「九条自由広場」

「昭和区九条の会」(名古屋)のブログです。会と市民の皆さんとの交流の広場です。ぜひ「コメント」をください。

解釈改憲の想定問答の概要!     平 和平

2014-07-31 16:12:10 | Weblog
 閣議決定で解釈改憲をするため、想定問答がつくられました。
 これは、閣議決定前のものですが、その後、議員が地元で説明する
ための「第二次想定問答集」がつくられ議員に配布されているよう
ですが、いろいろと検索しましたが、まだ確認できていません。

 とりあえず、新聞報道された以前の想定問答の概要をご紹介します。

 なお、別件ですが、8月2日(土)10時30分より東別院会館の椿・
蓮の会議室で「あいち九条の会の交流会」が開催されます。
 午前中は、憲法学者の小林武さんの講演、午後からは各地の九条の
会の経験交流会が行われます。
 よろしかったら、ご参加ください。


(産経にユースより:6月27日)
「解釈改憲でなく再整理」 集団的自衛権めぐる「想定問答集」の概要判明

 集団的自衛権の行使容認をめぐり、政府・与党が有権者向けに作成した
「想定問答集」の概要が26日、明らかになった。
 与党が実質合意した閣議決定の原案について、公明党への配慮から「解釈
改憲ではない」と強調し、「解釈の再整理という意味で一部変更」として位
置づけている。
 自民、公明両党はこの概要をたたき台に、それぞれ詳細な問答集をまとめ
る方針だ。
 問答集は、与党協議の内容を反映。集団的自衛権を行使できる場合につい
ては、自民党の高村正彦副総裁が提示した「武力の行使」の新3要件を満た
す限り「国際法上は集団的自衛権が根拠となる『武力の行使』も憲法上許容
される」と説明した。
 要件に該当しているかどうかは「政府が全ての情報を総合して客観的、合
理的に判断する」と明記した。
 集団的自衛権の行使容認を憲法改正で行わない理由については「昭和47
年の政府見解の基本的な論理の枠内で論理的な帰結を導ける以上、必ずしも
憲法改正を行う必要はない」と指摘。「憲法の範囲内で必要な法整備をする
ことは政府の責務」と強調している。

 海上交通路(シーレーン)での機雷掃海は「限定的で受動的な活動」であ
り、新3要件を満たす場合には「憲法上許容される」と位置づけた。
 自公両党間で議論になった集団安全保障については、国連安全保障理事会
が武力行使を容認する決議を採択した場合であっても、新3要件を満たす
「武力の行使」は、自衛の措置として憲法上許されると定義している。

《問答集のポイント》
・閣議決定案は昭和47年の政府見解の枠内で導き、「新3要件」を満たす
場合に限り武力行使も憲法上許される。要件の適否は政府が判断。

・機雷掃海や民間船舶護衛は「新3要件」を満たせば憲法上許される。外国
人が乗った船舶の護衛も外国との共同計画下なら可能。他国領海内の機雷掃
海も憲法上許されないわけではない。

・米国以外の「わが国と密接な関係にある他国」は新3要件に照らし、個別
具体的な状況に即して判断。
・「新3要件」を満たす活動中に国連安保理が集団安全保障措置としての決
議を採択しても、活動を中断しなければいけないわけではない。活動が集団
的自衛権を根拠とする場合より広がることはない。


国民を臆病とは!      大西 五郎

2014-07-30 07:39:00 | Weblog
 東海放送人九条の会の大西さんから情報の提供がありました。
紹介します。
 
 菅官房長官がカナダのベアード外相に安倍政権の
最近の支持率低下の理由を聞かれて「国民が安全
保障に臆病だからだ」と答えました。銃をもって戦線
に飛び出していく勇気がないとでも言っているのでし
ょうか。
 安倍内閣の支持率低下は国民に理解されていない
政策を強引に押し通そうとする安倍首相の政権運営
にあるのが分かっていないようです。
                   
新聞の片隅に載ったニュースから(160)

「国民は安全保障に臆病」菅氏、支持率低下を説明(14.7.29 中日新聞)

菅義偉官房長官は二十八日、首相官邸で会談したカナダのベアード外相から、
安倍政権の最近の支持率低下の理由を聞かれたのに対し「国民が安全保障に
臆病だからです」と述べた。

 ベアード氏が「安倍政権の経済政策はこんなにうまくいっているのに、な
ぜ支持率が落ちているのか?」と質問したのに答えた。
 会談では、安倍政権の経済政策や両国の経済連携協定(EPA)締結につ
いて協議。この中で、菅氏は、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈見直
しを閣議決定したことを説明し、ベアード氏からは支持する意向が伝えられた。

 安倍政権の支持率は集団的自衛権の行使容認後、下降気味。共同通信社の
今月一、ニ両日の調査では47・8%で、六月から4・3ポイント下落した。

    □□―――――――――――――――――――――□□

「国民は安全保障に臆病だからです」がどういうことなのか、この記事の説
明だけではわかりませんし、他の新聞はこのことに触れていませんので、想
像するしかありませんが、
「安倍首相が進めようとしている集団的自衛権を行使するようになると、日
本が他国との戦闘に巻き込まれることを恐れている。日本の国民は自ら銃を
取って敵に立ち向かうという気概が薄く、積極的平和主義という安倍首相の
方針がよく理解されていない」とでも言いたかったのでしょうか。

きょうの日経新聞には、日経新聞が7月25~27日に行なった世論調査の結果
が報告されていましたが、首相が集団的自衛権の行使容認にあたり「武力行
使は必要最小限度にとどめるなどの『新3要件』を規定した。行使の範囲に
は歯止めがかかる」としていることに対して、「かかる」の回答は23%しか
なく、「かからない」と判断する人が53%で、首相の言っていることが国民
に信用されていません。

