よみびとしらず。

あいどんのう。

damage×damage

2020-12-08 00:44:59 | 散文
息苦しさを覚えて翼をもぎ取ったそうすることに何も意味はなくただ傷を負うことで確かめたかった確かに自分のあることを大切なものを傷つけずとも本当は知っているそんなことそんなことわたしにだって本当はそんな当たり前のことを当たり前のことなのに分からないふりをして見て見ぬ振りをしたかったものはわたしが本当に目をそらしたかったことは眩しい明日の光ではなくただここにあるいまという現実息苦しさを覚えて息を殺して呼 . . . 本文を読む

N◯ NAME

2020-12-07 11:03:35 | 散文
なんか血が出ていた痛みもなくて傷のない身体から傷ついてばかりの場所は知っていたそこに名前を持たないことで全てが◯くおさまると思っていたのはわたしばかりか穴のあいた世界の空を見上げたアナザースカイの落ちた穴から砕けた心は放り出された痛みは増して傷口は見えずに空白はどこにもなくて八方塞がり汚れはゴシゴシ磨き清められてシミのない思いになり変わる名前のない感情からGOと指示は出て行き先不明の真っ白な紙の上 . . . 本文を読む

moon

2020-12-05 01:16:15 | 散文
朝のない夜にこんにちは声をかけた狐はコンと鳴くツキはもう来ないとおおいに泣いた雲ひとつない空に光る月水の入り江に近づいた     その素足が踏みしめた大地に薄雲峰ある居場所もなくしてしまったかえる場所のない空は水色水の色たたえて夜は降りてくるそのなかに淡色の月明かり灯りあなたの微笑みは揺らぎながら浮かび涙の落ちたひとしずくその水の音に月は呼ばれて夜を飛び出した光なき夜にただ柔肌のぬくもりの気配だけ . . . 本文を読む

Message

2020-12-04 15:21:10 | 散文
海はみどり色 太陽は背中に打ち付けられた灰色の壁に透明な水は隠された                         見ず知らずのうちに涙は呼応して空は青色あの色に染まりたかった言葉は放たれて愛しているの響きは生まれたつい近頃のアイコトバ、は薄氷(うすらい)を渡る迷い子の  孤独を噛みしめた偽りのひと時麦を踏みしめる力強さを忘れた足でそれでも進むしかないとわたしは泣いた涙は落ちて薄氷解けるその下に . . . 本文を読む

イロハ

2020-12-03 11:19:15 | 散文
汚ない感情を抱いた心で綺麗な色を塗る感情の澱(おど)みは綺麗な色に上書きされてざわめく思いはやがて凪ぎただ黙々と色を追いかけた綺麗な色を汚ない色など誰も用意しなかったこの地に降りてただ色を追うそこにある色を忘れられていないことに安堵したあなたは忘れられていた悲しみに涙をこぼした色はぼやけて心は閉ざされる岩戸のなかにある暗闇は醜いものだけが真実だった綺麗な色しか無いはずの世界にある汚ない景色を埋める . . . 本文を読む

白雲

2020-12-02 16:19:14 | 散文
山は割れて雲飛び出した白雲のあの青雲に届くまで山の鼓動はわたしと重なったあの真っ白な雲を目指して少しだけ似たものを白波に隠した意地悪な誰かさんの思いを乗せた 舟は空に揺られて大波小波夕焼け小焼けにカラス鳴く雲の色は夜に染まりて意識を手放し眠りについた いつか醒めることを知りつつも手離せぬままの白い雲 . . . 本文を読む

あさ

2020-12-01 14:12:39 | 散文
海に近づき海は見えずに潮の流れも島唄も思いは色褪せ底に沈んだいまそこにある幸せを重ねて滲(にじ)んだ影はゆらいでずっと見ていた太陽ひとりともに海へ行こうあなたに会いたいわたしを探しに朝日に泣いた夜の夢は大切な誰かを置き去りにした眠りから醒めて全てを忘れまた新しい朝は始まった . . . 本文を読む