よみびとしらず。

あいどんのう。

椿

2019-02-07 19:19:23 | 散文
ぽたぽたと落ちる

美しい姿のまま

いさぎよく、ためらわず

自分が醜くなることに耐えきれぬ女はそれに抗う

それをみた椿は薄くほほえみ

ぽたぽたと落ちる

白き雪道に赤色の花咲くみちしるべ

共に枯れることを願う男はそれを拒まれ嘆き悲しむ

そんな男の心情に酔いしれながら

椿は清らかな姿かたちのまま

ぽたりと落ちる

草木芽吹く土のうえ夢の続きをもう一度

「またいつの日かきっとお会いいたしましょう」

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