 歯止めがかからなければ、菅官房長官が言うように「他国との戦闘に巻き
込まれることを恐れる」から安倍首相の政策を信用できず、「支持できない」
となるのです。
 今年は第一次世界大戦勃発から100年ということで、各地で慰霊や平和を
願う行事が営まれていますが、きょうの毎日新聞の「第一次大戦100年 世
界はいま」という特集によりますと、第一次大戦で仏英両国では自国軍によ
って銃殺された兵士が少なくなかったといいます。
 フランスでは上官への反抗で、イギリスでは逃亡が主な理由だそうです。
上官に命令された仲間の銃殺を拒否したり、戦闘中行方不明となったという
ケースが多かったといいます。
 勇敢な兵士でも耐えられないような過酷な戦場だったといいます。このた
めイギリスではそうした兵士の名誉を回復したといいます。
 フランスでは名誉を回復するかどうかの議論が続いているそうです。

 菅官房長官は「国民は安全保障に臆病だ」と言います。そして安倍首相は
若い人が「お国の為に」と身を投げ出してくれることを望んでいるのかも知
れませんが、国民が納得できない政策を無理矢理推し進めようとすることを
国民は「支持できない」と言っているのです。

                       大西 五郎

安倍、支持率落ち続ける。     秋葉 次郎

2014-07-29 07:25:52 | Weblog
 安倍支持率、最低相次ぐ・・・・若い世代で急落、という見出しが
本日の赤旗新聞記事にありました。

 同記事は「各紙世論調査で安倍内閣の支持率が最低を記録しています。
といい、日経の調査では、前月調査よりも5%下落し、48%となり、

発足以来初めて50%を切っています。
 一方、不支持率は38%となり、20~30代は10%、40代は9%も前

回から下落、集団的自衛権の閣議決定を「評価しない」48%、「評価
する」の36%を上回りました。

 特に、20~30代は「評価しない」が60%近くになっていることを紹
介し、経済政策も40%で賛否が拮抗していることに触れ、「こうしたこ

とが内閣支持率の低下に影響している」と指摘しました。

 朝日新聞調査でも、内閣支持率は42%(過去最低)、不支持は36
%となっています。川内原発再稼働も、反対が59%、賛成が23%で

あり、安倍首相の高い支持率に陰りが出ています。
 管官房長は「国民が安全保障に臆病になっているからだ」と外遊先で

コメントしたそうです。
 私は、我慢に我慢を重ねた国民の反撃の表れだと思います。滋賀県知

事選挙から彼らは何も学ばないのでしょうか。支持率の低下は彼らへの
警告だ感じる、ことができないようです。

 反省なく暴走を続ける安倍内閣には退陣を求める以外なさそうです。

名古屋で開催された「国民安保法制懇」    平 和平

2014-07-28 08:14:22 | Weblog
 集団的自衛権の行使に反対する学者や有識者12名でつくる「国民安保法制懇」
のつどいが、名古屋の東別院ホールで27日の午後から開催されました。
 前記、「法制懇」は全国各地で「つどい」を開催し、9月には集団的自衛権に
反対する「報告書をまとめる予定です。
 名古屋集会には、会場いっぱいの450名が参加したそうです。私は所要で参加
しませんでした。

 中日新聞によれば、防衛省出身・元内閣官房副長官の柳沢協二さんは「抑止力の
本質は脅し」「力ではなく、戦争のコストを認識したうえでのルールづくりが時代
の趨勢」「日本社会が受容できるギリギリがイラクのサマワ派遣、あれ以上の活動
をすればひつぎが返ってくるが、政治家にはその覚悟がない」と述べました。
 
 弁護士の伊藤真さんは「国民が気が付かないうちに憲法を実質的に変えるようと
している」と批判、「日本を守るために必要と言っているが、自衛という大義名分
で何でもやろうとしている」と警鐘を鳴らしました。

 改憲論者の小林節慶応名誉教授は「憲法の基礎知識に欠ける人たちは説得できな
い。政権を交代させ、違憲の閣議決定を撤回させればいい」「沖縄・福島の知事選
挙や来春の統一地方選挙への機運盛り上げを」と訴えました。

 「国民安保法制懇」に参加した茂さんより、メールをいただきました。新聞記事
にはない、視点の文章ですから、以下に紹介いたします。

 今日の講演会は、大盛況でした。
 講師は、柳澤さんと小林さんと伊藤真さんと愛敬さんの超豪華メンバーでした最
初に各20分の講演?があり、 
 休憩をはさんで柳澤、小林、伊藤の3氏による鼎談(愛敬氏は、別の講演があり
不参加)が行われました。
 柳澤、小林両氏は、政権の中心、また自民党に大変近いところにみえただけに大
変興味深く、勉強になりました。
 真面目な伊藤真さんが怒りをあらわにされたのも珍しいことです。
 鼎談は川口さんの巧みな司会によって面白いものになりました。近来にない良い
講演会だったと思います。
 小林さんは、終了後、松坂の山中市長に会いに行かれました。
 市長は、小林さんの教え子だそうです。市長は、橋下、河村市長とは違うので応
援してやってほしいとのことでした。

 山中市長の違憲訴訟は、今の日本の裁判所では、勝訴は無理だろうが、打倒安倍
のための活動になればよいと言ってみえました。
 私も弁護士に対して同じことを思っています。

(注)茂さんは、法律の専門家である弁護士が全国各地で違憲訴訟を起こし、世論
  を喚起する必要があるとの、意見を持っておられます。

政治評論家・森田実による安倍評価は?   平 和平  

2014-07-27 11:30:21 | Weblog
ブログを検索していましたら、いかに紹介する論評がありました。
森田さんは、先ほど開催された私学父母紺のサマ・セミにも参加され、厳しく
安倍さんを批判していたと聞きました。

 以下のコラムは、アメリカが日本をどうしようとしているのか!
 安倍首相が、それに屈している状況を具体的に提示しています。

 皆さんの判断の一助になればと思い、ご紹介します。

【コラム・森田実の政治評論】
暴走する安倍政権 TPP容認・JA解体の裏に米政府
・米国の狙いはアジアの分断
・対米従属強め軍事の一体化
・JA手始めに抵抗勢力潰し

