オーストラリアの安定の一本、ジェイコブス・クリーク・カベルネ、シラーズです。
今回はハッシュドビーフと共にいただきました。赤ワインとデミグラ系のソースとの相性は鉄板です。
ところで、多くの人が思案する事柄のひとつに、この「ハッシュドビーフ類似料理問題」があります。
それは、ハッシュドビーフとビーフストロガノフとハヤシライスの違いです。私達が知らないだけで、きっと明確な違いがあるのでしょうが、わかります?
ハッシュドビーフは、イギリスのハッシュ料理のひとつ。ハッシュとは切り刻むといった意味があり、切った具材を煮込んだ料理とのこと全般をハッシュ料理と呼び、その中でハッシュドビーフは薄切りの牛肉、玉ねぎをデミグラソースで煮込んだ物、と一般に言われています。しかし、発祥については異説がいろいろとあるようです。
ビーフストロガノフは、元々はロシア料理。こちらも発祥については異説がいろいろあるとのこと。18世紀に好物のビーフステーキが高齢のため歯が抜けて食べられなくなったストロガノフさんのために、食べやすく切った牛肉を煮込んだ料理が考案されたのが元だとか、同じ頃別のストロガノフ氏が、食事会のためにコックに考案させたとか・・・
ただ牛肉や玉ねぎを炒めてから煮込み最後にサワークリームをたっぷり入れるのが本場のよう。日本ではサワークリームまたは生クリームにさらにトマトやデミグラを加えることが一般的のようで、これがハッシュドビーフに似た感じになる原因かもしれません。
さて、ハヤシライスですが、これもまたその生い立ちには諸説あります。出来たのは明治時代のようで、ハッシュドビーフがなまってハヤシになったとか、宮内庁の元厨房長が考案後に上野精養軒でメニューに載るようになったとか、丸善創業者の早矢仕有的(はやしゆうてき)が作った牛肉と野菜のごった煮から由来しているとか。元祖を名のるお店も多くそのルーツは混沌としています。
以前、日本橋の丸善の屋上にあるレストランで、“元祖”ハヤシライスを食べたことがありますが、トマトというかケチャップ風の味だったことを覚えています。
自分なりのイメージとしては、日本で食べるハッシュドビーフはデミグラ風味、ビーフストロガノフは乳製品が入っているためか色がミルクチョコな感じ、ハヤシライスはトマト風味が強く酸味がある、といったところでしょうかね。
まぁ、どれにしろ赤ワインにはもってこいのようでー。