よみびとしらず。

あいどんのう。

満月のよるに

2019-05-19 20:18:32 | 散文
満月のよるにふたつにわれたうちのかたほうは水に落ちもうかたほうは空にのこったわれてもわたしはひとつだと姿かたちはそのひとつのまま空にのこったかたわれはいつものごとくにそこにあり水のなかに落ちたもう一方のかたわれはだれに気づかれることもなく空にいるかたわれと同じ姿かたちでそこにいるからっぽなりて満たされることのない月夜はめぐるわたしに欠けることなどあってはならぬとわれたひとつは置き去りのままいつもの . . . 本文を読む