 今の日本の政治を動かしているのは、「安倍革命」とも言うべき1945年以後の
戦後政治の根本である「国民主権・平和主義・基本的人権尊重」を否定、または
大幅修正をめざす安倍首相らの戦後平和主義・民主主義への否定の情念です。

 安倍首相は、第一次内閣のときに使った「戦後レジームからの脱却」を実行し
ているのです。
 安倍首相らの「革命」的情熱の根底にあるのは、戦後の平和・民主主義社会へ
の強い不信です。首相の言動には、靖国参拝への強いこだわりに見られるように、
戦前の軍国主義への回帰の志向が目立ちます。
 このため首相には復古調の日本軍国主義のイメージが色濃いのですが、私は、
安倍革命の真の指導者はオバマ大統領ら米国の政治指導者たちだと思っています。

◆米国の狙いはアジアの分断
 安倍首相は、従来の自民党内閣の首相に比べると、従米志向が異常に強いので
す。安倍革命の最大の利益の享受者はオバマ米大統領など米国政府指導者です。
首相がつくろうとしているのは「米国政府のための日本」だと私は思っています。

 安倍政権が集団的自衛権の行使容認を行うことによって、東アジアは新たな冷
戦状況に入ります。悪くすると熱い戦争が起こるおそれがあります。
 私は、オバマ政権は早期に熱い戦争を企てているのではないか、との疑いをも
っています。これによってアジアは分断されます。
 東アジアの二大国の日本と中国が冷戦状況になることは、オバマ米政権が強く
望んでいることです。アジアの分断によって、中国も日本もともに力が低下します。

 米国の地位は相対的に上昇します。衰退期に入った米国政府の権威を維持するた
めの起死回生の戦略の中心が、日本を従米軍国主義の国に変えて中国と対立させる
ことなのです。
 オバマ米大統領は、安倍首相の靖国神社参拝、歴史見直しなど、米国政府の本来
の考え方に反する言動に寛容の姿勢をとる代償として、安倍内閣に早期の集団的自
衛権の行使容認とTPPを受け入れさせました。
 安倍内閣は、オバマ政権の懐に飛び込んだのです。
 米国政府がめざしているのは、2010年12月の日米防衛協力の指針(ガイドライン)
改定による米国と日本の軍事力の一体化です。
 日本の軍事力を米国軍の一部として利用する体制を築くことです。日本を今まで
以上に強く従属化させることです。米国の力は強くなります。

 米国政府は、2014年12月の日米防衛協力の指針改定までに少なくとも二つのこと
を安倍政権に要求しています。
 一つは、憲法改正の手続きをとることなく安倍内閣の憲法解釈の変更によって集
団的自衛権の行使が可能だと閣議決定すること、
 もう一つは集団的自衛権の行使容認を前提に自衛隊法を抜本改正し、日本の自衛
隊が米軍と同じ行動をとれるようにすることです。

◆対米従属強め軍事の一体化
 安倍内閣はこの二つのことを履行した上で、日米防衛協力の指針改定についての
米国政府の要求を受け入れて、米国と日本の軍事力の一体化をはかろうとしています。
これによって日本の自衛隊は事実上、米軍の指揮下に入ることになります。
 米国と日本の軍隊が、世界のどこでも、無制限に一緒に戦争できる体制をつくるの
です。日本の軍事力を包摂した米国の軍事力は強大化します。米国は復活します。

 米国が安倍内閣に求めているのは、日本を軍事面での集団的自衛権を行使するする
国にするとともに、経済・貿易面で米国経済と日本経済を従属化し一体化することで
す。
 安倍政権は米国の強い要求を受け入れ、関税自主権を事実上放棄し、日本の農業・
酪農を犠牲にしてオバマ米政権の要求に従う方向に動いています。
 安倍内閣はTPP交渉にあたって日本の国益を守ることを国民に公約しました。
 国会も日本の国益とくに農業・酪農を守ることを決議しています。
 しかし安倍政権は、TPPが秘密交渉であることを理由にして曖昧な発言と詭弁を
繰り返しています。真実は国民に知らせていません。

 米国政府の日本への圧力は、表面には出ませんが、強まっています。5月28日の
共同ニュースは「米、指針改定前の閣議決定要求 集団的自衛権」と報道しましたが、
米政府の誰が言ったかなど、具体的なことは報道していません。
 このため、国民は米国からの水面下での圧力を知りません。
 今、安倍政権が最も恐れているのは、安倍内閣の集団的自衛権行使容認の動きへの
日本国民の警戒心の増大と世論の変化、TPPに関する公約違反、国会決議違反に対
する国民の怒りの爆発です。

 この国民の不満の爆発が次の国政選挙や統一地方選挙の時に起きることを安倍政権
と自民党は極度に恐れているのです。
 とくにTPPに関する公約違反に対する農業者と地方の不満の爆発に脅えています。
 安倍政権と自民党は、悪魔に誘惑されてしまったように見えます。

 安倍政権と自民党は、国民の政治への不満が爆発した時にその最大の抵抗組織にな
りうる可能性をもった集団の解体を考え始めました。
 その一つが農業協同組合中央会(全中)の解体です。これを行うために使ったのが、
政府の規制改革会議です。

◆JA手始めに抵抗勢力潰し
 かつて小泉首相が強行した郵政民営化、郵政解体と同じやり方で、全中解体をはか
ろうとしているのです。
 警戒すべきは、政府の規制改革会議が日本のよい伝統的仕組みを破壊する米国の新
自由主義の論理で動いていることです。
 日本の農業は協同組合制度の上に成り立ち、今日まで日本の農業と食糧供給を支え
てきました。協同組合を株式会社化するよりもむしろ両者の共存共栄をはかるのが、
本道だと思います。
 日本の農業を、「角を矯めて牛を殺す」ごときことはしてはいけないのです。
 米国政府の圧力に負けて、農業に自由競争原理を持ち込むことは危険だと思います。
大切なのは調和です。

 最近、オバマ政権の対日政策に変化が見られます。米国の政治的・軍事的・経済的
な力が低下してきています。
 それを、日本の軍事的・経済的能力を米国のものとして利用することによって補充
しようとしているのです。軍事面での日本との一体化が集団的自衛権の行使容認です。
 経済面での一体化がTPPです。米国の力量低下による米国政府の動揺が「安倍革
命」を後押ししているのです。


