障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律
目次
第一章総則(第一条第五条) ―
第二章障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(第六条)
第三章行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置(第七条第十三条) ―
第四章障害を理由とする差別を解消するための支援措置(第十四条第二十条) ―
第五章雑則(第二十一条) ―第二十四条
罰則(第二十五条・第二十六条) 第六章
附則
第一章総則
(目的)
第一条この法律は、障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)の基本的な理念にのっとり、全ての障
害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳に
ふさわしい生活を保障される権利を有することを踏まえ、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基
本的な事項、行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置等を定めること
により、障害を理由とする差別の解消を推進し、もって全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられ
ることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とする。
(定義)
第二条この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一障害者身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障
害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相
当な制限を受ける状態にあるものをいう。
二社会的障壁障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における
事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。
(昭和二十七年法律第三行政機関等国の行政機関、独立行政法人等、地方公共団体(地方公営企業法
二百九十二号)第三章の規定の適用を受ける地方公共団体の経営する企業を除く。第七号、第十条及び
附則第四条第一項において同じ。)
及び地方独立行政法人をいう。
四国の行政機関次に掲げる機関をいう。
イ法律の規定に基づき内閣に置かれる機関(内閣府を除く。)及び内閣の所轄の下に置かれる機関
ロ内閣府、宮内庁並びに内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項及び第二項に
規定する機関(これらの機関のうちニの政令で定める機関が置かれる機関にあっては、当該政令で定
める機関を除く。)
ハ国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関(ホの政令で定める
機関が置かれる機関にあっては、当該政令で定める機関を除く。)
ニ内閣府設置法第三十九条及び第五十五条並びに宮内庁法(昭和二十二年法律第七十号)第十六条第
二項の機関並びに内閣府設置法第四十条及び第五十六条(宮内庁法第十八条第一項において準用する
場合を含む。)の特別の機関で、政令で定めるもの
ホ国家行政組織法第八条の二の施設等機関及び同法第八条の三の特別の機関で、政令で定めるもの
ヘ会計検査院
独立行政法人等次に掲げる法人をいう。
イ独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政
法人をいう。ロにおいて同じ。)
ロ法律により直接に設立された法人、特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人(独
立行政法人を除く。)又は特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政庁の認可を要する
法人のうち、政令で定めるもの
六地方独立行政法人地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方
独立行政法人をいう。(同法第二十一条第三号に掲げる業務を行うものを除く。)
七事業者商業その他の事業を行う者(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除
く。)をいう。
(国及び地方公共団体の責務)
第三条国及び地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、障害を理由とする差別の解消の推進に関して
必要な施策を策定し、及びこれを実施しなければならない
(国民の責務)
第四条国民は、第一条に規定する社会を実現する上で障害を理由とする差別の解消が重要であることに鑑
み、障害を理由とする差別の解消の推進に寄与するよう努めなければならない。
(社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮に関する環境の整備)
第五条行政機関等及び事業者は、社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮を的確に行う
ため、自ら設置する施設の構造の改善及び設備の整備、関係職員に対する研修その他の必要な環境の整備
に努めなければならない。
第二章障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針
第六条政府は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策を総合的かつ一体的に実施するため、障
害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならな
い。
2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策に関する基本的な方向
二行政機関等が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する基本的な事項
