波乱の海をぶじ目的地へ

現世は激しく変動しています。何があるか判りませんが、どうあろうと、そんな日々を貧しい言葉でなりと綴っていけたらと思います

漂着物

2015-03-09 07:10:42 | 散文詩



◇漂着物



海岸を歩いていると
さまざまな漂着物に出合う
どれ一つとっても
敗残の私などより
偉大な顔をしている
尊大に構えているのではない
その実質が堪えに堪えて磨きぬかれ
美しく漂着しているのだ
どれもが
大変なところを越えてきたからなのだろう

見習わなければと反省も湧くが
既に時晩しである
せめて彼等を労うことで私なりの意を伝えようと
彼等を収めるのに相応しい美の殿堂をこしらえた
といっても
これも漂着物の丸太を砂に立て
板を打ち付けただけの質素なものだ
表現を変えれば 簡略にして粗雑
そして殿堂の片隅に
偏平な蟹のようにしているのが私である
館長である






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