百田経営委員の番組介入       大西 五郎

2014-07-27 11:03:00 | Weblog
東海放送人九条の会の大西さんから情報の提供がありました。
紹介します。
 NHKの百田尚樹経営委員が経営委員会で個別の番組の批判
をしたことが、放送法の番組への介入禁止条項に違反すると問
題になっています。
 こう度々問題発言をする百田氏をNHK経営委員にした安倍
首相の任命責任も問われます。
                        

新聞の片隅に載ったニュースから(159)

百田氏「在日の人の強制連行なかった」大越コメントに異議
                (14.7.25 朝日新聞)

 NHKの経営委員で作家の百田尚樹氏が、22日にあった経営委員会で、NHKの
「ニュースウオッチ9」の大越健介キャスターが「在日コリアン1世は強制連行で
苦労した」という趣旨の発言をしたことについて、異議を唱えていたことが関係者
への取材で分かった。
 放送法は委員の個別番組への干渉を禁じていて、同法に抵触する恐れがある。
 
 百田氏が問題視したのは17日放送の番組。在日コリアンの結婚観についてのリポ
ートが放送された際、大越キャスターが「在日1世の方たちというのは、1910年の
韓国併合後に強制的に連れてこられたり、職を求めて移り住んできた人たちで、大
変な苦労を重ねて生活の基盤を築いてきたという経緯があります」と発言した。

 百田氏は経営委に同席した放送担当の理事ら執行部に対し、「在日韓国・朝鮮人
を日本が強制連行したと言っていいのか。間違いではないか」「日韓併合後に強制
連行はなかった。NHKとして検証したのか」などと問いただしたという。
 執行部側は「強制連行もあれば、自分の意思で来日した人もいるという趣旨で発
言したものだと思う」などと説明した。

 ただ、放送法は第3条で「放送番組は(中略)何人からも干渉され、又は規律さ
れることがない」と定めた上で、第32条で経営委員の権限について「委員は、個別
の放送番組の編集について、第3条の規定に抵触する行為をしてはならない」と定
めている。
 このため、経営委の議事進行を務めた上村達男・委員長代行がこれらの条文を読
み上げたうえで、「個別の番組への意見や注文なら問題になる。番組への感想とい
うことでいいか」と伝えたところ、百田氏も発言をやめたという。

   □□――――――――――――――――――――――□□

 メディア論が専門の法政大学名誉教授の須藤春夫さんは「発言が事実なら明白
な放送法違反だ。経営委員は経営の基本方針に関わる事柄が仕事で、編集の独立
性を尊重することが求められている。職責の自覚がなく、適性を疑う。
 任命した首相や同意した国会の責任も問われる」と批判しています。まさにそ
うで、百田氏はNHK経営委員という重要な職責に就くに当たって放送法を読ん
だことがないのでしょうか。

 百田氏は今年2月に行なわれた東京都知事選挙で田母神俊雄候補の応援演説で、
「田母神以外の候補はみんなクズだ」「南京虐殺はなかった。あれは蒋介石が世
界中の同情を集めようとして言ったことだ」などと述べ、NHKの中立性に疑問
を持たれるような言動が問題になりました。
 百田氏は自分の言動のどこが問題とされているのかも判っていないようです。

 安倍首相は今年任期が切れる経営委員の後任人事で、百田氏と長谷川三千子埼
玉大学名誉教授を新任しましたが、長谷川氏も朝日新聞に拳銃を持って乗り込み
自殺した右翼指導者に追悼文を書いたことが問題になっており、安倍首相の任命
責任が問われなければなりません。
                        大西 五郎


「オリンピックに作業員が取られる」、ハッピーさんの独白NO3、    秋葉 次郎

2014-07-26 07:24:23 | Weblog
 今朝の赤旗新聞に福島「サルの血液に異常」という記事(14面)がありました。
≪原発から70㎞の森林地域に生育する野生のサルは、青森県下北半島に住むサルに比べて

白血球や赤血球が少ない≫という公表されました(科学雑誌:サイエンティフィック・
リポーツ:24日付)。

日本獣医生命学科学大学の研究チームは、福島の猿と下北の猿の血液学的な違いに着目し
て調査をしてきました。その結果、福島の猿の方が「白血球や赤血球が少ない」筋肉から

「放射能性セシウムが1キログラム当たり78から1778ベクトル検出され、下北の猿からは
検出限界値未満でした。

 また、未熟なサルほど、放射性物質の影響を受けやすいという傾向がありましたが「さ
らに詳細な調査をしないと結論付けはできない」と研究チームは言っていますが、羽山教

授は「なんらかな、感染症が発生した場合は日常生活に支障がでるかもしれない」と話し
ています。

 野生のサルへの影響・・・、福島の人々への影響につながらなければよいのですが・・・。


以下は、ハッピーさんの独白。
■東京オリンピックにゼネコンが取られる
――2020年の東京オリンピック開催が安倍政権で決まりましたけど、今それをやっている
場合じゃないという立場ですか?

 廃炉のこと考えると、反対ですね。廃炉にしたって、復興にしたって、まず間違いなく、
資材も人材もオリンピックに持ってかれますし。
 ゼネコンも今は1Fにいますが、絶対オリンピックの仕事をしたいはずです。
 それは民間の営利企業であれば、やはりそうですよ。1Fには技術的なメリットもないし。
たとえば、1Fの工事を請け負ったとしても、失敗した時の影響ってすごいじゃないですか。
マスコミに「ゼネコンの○○社の汚染水タンクが失敗」と叩かれるわけですからね。


