波乱の海をぶじ目的地へ

現世は激しく変動しています。何があるか判りませんが、どうあろうと、そんな日々を貧しい言葉でなりと綴っていけたらと思います

ひばり

2015-03-21 08:03:39 | 散文





ひばり



鷲・鷹・鳶等の猛禽類にとって、

いかずちほど油断のならないものはない。

いつ、どこで、気違いじみた炸裂音が爆発するか、分かったものでなく、

何が原因で怒っているのか、皆目見当がつかないときている。

そもそも姿が見えないのだから、始末におえない。

青空にいきなり閃光が走り、轟きは全天に及ぶのだ。

空が晴れているからといって、気を緩めてはいられない。



そんなわけで、思いがけない余録に与っている生物がいる。

ーひばりだー

猛禽類は、かまびすしいばかりのひばりの囀りも、

いかずちの親戚筋くらいに思っているのである。

したがって、声の発信源を探ろうなどとは考えもしない。



かくして、ひばりは、

高唱して天に舞い昇っている限り、安全というわけだ。

彼等、猛禽類は、岩陰や木の洞、下草の奥などに身を潜めて、

早く声の止むのを祈る気持で待っている。




   ☆




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