い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

八十四通

2021-07-29 | 便り
これが決まりだからと閉められたら
そこには経緯も理由も説明もなく
やり手の鍵師さえお手上げの
頑丈な扉が残る

いくつもの扉に阻まれて
区切られた枠の中で右往左往する
疲れて眠る場所もひと休みの木陰さえ
見つからないこともある

だから今
すべてが眠る夜がないとしても
すべてが息づく瞬間を見逃したとしても
どこかで
虹の橋を渡る風が吹き
飛び立つための羽を広げた
君を見るため天を仰ぐ

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