――オリンピックのスタジアム作る方が、原発事故の収束作業をするよりワリが良いって
話になりますよね

 それは、そっちのほうが会社の株は上がりますよ。民間の会社であれば、1Fはリスクの
高い場所なんですよ。本来はやりたくない場所です。
 最初のころは、応援という形で、「1Fを何とかしなきゃ」「うちも手伝いますよ」って
来てたけど、段々そうじゃなくなってきました。
 手伝っても失敗したら、寛大に見てもらう風潮じゃないので。そうすると、「あそこに
思い切ってリスク背負っていくか!」というゼネコン会社とか原発メーカー、企業がいる
かっていうと、なかなかいないですよ。そういう意味では、ものすごく昔とは変わってい
ます。


――昔は協力企業にしても作業員にしても、あえてリスク度外視してもやるっていう心構
えがあったけど、今はもうそういう感じではなくなってきていると

 汚染水問題もそうだけど、「トラブル起こしたら、また怒られるよね」「叩かれるよね」
というような雰囲気になってます。それだと、なかなか思い切った仕事はできない。
 人を集めても、「素人ばっかり入れてもなぁ」とか、そういう怖さは企業側にあります。
 オリンピックに人を取られ、再稼働に人を取られていたら、1Fはベテランとか熟知した人
が揃うとは思えないです。


■好景気になるほど、原発作業員のなり手はいなくなる
――昨年の参院選や2月の東京都知事選でも、脱原発が争点になりました。今、世間的に言
われている脱原発的な風潮については現場作業員としてどう見ていますか?

 もうね、脱原発とか推進とかいうのは、今の僕の頭の中にはないんです。というのは、僕
は残りの人生を考えると、やはり1Fの廃炉と、未だに13万人が避難している福島県沿岸部の
浜通りの帰れなくなった土地のことしか頭にないんですよ。
 国のエネルギー問題も大事だけど、僕は政治家じゃないので、まずは目の前のことしか考
える余地がないというのが正直なところなんです。
 ただ「このままでいいんですか?」という気持ちはありますよ。これからどんどん少子化
の影響で人口は減っていくわけじゃないですか。そうしたとき、果たしてこれだけの電力は
必要なのか。
 人口がどんどん減ってきて、働く人の数が限られることになるはずです。僕らのような原
発従事者は、事故前には8万人でした。その8万人が55基の原発を動かして、メンテナンスし
ていた。ところが少子化になるし、アベノミクスや東京オリンピックで景気は上がります。
 景気がいいときに、わざわざ原発に人が集まるかって問題がある。


――不景気のほうが原発には人が集まると?

 原発というのは、リーマンショックにしたってバブル崩壊にしたって、総括原価方式のた
め、多少の資材関係の影響はありましたけど、人的な影響というのはないんです。
 むしろ経済が不況のときの方が人は集まりました。普通の民間企業とは逆なんですよ。
世間が好景気のときほど、人が集まらないんです。


――アベノミクスで景気が良くなってくると逆に、原発事故の収束作業を取り巻く状況は悪
くなるわけですね

 そうなんですよ。他の業界の方が賃金が高ければ、みんな他の業界に行きますよ。やはり
原発はルールも厳しいですし、これからテロ対策も含めて身分もいろいろ調査されますし。
調査されたくない人が建設業にはいっぱいいるのが現実ですから。
 だから日本版NSC(外交・安全保障の司令塔となる「国家安全保障会議」)にしたって、
テロ対策にしたって、原発に人が集まりにくくなるような法律がいっぱい出てるのが心配な
んです。


――そのうち、外国人労働者とかもどんどん入ってくることになりますか?

 この前も新聞に載っていたけど、外国人の人を雇用せざるを得ないと思いますよ。それは
原発だけじゃなくてオリンピックも含めてですけど。
 ただ、原発の場合は外国人を雇用するとなると、やはりセキュリティの問題が出てくるの
で、そこをどうするか。宗教とか思想とかまたいろいろそこまで調べるのとか考えなきゃい
けないという問題が出てくるんですよ。
 そういうのも、今から動かなきゃいけないのに動いていない。原発の場合は、外国人雇用
は即スタートはできないと思いますよ。


■10年後に燃料デブリを取り出すのは「まず無理」
――現場の原発作業員の方では、廃炉までのスパンはどのように考えてますか?

 いや、考えられないですよ。茂木敏充・経済産業相は「3.11の10年後から燃料デブリを取
り出しますよ」って言ってますけど、10年なんか絶対無理ですよ。現場はみんなそう思って
ます。
 僕は1年目から言ってるけど、今の段階で「何を根拠に10年って出てきたの?」って。
 廃炉までの期間とされている30〜40年にしたって何の根拠もないんです。飽くまで目標と
して立てただけで。
 実際に中身を見てみると、10年後に燃料デブリを取り出せるのかと言えば、僕はまず無理
だと思う。現場で働いている人は、ほぼ全ての人が思っていると思いますよ。


――現在、中には入れないのは何号機ですか

 主に1、2、3号機の3つです。ただ、無理をすれば原子炉建屋の中には入れますよ。
毎時20ミリ~30ミリシーベルトあるので、5~10分の世界なんですけどね。


――ロボットを開発して、遠隔操作で作業をするのはどうでしょう?

 まぁ、それをやってますけど。ロボットだって、なかなか思うように動かないしね。
開発しながら、実際に現場で使ってみて、さらに改良を加えてという世界なので。
最終的には人が入って、人海戦術で行くしかないと思っています。
 建屋の中でロボットが止まれば、ロボットを回収しに人間が行くわけで。だからまだまだ
先の話ですよ。想像もできないです。
 だって調査が終わってないのだから。調査が終わらなければ対策の立てようがない。


――どこから水が漏れているのか、具体的な位置もまだわかっていないのですか?
 
