリンセスことスヨンと腹黒策士ことミヌのラブライン。ジュノを介抱したミヌを外に呼びつけたスヨンは、済州島出張から皮肉を言ったり、陥れたりしないミヌを何のつもりと問いただす流れから、「俺に惚れてる?」と軽口を叩くミヌ。それに対してフリーズしてしまうスヨンを目にして、自分の軽口がスヨンの真実を突いてしまった事に気付き真顔になるミヌ。まさかの『恋人たちの予感』の告白シーンの様なツンデレ告白。最高です。

※参考:When Harry Met Sally Ending Scene


そしてラストは、第9話ラストのグァンホのキンパ屋に居たテ・スミの様子を撮影した新聞記者がハン・ミニョンの元を訪れ、テ・スミの隠し子について問いただすシーン。全てを暴露するハン・ミニョン。ようやくハン代表の陰謀が動き出しました。そして、第15話の予告では、ミョンソクの姿は無く、ミョンソクの唯一の同期チャン・スンジュンの元でヨンウたちミョンソクチームの新人たちが働く様子が描かれます。ミョンソクが手術の為に入院している為、スンジュンが管理していると思います。絶対そうであって欲しい。そして恐らくヨンウがテ・スミの隠し子である事が報じられた後、ヨンウへのメディアスクラムからヨンウを守るスヨンとミヌ!どう落とし前をつけてくるのか?これ、後2話で終わるのか?

Extraordinary Attorney Woo #SwoonWorthy moments with Woo Young-woo and Lee Jun-ho【日本語字幕 CC】


在りし日のヨンウとジュノ。ジュノと別れたヨンウが韓国に居続ける理由が無くなったようにも思うので、もしかするとボストン行きの話をグァンホから提案されてしまうのかも。まだハリウッド映画の2幕目の様相。