三事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する基本的な事項
四その他障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策に関する重要事項
3 内閣総理大臣は、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
4 内閣総理大臣は、基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ、障害者その他の関係者の意見
を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、障害者政策委員会の意見を聴かなければならない。
5 内閣総理大臣は、第三項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、基本方針を公表しなけれ
ばならない。
6 前三項の規定は、基本方針の変更について準用する。
第三章行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置
(行政機関等における障害を理由とする差別の禁止)
第七条行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別
的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない
2 行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている
旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵
害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施
について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。
(事業者における障害を理由とする差別の禁止)
第八条事業者は、その事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをす
ることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。
2 事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表
明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することと
ならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要
かつ合理的な配慮をするように努めなければならない。
(国等職員対応要領)
第九条国の行政機関の長及び独立行政法人等は、基本方針に即して、第七条に規定する事項に関し、当該
国の行政機関及び独立行政法人等の職員が適切に対応するために必要な要領(以下この条及び附則第三条
において「国等職員対応要領」という。)を定めるものとする。
2 国の行政機関の長及び独立行政法人等は、国等職員対応要領を定めようとするときは、あらかじめ、障
害者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。
3 国の行政機関の長及び独立行政法人等は、国等職員対応要領を定めたときは、遅滞なく、これを公表し
なければならない。
4 前二項の規定は、国等職員対応要領の変更について準用する。
(地方公共団体等職員対応要領)
第十条地方公共団体の機関及び地方独立行政法人は、基本方針に即して、第七条に規定する事項に関し、
当該地方公共団体の機関及び地方独立行政法人の職員が適切に対応するために必要な要領(以下この条及
び附則第四条において「地方公共団体等職員対応要領」という。)を定めるよう努めるものとする。
2 地方公共団体の機関及び地方独立行政法人は、地方公共団体等職員対応要領を定めようとするときは、
あらかじめ、障害者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるよう努めなければなら
ない。
3 地方公共団体の機関及び地方独立行政法人は、地方公共団体等職員対応要領を定めたときは、遅滞なく
、これを公表するよう努めなければならない。
4 国は、地方公共団体の機関及び地方独立行政法人による地方公共団体等職員対応要領の作成に協力しな
ければならない。
5 前三項の規定は、地方公共団体等職員対応要領の変更について準用する。
(事業者のための対応指針)
第十一条主務大臣は、基本方針に即して、第八条に規定する事項に関し、事業者が適切に対応するために
必要な指針(以下「対応指針」という。)を定めるものとする。
2 第九条第二項から第四項までの規定は、対応指針について準用する。
(報告の徴収並びに助言、指導及び勧告)
第十二条主務大臣は、第八条の規定の施行に関し、特に必要があると認めるときは、対応指針に定める事
項について、当該事業者に対し、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる。
(事業主による措置に関する特例)
第十三条行政機関等及び事業者が事業主としての立場で労働者に対して行う障害を理由とする差別を解消
するための措置については、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)の定
めるところによる。
第四章障害を理由とする差別を解消するための支援措置
(相談及び紛争の防止等のための体制の整備)
第十四条国及び地方公共団体は、障害者及びその家族その他の関係者からの障害を理由とする差別に関す
る相談に的確に応ずるとともに、障害を理由とする差別に関する紛争の防止又は解決を図ることができる
よう必要な体制の整備を図るものとする。
(啓発活動)
第十五条国及び地方公共団体は、障害を理由とする差別の解消について国民の関心と理解を深めるととも
に、特に、障害を理由とする差別の解消を妨げている諸要因の解消を図るため、必要な啓発活動を行うも
のとする。
(情報の収集、整理及び提供)
第十六条国は、障害を理由とする差別を解消するための取組に資するよう、国内外における障害を理由と
