い・ち・に・ち

明日が今日になって昨日になるような毎日

十通

2021-05-16 | 便り
悲しみが近いほど大きくて
小さな喜びが見えなかった

当たり前に過ごす日々に
ひとつずつ思いを乗せていたら
重すぎて抱えきれないから
いつの間にかこぼれた自分に
気付くことなく一日を終えた

大丈夫ですか

触れてはいけない距離の中に
交わしてはいけない言葉の奥に
波紋の輪が幾重にも重なる
真ん中に落ちた一粒が
広がりながら透き通っていく