よみびとしらず。

あいどんのう。

新月の物語

2018-10-09 13:49:41 | 散文
物語は子どもの叫び声に弾けて珈琲の水溜まりにおちた 黒色の水溜まりに物語はクリーム色の渦をえがき くるくる、くるくると 本来別々であったそれらはひとつとなり もう元の姿には戻れずに 黒色でもクリーム色でもなくなった器のなかにある水溜まりをわたしは飲みほす 飲みほした先にある舞台のうえで みどり色の蛙は桃色のドレスを身にまとい歌をうたう その歌声に聴き入る月はもっと近くで聴いていたくて そらの月は地 . . . 本文を読む