する差別及びその解消のための取組に関する情報の収集、整理及び提供を行うものとする。
(障害者差別解消支援地域協議会)
第十七条国及び地方公共団体の機関であって、医療、介護、教育その他の障害者の自立と社会参加に関連
する分野の事務に従事するもの(以下この項及び次条第二項において「関係機関」という。)は、当該地
方公共団体の区域において関係機関が行う障害を理由とする差別に関する相談及び当該相談に係る事例を
踏まえた障害を理由とする差別を解消するための取組を効果的かつ円滑に行うため、関係機関により構成
される障害者差別解消支援地域協議会(以下「協議会」という。)を組織することができる。
2 前項の規定により協議会を組織する国及び地方公共団体の機関は、必要があると認めるときは、協議会
に次に掲げる者を構成員として加えることができる。
一特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人その他の
団体
二学識経験者
三その他当該国及び地方公共団体の機関が必要と認める者
(協議会の事務等)
第十八条協議会は、前条第一項の目的を達するため、必要な情報を交換するとともに、障害者からの相談
及び当該相談に係る事例を踏まえた障害を理由とする差別を解消するための取組に関する協議を行うもの
とする。
2 関係機関及び前条第二項の構成員(次項において「構成機関等」という。)は、前項の協議の結果に基
づき、当該相談に係る事例を踏まえた障害を理由とする差別を解消するための取組を行うものとする。
3 協議会は、第一項に規定する情報の交換及び協議を行うため必要があると認めるとき、又は構成機関等
が行う相談及び当該相談に係る事例を踏まえた障害を理由とする差別を解消するための取組に関し他の構
成機関等から要請があった場合において必要があると認めるときは、構成機関等に対し、相談を行った障
害者及び差別に係る事案に関する情報の提供、意見の表明その他の必要な協力を求めることができる。
4 協議会の庶務は、協議会を構成する地方公共団体において処理する。
5 協議会が組織されたときは、当該地方公共団体は、内閣府令で定めるところにより、その旨を公表しな
ければならない。
(秘密保持義務)
第十九条協議会の事務に従事する者又は協議会の事務に従事していた者は、正当な理由なく、協議会の事
務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(協議会の定める事項)
第二十条前三条に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
第五章雑則
(主務大臣)
第二十一条この法律における主務大臣は、対応指針の対象となる事業者の事業を所管する大臣又は国家公
安委員会とする。
(地方公共団体が処理する事務)
第二十二条第十二条に規定する主務大臣の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、地方公共団
体の長その他の執行機関が行うこととすることができる。
(権限の委任)
第二十三条この法律の規定により主務大臣の権限に属する事項は、政令で定めるところにより、その所属
の職員に委任することができる。
(政令への委任)
この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。第二十四条
第六章罰則
第二十五条第十九条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第二十六条第十二条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、二十万円以下の過料に処する。
附則
(施行期日)
第一条この法律は、平成二十八年四月一日から施行する。ただし、次条から附則第六条までの規定は、公
布の日から施行する。
(基本方針に関する経過措置)
第二条政府は、この法律の施行前においても、第六条の規定の例により、基本方針を定めることができる
。この場合において、内閣総理大臣は、この法律の施行前においても、同条の規定の例により、これを公
表することができる。
2 前項の規定により定められた基本方針は、この法律の施行の日において第六条の規定により定められた
ものとみなす。
(国等職員対応要領に関する経過措置)
第三条国のこの法律の施行前においても、第九条の規定の例により行政機関の長及び独立行政法人等は、
、国等職員対応要領を定め、これを公表することができる。
2 前項の規定により定められた国等職員対応要領は、この法律の施行の日において第九条の規定により定
められたものとみなす。
(地方公共団体等職員対応要領に関する経過措置)
第四条地方公共団体の機関及び地方独立行政法人は、この法律の施行前においても、第十条の規定の例に
より、地方公共団体等職員対応要領を定め、これを公表することができる。
2 前項の規定により定められた地方公共団体等職員対応要領は、この法律の施行の日において第十条の規
定により定められたものとみなす。
(対応指針に関する経過措置)
第五条この法律の施行前においても、第十一条の規定の例により、対応指針を定め、これを主務大臣は、
公表することができる。
2 前項の規定により定められた対応指針は、この法律の施行の日において第十一条の規定により定められ
たものとみなす。
(政令への委任)
第六条この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第七条政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、第八条第二項に規定する社会的障壁の除
去の実施についての必要かつ合理的な配慮の在り方その他この法律の施行の状況について検討を加え、必
要があると認めるときは、その結果に応じて所要の見直しを行うものとする。
(障害者基本法の一部改正)
第八条障害者基本法の一部を次のように改正する。
第三十二条第二項に次の一号を加える。
四(平成二十五年法律第号)の規定によりそ障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律
の権限に属させられた事項を処理すること。
(内閣府設置法の一部改正)
第九条内閣府設置法の一部を次のように改正する。
第四条第三項第四十四号の次に次の一号を加える。
