波乱の海をぶじ目的地へ

現世は激しく変動しています。何があるか判りませんが、どうあろうと、そんな日々を貧しい言葉でなりと綴っていけたらと思います

その一歩千の蛙を黙らせる

2015-05-04 12:41:00 | 掌編小説



☆その一歩千の蛙を黙らせる



 少年が畦道に一歩を踏み出すと、千匹の蛙が黙った。時には一万の蛙が黙った。

 自分の力を信じて成長した彼は、都会に出て働くようになった。

 しかし都会では、田舎で培った彼の力など無いに等しかった。

 彼は都会に失望し、田舎に帰ると、子供たちを集めて、太鼓を叩く指導をした。彼の指揮の下

に太鼓叩きの精鋭が誕生した。

 今その一行は、名を轟かせて世界を回っている。ただアフリカの太鼓の前では、敵いそうもな

く、共演の形を取っている。

                 おわり









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