コップに、なみなみとつがれた何か。渡した相手は、こういうのが常です。気ぃつけれよ。まがすなよ。あるいは、その言葉を、自分自身に向かって心の中でつぶやくこともあるかもしれません。
何となく、意味が分かってもらえるかと思うのですが…。テーブルに置いたコップ。何かの拍子にそれに手が触れて、コップを倒してしまう。中身が**。この状況を「まがす(自動詞?)」と言います。これ、標準語で、どう言うんでしょう? 誰かが、**って言うんじゃない?って知らせてくれれば、あっ、そうかと気づくのかもしれませんが、意識の盲点というのか、なかなか思い浮かぶ表現がないのです。
あっ、まがしてしまったぁ。拭げ拭げ はやぐ。もかもかしてねで。
まがすものと言えば、子どもだったら、牛乳かジュース。大人だったら、間違いなくアルコール類、ですね(笑)。まれに、おじげッコだったりしますが。
それはいいけど、「まがす」について、いつだっかた書いたような気がするなー。
「まがす」ですが、同じ状況でこちらで言う言葉は「こぼす」です。
よくコップに飲み物をなみなみ(ギリギリまで)ついで、「気をつけて、そっと飲んでね~。こぼさないようにしてね」などと言います。
子どもがコップを倒して、中身がテーブルや床に流れ出した時も「あ~あ、こぼしちゃったの?」
ヤカンが沸騰してお湯が噴き出した時も、「お湯が噴きこぼれた」。
「こぼす」には、他にも意味がありますが(愚痴をこぼすetc.)
普段使ってるのは、食べ物、飲み物などを食器や、口から外に出したり落としたりする場合です。
こぼす以外に適当な表現が見つからないので、あえて『外に出したり落としたりする』と書くと変な感じですね(^^)。
オリザさんの所では、「(○○を)こぼす、(○○が)こぼれる」は使いませんか?
「まがす」は、落差が少ない状況。テーブルの上にあるコップや汁椀。あるいはバケツにつまずいてひっくり返したときにも使われます。
あっ、ひっくり返すだ! と書いていながら、でも、コップや汁椀は、なかなか逆さまにはなりませんね。星一徹のちゃぶ台返しでもない限り。
希少な日本酒の入った誰かのグラスをたおしてしまったとき、第一番に言うべきは、「あー、まがしちゃって、ごめん」 言い訳したり、そこに置いたアンタが悪いなんて言ったら、その後の展開は火を見るより明らか。あれっ、何でこんな話をしてるんだろう? コメントありがとうございました。