 わかっていないですね。


――その状態で廃炉に向けて燃料デブリを取り出すと言われても難しい
  
 いろいろな机上の計画はいっぱいありますよ。それが実現するかどうかは、わからない。


――そういった現実は、一般の人はあまり知られていないと思います。1Fに詳しくない人は、
「みんな真剣に作業してるから」「政府は大丈夫って言っているから終わるんじゃないかな」
といった希望的観測の人も多いのでは

 そうそう。だから、みんなそう思っているだけなんですよ。でも、実際どうなのか。「何を
根拠に、これが出てきているんですか」って、僕なんか質問したいぐらいですから。
「これをやるには、これですよね」「これ、ここまでいってませんよね」「こっから積み上げ
ていったら、10年なんて絶対無理じゃないですか」って話になりますよ。


――ある意味では、事故後から変わって対策できた部分もあるけど、震災の起きた翌日の段階
から状況として変わってない部分もあるとドーンと事故に遭って、応急処置はしてICU(集中
治療室)に入り、とりあえず命はつなげたけど、そこから改善に向かってやっているかといっ
たら、そこまでもいってないですよね。


――本当の病巣を取り除けたわけではないと

 倒れた原因が何なのかさえまだわかっていない。病名がわかってない状態。だから「とりあ
えず命はつなぎましたよ」というところまでです。


――応急処置で一命は取り留めて延命は続けているけれど、根本的な病気がわかってない。
対策もとれていないという。ことですね

 たとえるならそういう感じです。予定通り10年で燃料デブリを取り出すことさえできれば、
その段階から今度はリハビリ状態に多分なると思うんだけど、今はそこまで想像がつかないで
すよ。


――逆に政治家や東電にしても、あたかも既定路線で可能だという風に言ってしまうことに問
題がある?

 それに向けて動いてはいますよ。だけど、やってみて初めて分かることなので。着地点があ
って、そこに一本線で向かっているのとは違うんです。
 実際には試行錯誤の繰り返しで、「あ、違う」「ここ行くにはこっちの道にいこう」「あ、
これだめ」「あ、こっちの道で行こう」という段階。
 燃料デブリ取り出し開始まで10年計画だけど、そこにたどりつくまで何十年かかるかわから
ないという状況です。

                   次回で終了します。

オスプレイ配備、反対意見64%、賛成20%。     平 和平

2014-07-25 07:06:51 | Weblog
 降ってわいたようなオスプレイの佐賀空港配備。
信じられない、事態です。
 政府は、「沖縄の負担軽減」と理由にしています。負担軽減を言うならば
自衛隊が購入することも、アメリカ軍の配備も断ればいいのです。
 また、「沖縄の負担軽減」という口実は、沖縄と本土の人間を対立させる
ことになります。

 背景には、強引に各県につくられた地方空港の経営赤字もあります。
もともと、狭い日本に各県は必要ありません。アメリカの要請に従って、必
要もない公共事業の一環として不必要な「地方空港」を林立させたことに一
番の問題があります。

 県営、名古屋空港も自衛隊の離着陸訓練(タッチ&ゴー)の回数を多くし、
その使用料が空港の経営に大きな影響を与えています。
 名古屋空港にオスプレイ配備ということも、現実の問題です。
 一日も早く、安倍さんを退陣させましょう。



<オスプレイ>佐賀県庁に意見続々 反対64%に賛成20%
毎日新聞7月24日(木)20時39分

 陸上自衛隊が導入する垂直離着陸輸送機オスプレイなどを佐賀空港(佐賀市)
に配備する政府の計画が佐賀県に伝えられた22日以降、同県庁に電話とメール
で反対や賛成の意見が相次ぎ、24日午後5時現在で計85件に上っている。

 反対が54件(64%)を占め、計画で米軍オスプレイの暫定配備もあること
から「米軍基地になりかねない」との意見もあった。
 賛成は17件(20%)、その他が14件(16%)となっている。

 県政策監グループによると、武田良太副防衛相が佐賀県庁を訪れ古川康知事に
計画を伝えた22日午前9時以降、電話がかかり始めた。
 年齢は集計していないが、中年以上の男性からが多いという。

 反対は「民間利用の佐賀空港が米軍基地になりかねない」「オスプレイは墜落
の危険性が高い」「騒音が心配」などが目立った。
 また、空港建設前の1990年に県が地元自治体や漁協と交わした覚書付属資
料で「自衛隊との共用はしない」と約束していることを挙げ「覚書があるのにな
ぜ配備するのか」と問題視する意見もあった。

 一方、主な賛成意見は「沖縄の負担軽減のため」「日本の防衛上必要だ」など
の他、「オスプレイを見るために人が来て、観光施設となり地域活性化につなが
る」などだった。

 通常、県庁に意見を寄せるメールは1日平均1、2件程度にとどまる。県は
「オスプレイ配備問題の関心の高さをうかがわせる」と受け止めている。

 政府の計画では、陸自に導入予定のオスプレイ17機と陸自目達原(めたばる)
駐屯地(佐賀県)のヘリコプター部隊50機を佐賀空港に配備する。
 さらに米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設完了までの間、
普天間のオスプレイも佐賀空港に暫定配備させる。

 要請を受けた古川知事は「賛否は全くの白紙」とし、政府が前面に立って住民
の不安を含めた課題を解消することが判断の前提になるとの認識を示している。
                           【松尾雅也】


集団的自衛権の閣議決定、議事録に何が・・・    大西 五郎

2014-07-25 06:50:52 | Weblog
 東海放送人九条の会の大西さんから、情報の提供がありました。
紹介します。
 政府が今年4月の閣議から議事録を作成して公開することを
決めましたが、きのう(二十二日)集団的自衛権の行使容認を
決定した7月1日の臨時閣議の議事録が公開されました。
 きょう(23日)中日新聞(「わずか23分の解釈改憲閣議」)と
朝日新聞(「閣議決定後に首相見解踏み込む」)が議事録を紹
介する記事を載せています。
 (首相官邸のホームページから議事録検索の方法も紹介)
                            
新聞の片隅に載ったニュースから(158)

わずか23分の解釈改憲閣議 議事録公開(14.7.23 中日新聞)

 政府は二十二日、集団的自衛権の行使を認めるため憲法解釈の変更を決定した
今月一日の臨時閣議と閣僚懇談会の議事録を公表した。安倍晋三首相が解釈改憲
を踏まえ、安全保障法制の整備に着手するよう指示する一方、解釈変更に慎重だ
った公明党から入閣している大田昭宏国土交通相は発言しなかった。