四十四の二障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(障害を理由とする差別の解消の推
進に関する法律(平成二十五年法律第号)第六条第一項に規定するものをいう。)の作成及び
推進に関すること。
目次
第一章総則(第一条第五条) ―
第二章障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(第六条)
第三章行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置(第七条第十三条) ―
第四章障害を理由とする差別を解消するための支援措置(第十四条第二十条) ―
第五章雑則(第二十一条) ―第二十四条
罰則(第二十五条・第二十六条) 第六章
附則
第一章総則
(目的)
第一条この法律は、障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)の基本的な理念にのっとり、全ての障
害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳に
ふさわしい生活を保障される権利を有することを踏まえ、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基
本的な事項、行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置等を定めること
により、障害を理由とする差別の解消を推進し、もって全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられ
ることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とする。
(定義)
第二条この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一障害者身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障
害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相
当な制限を受ける状態にあるものをいう。
二社会的障壁障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における
事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。
(昭和二十七年法律第三行政機関等国の行政機関、独立行政法人等、地方公共団体(地方公営企業法
二百九十二号)第三章の規定の適用を受ける地方公共団体の経営する企業を除く。第七号、第十条及び
附則第四条第一項において同じ。)
及び地方独立行政法人をいう。
四国の行政機関次に掲げる機関をいう。
イ法律の規定に基づき内閣に置かれる機関(内閣府を除く。)及び内閣の所轄の下に置かれる機関
ロ内閣府、宮内庁並びに内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第四十九条第一項及び第二項に
規定する機関(これらの機関のうちニの政令で定める機関が置かれる機関にあっては、当該政令で定
める機関を除く。)
ハ国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第三条第二項に規定する機関(ホの政令で定める
機関が置かれる機関にあっては、当該政令で定める機関を除く。)
ニ内閣府設置法第三十九条及び第五十五条並びに宮内庁法(昭和二十二年法律第七十号)第十六条第
二項の機関並びに内閣府設置法第四十条及び第五十六条(宮内庁法第十八条第一項において準用する
場合を含む。)の特別の機関で、政令で定めるもの
ホ国家行政組織法第八条の二の施設等機関及び同法第八条の三の特別の機関で、政令で定めるもの
ヘ会計検査院
独立行政法人等次に掲げる法人をいう。
イ独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政
法人をいう。ロにおいて同じ。)
ロ法律により直接に設立された法人、特別の法律により特別の設立行為をもって設立された法人(独
立行政法人を除く。)又は特別の法律により設立され、かつ、その設立に関し行政庁の認可を要する
法人のうち、政令で定めるもの
六地方独立行政法人地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方
独立行政法人をいう。(同法第二十一条第三号に掲げる業務を行うものを除く。)
七事業者商業その他の事業を行う者(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除
く。)をいう。
(国及び地方公共団体の責務)
第三条国及び地方公共団体は、この法律の趣旨にのっとり、障害を理由とする差別の解消の推進に関して
必要な施策を策定し、及びこれを実施しなければならない
(国民の責務)
第四条国民は、第一条に規定する社会を実現する上で障害を理由とする差別の解消が重要であることに鑑
み、障害を理由とする差別の解消の推進に寄与するよう努めなければならない。
(社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮に関する環境の整備)
第五条行政機関等及び事業者は、社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮を的確に行う
ため、自ら設置する施設の構造の改善及び設備の整備、関係職員に対する研修その他の必要な環境の整備
に努めなければならない。
第二章障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針
第六条政府は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策を総合的かつ一体的に実施するため、障
害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならな
い。
2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策に関する基本的な方向
二行政機関等が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する基本的な事項
