波乱の海をぶじ目的地へ

現世は激しく変動しています。何があるか判りませんが、どうあろうと、そんな日々を貧しい言葉でなりと綴っていけたらと思います

雑詠 3

2015-11-13 18:13:09 | 短詩

◇木の実の嘆き


今の子は

ゲームとか怪獣ばかりで

木の実を集める

趣味なんかまったくない

せっかく縁側に音高く落ちても

顧みるものはなく

床の隙間にはさまれて

萎んでいく

夕日が紅く染めあげて

燃やしてくれるのを待つだけだ



◇雪虫


雪虫が目に飛び込んで

ゴミになった

雪なら解けて

目を洗ってくれるのに

ゴミになった

痛い!



◇焼き芋屋


焼き芋を商う声が

路地を通っている

冷たい闇から叫びあげる

あたたかい声

この声がするうちに

寝てしまえばいい







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