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記事は読売新聞より 写真はNJ
大正時代の開業時の姿に生まれ変わった東京駅丸の内駅舎の内部が9月24日、グランドオープンの10月1日を前に報道陣に公開された。
駅舎の南北両端にあるドームの天井には鉄道の車輪や動物の装飾が施され、荘厳なムードを醸し出している。
東京駅3階 67年ぶりお目見え
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中央入口
駅舎内に10月3日開業する東京ステーションホテルのラウンジなどには創業時の赤レンガの壁が生かされ、ロイヤルスイートルーム(1泊80万8500円)の窓からは皇居までまっすぐに延びる「行幸通り」を正面から眺められる。
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復元工事を終えて10月1日に開業する東京駅。建築工事も含めると、今回が3度目の大規模工事となる。
3度目の工事
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東京駅が開業したのは、98年前の1914年(大正3年)12月。すでに開業していた新橋駅と上野駅を結び、首都の鉄道網の中心駅として建設された。
駅舎の設計を担当したのは、日本近代建築の祖とされ、日本銀行本店などを手がけた辰野金吾(1854~1919)。赤レンガ造りの3階建て駅舎を6年9か月かけて完成させた。南北の駅舎にそれぞれ取り付けたドーム形の屋根が目をひく洋風デザインだった。
重厚に作られた駅舎は、1923年の関東大震災でもほぼ無傷だったが、終戦直前の1945年5月、米軍機による空襲で駅舎が炎上。ドーム屋根と3階部分を焼失した。急きょ行われた修復工事では、ドームに代えて八角形の屋根がかけられ、3階部分は再建されなかった。
戦後長く、修復後の姿で利用され続けたが、駅舎復元を求める住民運動もあって、JR東日本は1999年に復元を決定。駅舎は2003年に国の重要文化財に指定された。
復元工事は、2007年5月に開始され、5年をかけた工事が完成、開業するのが10月1日となる。 読売新聞
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中央入口
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北ドーム
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復元の目玉は、創建当時を再現したドーム形の屋根。高さは約35メートルで、これまでの八角屋根より約2メートル高い。
戦災復興工事で八角屋根を設置した際、内部に残されたレリーフなどは見えない状態となった。今回の復元工事では、3階から天井にかけて創建時のデザインを忠実に再現。
数少ない写真や文献などをもとに、2メートルを超える鷲(わし)の彫刻や花飾りのレリーフなどを復元した。戦火による焼失を免れた創建当時のレリーフも一部使われている。
レリーフの中には、方角を示す干支(えと)や、豊臣秀吉の兜(かぶと)をかたどった飾りなどもあり、和を感じさせる装飾が施されているのも特徴だ。
ドームの天井部分には、まだ作業シートが張られた状態だが、10月1日の開業後は、ドームを歩きながら上を見上げると、この装飾を眺めることができる。
外壁にこだわり
戦後の修復では再建されなかった3階部分も、67年ぶりに復元された。
鉄骨レンガ造りの1、2階の構造をそのまま生かしつつ、3階部分は鉄筋コンクリートで構成し、外壁に化粧用のレンガをあしらった。化粧レンガは2階以下と比べて違和感が出ないように、顔料の調合を何度も繰り返したという。
外壁の復元に伴い、柱に施された石の飾りも手直しした。戦後の修復工事で3階から2階に移された柱飾りは、本来の3階に戻し、創建時の駅舎の顔に近付けた。
復元された3階には、06年から休業していた東京ステーションホテル(10月3日に新装オープン)の客室などが入る。
(2012年9月25日 読売新聞)
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中央部1階にある駅長室にはこれまで通り、福井県の曹洞宗大本山・永平寺から寄贈された書「無事」が掲げられた。
・・・永平寺貫首 秦慧玉禅師の揮毫