三事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する基本的な事項
四その他障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策に関する重要事項
3 内閣総理大臣は、基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
4 内閣総理大臣は、基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ、障害者その他の関係者の意見
を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、障害者政策委員会の意見を聴かなければならない。
5 内閣総理大臣は、第三項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、基本方針を公表しなけれ
ばならない。
6 前三項の規定は、基本方針の変更について準用する。
第三章行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置
(行政機関等における障害を理由とする差別の禁止)
第七条行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別
的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない
2 行政機関等は、その事務又は事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている
旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵
害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施
について必要かつ合理的な配慮をしなければならない。
(事業者における障害を理由とする差別の禁止)
第八条事業者は、その事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差別的取扱いをす
ることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。
2 事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表
明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することと
ならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要
かつ合理的な配慮をするように努めなければならない。
(国等職員対応要領)
第九条国の行政機関の長及び独立行政法人等は、基本方針に即して、第七条に規定する事項に関し、当該
国の行政機関及び独立行政法人等の職員が適切に対応するために必要な要領(以下この条及び附則第三条
において「国等職員対応要領」という。)を定めるものとする。
2 国の行政機関の長及び独立行政法人等は、国等職員対応要領を定めようとするときは、あらかじめ、障
害者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。
3 国の行政機関の長及び独立行政法人等は、国等職員対応要領を定めたときは、遅滞なく、これを公表し
なければならない。
4 前二項の規定は、国等職員対応要領の変更について準用する。
(地方公共団体等職員対応要領)
第十条地方公共団体の機関及び地方独立行政法人は、基本方針に即して、第七条に規定する事項に関し、
当該地方公共団体の機関及び地方独立行政法人の職員が適切に対応するために必要な要領(以下この条及
び附則第四条において「地方公共団体等職員対応要領」という。)を定めるよう努めるものとする。
2 地方公共団体の機関及び地方独立行政法人は、地方公共団体等職員対応要領を定めようとするときは、
あらかじめ、障害者その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるよう努めなければなら
ない。
3 地方公共団体の機関及び地方独立行政法人は、地方公共団体等職員対応要領を定めたときは、遅滞なく
、これを公表するよう努めなければならない。
4 国は、地方公共団体の機関及び地方独立行政法人による地方公共団体等職員対応要領の作成に協力しな
ければならない。
5 前三項の規定は、地方公共団体等職員対応要領の変更について準用する。
(事業者のための対応指針)
第十一条主務大臣は、基本方針に即して、第八条に規定する事項に関し、事業者が適切に対応するために
必要な指針(以下「対応指針」という。)を定めるものとする。
2 第九条第二項から第四項までの規定は、対応指針について準用する。
(報告の徴収並びに助言、指導及び勧告)
第十二条主務大臣は、第八条の規定の施行に関し、特に必要があると認めるときは、対応指針に定める事
項について、当該事業者に対し、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができる。
(事業主による措置に関する特例)
第十三条行政機関等及び事業者が事業主としての立場で労働者に対して行う障害を理由とする差別を解消
するための措置については、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和三十五年法律第百二十三号)の定
めるところによる。
第四章障害を理由とする差別を解消するための支援措置
(相談及び紛争の防止等のための体制の整備)
第十四条国及び地方公共団体は、障害者及びその家族その他の関係者からの障害を理由とする差別に関す
る相談に的確に応ずるとともに、障害を理由とする差別に関する紛争の防止又は解決を図ることができる
よう必要な体制の整備を図るものとする。
(啓発活動)
第十五条国及び地方公共団体は、障害を理由とする差別の解消について国民の関心と理解を深めるととも
に、特に、障害を理由とする差別の解消を妨げている諸要因の解消を図るため、必要な啓発活動を行うも
のとする。
(情報の収集、整理及び提供)
第十六条国は、障害を理由とする差別を解消するための取組に資するよう、国内外における障害を理由と