安倍首相は年内に改定する自衛隊と米軍の役割分担を定めた防衛協力指針(ガ
イドライン)に関し「ガイドラインの見直しと安全保障法制の検討は表裏一体だ」
と述べ、米側との協議を加速するよう指示した。
集団的自衛権の閣議決定案について議論したのは、この日の閣議のみ。世耕弘成
官房副長官が全文を上げたあと、首相らが発言したが、二十三分で終了した。
閣議後の閣僚懇談会では通常、閣僚から発言があるが、この日は発言が一切な
かった。

□□―――――――――――――――――――――――――――□□

今年3月28日の閣議で「閣議についての議事録」を作成して、概ね3週間後には
公表することを決めました。
それに従ってきのう、7月1日の集団的自衛権の行使容認を決めた臨時閣議の議
事録が公開されました。

中日新聞は別の面で議事録から抜き出した閣議での主なやりとりを紹介しています。
それを見ても、世耕官房副長官が読み上げた閣議決定案の内容について議論される
ことなく、岸田外相、小野寺防衛相が短く賛成の意を表明しただけで、古屋国家公
安委員長が「警察では装備機資材の充実や情報面でも関係機関との連携の強化を図る」
と“決意”を述べると、すかさず司会役の菅官房長官が「これをもって臨時閣議を
終了する」と宣言し、23分で閣議は終わりました。

朝日新聞も7月1日の閣議の議事録の内容をかい摘んで紹介すると同時に、首相が
閣議決定後の14、15日の国会で、閣議決定や与党協議での公明党との対立点をあい
まいに表現した部分を踏み込んで表明したことを指摘し、「国会で法案が議論される
前に、政府方針の既成事実化が進んでいる」と批判しています。

また首相が日米ガイドラインについて米側との協議を加速するよう指示しましたが、
朝日新聞は、政府・自民党は関連法案の審議が来春の統一地方選挙に影響することを
心配する公明党に配慮して統一地方選後(通常国会)の国会に提出ことにしましたが、
法案の審議より前にガイドラインの協議で日米間の取り決めが先行すると、来春以降
の国会で野党が法案の修正を求めても、政府側は米側との約束を理由に抜本的な見直
しを拒む可能性がありそうだとしています。
閣議の議事録は首相官邸のホームページに掲載されていますので、誰でも閲覧が可
能です。
「首相官邸 → 閣議 → 平成26年 → 月日→議事録」で検索できます。
私も若干の試行錯誤ののち、議事録に到達しました。みなさんもトライしてみたら
いかがですか。
  大西 五郎

東電任せの政府、ハッピーさん独白NO2    秋葉 次郎

2014-07-23 08:29:48 | Weblog
――どのように変化したのでしょうか?

最初のうちは地元の方もかなりいたので、「1Fを収束させなきゃ」「浜通りをもとに戻さなきゃ」
という気持ちで一生懸命やっていたんだけど、なかなか先が見えてこない。それと住民帰還にし
たって国は無理やり地域に帰そうとしているのが見えるし、1Fの対策にしたって、国がいくら前
に出たって「東電が主体」という部分は変わらないわけです。

 国は「変える」「変わる」って言ってるんだけど、実質的には現場から見ると変わってないわ
けですよ。その辺から、みんなのモチベーションとか、前に進んでいく意欲というのが最近は落
ちてるなという気はします。
 それと、「5年100ミリ」(累積被曝線量が100ミリシーベルトを超えると、5年間は放射線業務
に従事できないとする厚生労働省の通達)という縛りがありますので、事故当初からいた人は僕
も含めて、今まで何百人単位で残っているんですけど、3年間で、大体60~80ミリの被曝をした人
が結構多いんですよ。
 残りの2年間は残線量20ミリで作業するなんて無理な状況なので、1Fの現場を離れる人が今は増
えている。それが今、ベテランが離れていると言われているところです。
 原子炉の形って大きくわけて、PWR(加圧水型)とBWR(沸騰水型)の2種類があるんです。

 今までは事故当初は全国の原発が順次止まりましたから、全国から技術者や作業員が応援で1F
に来ていたんです。ところが再稼働の話が出て、PWRの再稼働準備が先行したので、PWRの新規制基
準に対応するため、主に西日本から人を呼べなくなった。
 さらに、東京電力の柏崎刈羽原発の6〜7号機の再稼働に向けて、現在はBWRの工事もどんどん始ま
っている。そうなると1Fで残り線量が少ない人たちやベテラン作業員は、そちらに流れていく傾向
になっている状況です。


――1Fが収束してないのに、再稼働が進んでいくことによってベテラン技術者が離れていってしま
うという問題が起きているんですね
 
 そうですね。まず第一の問題は、1Fの現場検証が行われない状況下でありながら、政府が再稼働
を進めていることです。次に作業員の問題として、1Fにしたって「5年間で100ミリシーベルト」の
縛りがある。
 100ミリシーベルトを超えると、6年目からしか入れないので、原発従事者として登録できない。
そうなると作業員の生活も懸かっているし、1年間の生活費を1Fで働いたからくれるかといったら、
くれないですから。
 自分の生活を考えると、残りの被曝線量で働ける場所で仕事があるなら、そちらに行くわけです。


――最初のころは地元出身者が多かったですけど、いまは地元の人の比率はかなり少なくなってい
るような状況ですか?

 そうです。当初は70%ぐらいが地元の人間でした。今は50%を下回っているんじゃないかと思い
ます。それが正確な数字かどうかはわかりませんが。
 地元の浜通りの人達は、作業員である前に被災者でもあるわけですよ。津波被害にしろ、原発被
害にしろ、その被災者の多くは別な土地に避難しているわけです。
 ところが避難していると、さまざまな家庭の事情が出てくる。たとえば震災前には浜通りの介護
施設に、おじいちゃん、おばあちゃんを入れていたのに、今は避難先で自ら面倒を見なくてはなら
ない状況とか。子供のことが心配で、家族や親に反対され、原発で働くことができなくなって、辞
めざるを得ない状況の人が増えているんです。


――現場の雰囲気も事故前と事故後、そして今と変わってきていますか?