する差別及びその解消のための取組に関する情報の収集、整理及び提供を行うものとする。
(障害者差別解消支援地域協議会)
第十七条国及び地方公共団体の機関であって、医療、介護、教育その他の障害者の自立と社会参加に関連
する分野の事務に従事するもの(以下この項及び次条第二項において「関係機関」という。)は、当該地
方公共団体の区域において関係機関が行う障害を理由とする差別に関する相談及び当該相談に係る事例を
踏まえた障害を理由とする差別を解消するための取組を効果的かつ円滑に行うため、関係機関により構成
される障害者差別解消支援地域協議会(以下「協議会」という。)を組織することができる。
2 前項の規定により協議会を組織する国及び地方公共団体の機関は、必要があると認めるときは、協議会
に次に掲げる者を構成員として加えることができる。
一特定非営利活動促進法(平成十年法律第七号)第二条第二項に規定する特定非営利活動法人その他の
団体
二学識経験者
三その他当該国及び地方公共団体の機関が必要と認める者
(協議会の事務等)
第十八条協議会は、前条第一項の目的を達するため、必要な情報を交換するとともに、障害者からの相談
及び当該相談に係る事例を踏まえた障害を理由とする差別を解消するための取組に関する協議を行うもの
とする。
2 関係機関及び前条第二項の構成員(次項において「構成機関等」という。)は、前項の協議の結果に基
づき、当該相談に係る事例を踏まえた障害を理由とする差別を解消するための取組を行うものとする。
3 協議会は、第一項に規定する情報の交換及び協議を行うため必要があると認めるとき、又は構成機関等
が行う相談及び当該相談に係る事例を踏まえた障害を理由とする差別を解消するための取組に関し他の構
成機関等から要請があった場合において必要があると認めるときは、構成機関等に対し、相談を行った障
害者及び差別に係る事案に関する情報の提供、意見の表明その他の必要な協力を求めることができる。
4 協議会の庶務は、協議会を構成する地方公共団体において処理する。
5 協議会が組織されたときは、当該地方公共団体は、内閣府令で定めるところにより、その旨を公表しな
ければならない。
(秘密保持義務)
第十九条協議会の事務に従事する者又は協議会の事務に従事していた者は、正当な理由なく、協議会の事
務に関して知り得た秘密を漏らしてはならない。
(協議会の定める事項)
第二十条前三条に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、協議会が定める。
第五章雑則
(主務大臣)
第二十一条この法律における主務大臣は、対応指針の対象となる事業者の事業を所管する大臣又は国家公
安委員会とする。
(地方公共団体が処理する事務)
第二十二条第十二条に規定する主務大臣の権限に属する事務は、政令で定めるところにより、地方公共団
体の長その他の執行機関が行うこととすることができる。
(権限の委任)
第二十三条この法律の規定により主務大臣の権限に属する事項は、政令で定めるところにより、その所属
の職員に委任することができる。
(政令への委任)
この法律に定めるもののほか、この法律の実施のため必要な事項は、政令で定める。第二十四条
第六章罰則
第二十五条第十九条の規定に違反した者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第二十六条第十二条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、二十万円以下の過料に処する。
附則
(施行期日)
第一条この法律は、平成二十八年四月一日から施行する。ただし、次条から附則第六条までの規定は、公
布の日から施行する。
(基本方針に関する経過措置)
第二条政府は、この法律の施行前においても、第六条の規定の例により、基本方針を定めることができる
。この場合において、内閣総理大臣は、この法律の施行前においても、同条の規定の例により、これを公
表することができる。
2 前項の規定により定められた基本方針は、この法律の施行の日において第六条の規定により定められた
ものとみなす。
(国等職員対応要領に関する経過措置)
第三条国のこの法律の施行前においても、第九条の規定の例により行政機関の長及び独立行政法人等は、
、国等職員対応要領を定め、これを公表することができる。
2 前項の規定により定められた国等職員対応要領は、この法律の施行の日において第九条の規定により定
められたものとみなす。
(地方公共団体等職員対応要領に関する経過措置)
第四条地方公共団体の機関及び地方独立行政法人は、この法律の施行前においても、第十条の規定の例に
より、地方公共団体等職員対応要領を定め、これを公表することができる。
2 前項の規定により定められた地方公共団体等職員対応要領は、この法律の施行の日において第十条の規
定により定められたものとみなす。
(対応指針に関する経過措置)
第五条この法律の施行前においても、第十一条の規定の例により、対応指針を定め、これを主務大臣は、
公表することができる。
2 前項の規定により定められた対応指針は、この法律の施行の日において第十一条の規定により定められ
たものとみなす。
(政令への委任)
第六条この附則に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第七条政府は、この法律の施行後三年を経過した場合において、第八条第二項に規定する社会的障壁の除
去の実施についての必要かつ合理的な配慮の在り方その他この法律の施行の状況について検討を加え、必
要があると認めるときは、その結果に応じて所要の見直しを行うものとする。
(障害者基本法の一部改正)
第八条障害者基本法の一部を次のように改正する。
第三十二条第二項に次の一号を加える。
四(平成二十五年法律第号)の規定によりそ障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律
の権限に属させられた事項を処理すること。
(内閣府設置法の一部改正)
第九条内閣府設置法の一部を次のように改正する。
第四条第三項第四十四号の次に次の一号を加える。
四十四の二障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(障害を理由とする差別の解消の推
進に関する法律(平成二十五年法律第号)第六条第一項に規定するものをいう。)の作成及び
推進に関すること。