 変わってきてますよ。請負企業は30社ぐらいありますけど、長くやっていればいろいろな顔見知
りもいっぱいいるんですけれど、今は減ってきているという実感はありますね。
 作業員も事故前は、地元中心で地元の会社が人を集めたりしたんだけど、その人たちだけじゃも
う賄いきれないから、現在は九州・沖縄・北海道・青森など、他の都道府県の人が増えたし、原発
作業は初めてという人もかなり増えました。


■「汚染水は怖いもの」という意識すらない作業員も
――汚染水漏れが最近ニュースになることが多いのですが、あまりにも汚染水のニュースが多すぎ
て、特に首都圏の人々の間では感覚が麻痺してきているような印象を受けますが、現場ではどうで
しょう?

「どういう感じ方か」なんですが、現場にいる人は汚染水に対する意識がそんなにないんですよ。
実は汚染水漏れは、報道されないものも以前からいっぱいあったんです。変な言い方ですが、現場
の作業員は汚染水に慣れちゃっている人が多いんですよ。


――首都圏の人よりも、もっと慣れている?

 はい。もっと慣れてるからこそ、汚染水絡みのトラブルが頻出している部分もあるんです。2月
28日、東京電力の相澤善吾副社長がJヴィレッジでの会見で「非常に恐ろしいものを扱ってるんだ」
って安全意識をうながす言葉が出ました。あの人がそんなことを言ったのは初めてなんですよ。
 今まで僕らも、そんな言葉を聞いたことない。
 でも、ベテラン作業員とか僕らみたいな長くやっている人は「このベクレルは危ない」「この線
量は危ない」とか危険の度合いというのは判断できるわけです。
 でも見た目からすると線量も汚染も、痛くもかゆくもない、臭いもない、それから見た感じも雨
水・普通の水と変わらない。ちょっと濁っているぐらいという感覚。
「これを1滴でも漏らしたら大変だ」という危機感がない人が多いんです。だからそれをちゃんと
教育をして、意識付けを高くしていかないと、これからもトラブルを減らすのは難しいですね。


――最近入ってきた作業員の多くにとって、どこまで危険か肌感覚ではわからないと?

 そうなんです。だから、今回そういうことがあって、これから作業員の教育も含めて「意識付け
をしっかりやっていかなきゃ」という対策を東電は立てるんです。
 原発作業が初めての人たち、放射線の知識もない人たちがいっぱい来ているので、そういうとこ
ろをちゃんと「僕らが取り扱っているものは、こういうものだよ」と教えていかないとダメだなと
思います。
 それは今まで国も東電も、ある程度の基本教育は行いますけど、個々の工事ごとの意識付けとい
うのは請け負った会社任せなんです。
 会社によってレベルが違う。たとえば、しっかりそういうところまで教育して、トラブルが少な
く、汚染水の知識もちゃんと教育しているところもあれば、ただ「こんな作業やるよ」というだけ
のところもある。企業ごとバラバラなのが実態です。


■収束作業は東電任せではなく、国家プロジェクトでやるべき
――本来だったら収束作業は国家事業でやっておかしくないのに、そうしてないのが問題だと?

 僕は最初から言っているけど、国家プロジェクトでやるべきだと思います。本来なら東電を一度
解散するべきなんですよ。そこで、そのあとに旧東電のノウハウも必要な部分もあるし、そういう
人たちを集めて一つの国家プロジェクトとしてチームを作って、そこに国が予算を投じるべきです。
 要は、東電が破たんすると困るところがいっぱいあるわけですよ。
 国がやらないのは、僕は「第二のリーマンショックを恐れているのかな」と思ってます。もしそ
うなったら、株は飛んじゃうし、貸し付けている銀行は不良債権をいっぱい抱えちゃうし。それが
一番恐ろしかったんじゃないかな。エネルギー政策にしたって東電破たん処理にしたって。全部、
日本の経済を考えて作られたシナリオなんだと僕は感じています。
 東電は半分、国の資本が入って原子力規制委員会の支配下にはありますけど、結局は民営企業な
んですよ。その民営企業は黒字にするということは1Fも含めての決算になるので、どうしてもコス
トなんです。


――著書の中でもコストの話がたくさん出てきますよね。

 いまだにコストの話になるんですよね。「廃炉カンパニー」を作ったって完全分社化ではないん
です。東電に責任を取らせるのはあとにして、今は国家プロジェクトでやり、1F収束に必要なお金
を注ぎ込むべきものは注ぎ込んでやるべきだと思います。東電からのお金の回収は後回しでも構わ
ないから。
 調査も東電自体でやっているから、極端な話、自分に都合の良い調査しかやってない場合がある
わけです。


――今、日本政府の対応として欠けていることは、まずそこですか?

 どこまで真剣に考えるかですよ。たとえばオリンピックは東京でやることが決まれば、赤字にな
ろうが国家予算を投じてでも、国のメンツをかけてやらなきゃいけなくなりますよね。期限は決ま
っているわけだから。
 この6年か7年間の間に、規制緩和をする、法改正もすると国を挙げて取り組むわけですよ。
 では廃炉に対してはというと、30年〜40年という長い工程だけど、根拠のない机上の空論になっ
ている。それに向かってスピードアップしなきゃいけないはずなのに全然進まない。
「足かせになっているものは何?」という検証をしていないし、「そのためにはこういう法律を変
えて」「国が責任を持って、こういうのは認めましょう」とか、そういう話っていうのは国会じゃ
ないとできないのに、そういうのが3年たってもなかなか出てこない。


――全部、東電まかせになっているんですね

 そう。東電もいろいろな言いたいことはあると思うんですよ。国に対して「こうしてほしい」
「ああしてほしい」と、でも、それが言えないという雰囲気はありますよ。怒られてばっかりだし、
東電が事故の当事者であり、営利企業であるからといことも含めての話で。
 そういう東電という「しがらみ」をなくして、一つの国家プロジェクトとして廃炉に対してどう
すればいいかということを考える組織じゃないとダメだと思うんですよ。
 今はいろいろなバイアスがかかって、言いたいことが言えない状況になってますからね。