羊日記

大石次郎のさすらい雑記 #このブログはコメントできません

うしおととら 6

2015-12-05 21:02:34 | 日記
「ざまぁ無ぇな」苦笑する流。「足さえやられてなければっ」言ったところで斗和子に顔を踏まれる日輪。「やっぱりね、動きが止まったわ」「二人を離せよぉ!」「殺させておくれ、お前を。そうしたら皆助けてあげるわ」「阿呆くさっ! 真に受けんなよ、潮」警告した流は機械の化け物にさらに強く握られた。無言で苦しむ流。「殺させてくれるの?」「流、覚悟はいいか?」踏まれたまま問う日輪。「へっ、お前と地獄行きとは色気ねぇなぁ。潮! コイツの頭に字が見えるだろう? emethってよぉ。最初のeを取るとmeth、死んだって意味になってコイツは崩れ去る。後、頼むわぁ」二人は呪言を唱え出した。
「マズイな、自爆技だ!」肩を押さえて紫暮が前に出てきた。「この者らは勝手に死ぬるよ? 早う、獣の槍を渡して殺されるがよい!」「殺したきゃ殺せ!」潮の言葉に驚く紫暮、流、日輪。「槍が怖ぇのか? なら刃は向けねぇよ」潮は槍先を下ろした。「そう、いい子ねぇ」斗和子は笑った。破られた壁の向こうの上空ではとらと九印が対峙していた。「下じゃ面白ぇことになってるじゃねぇか?」「霧雄が心配だ」「ケッ、他の心配している暇があるのかよっ!」突き掛かるとら、九印は避けるととらを無視して霧雄の元へ飛行して行った。
刃を下ろされた槍が激しく鳴っている。紫暮は笑みを浮かべた。斗和子も笑う。「どんなに槍が鳴っても無駄よ!」人型機械の化け物は肩の砲門にエネルギーを溜めた。「さようなら、蒼月潮!」機械の化け物はエネルギー砲を潮に放った。直撃寸前に槍を前面に構え、全て受け切った潮。「ぬぅえぃッ!!」跳ぶ潮。虚を突かれた機械の化け物の頭上の斗和子。「でぇああッ!!」潮は槍の石突きを機械の化け物の頭にある『e』の文字に打ち込んだ。文字どころか上半身ごと吹き飛ばす獣の槍。機械の化け物は倒れ、流は投げ出された。
     7に続く

うしおととら 7

2015-12-05 21:02:22 | 日記
「バカ野郎! 頭の『e』だけ削れって言ったろ?!」抗議してあると背に日輪が落ちてきた流。「んがっ!」ダメージを受ける流。「ごめんよっ!」笑ってみせる潮。外から覗いていたとらも笑っていた。「そうだよそう! これが獣の槍の力なのよ。ワシがちょっとおっかながったってしょうがないよなぁ」九印は霧雄の傍に来ていた。「霧雄、無事か?」体の外套部分で霧雄を覆うようにする九印。その霧雄の前に人の姿に戻った斗和子も這いずるように来ていた。「助けて霧雄。さっきは酷いこと言ってりして、ごめんなさいね。ホントはそんなこと、全然思ってないのよ」手を差し伸べ、服も出現させる斗和子。
震えて見ている霧雄。潮達も様子を見ていた。「ママ、殺されちゃうわぁ、たくさんの怖い人達に。霧雄、そんなことさせないわよねぇ?」「ママは、僕を騙してなかったんだ」霧雄の顎に触れる斗和子。「騙したりするもんですか、霧雄」「ママ、殺させないよ」霧雄は鎌で潮に斬り掛かった。「バカ、何すんだよ?!」「ママは殺させないよ!!」必死で連打する霧雄。
斗和子牙を剥き出して笑い後ずさった。「ホントにいい子だこと! さよならっ!」浮き上がって、壁の穴から逃れようとする斗和子。
しかし見えざる障壁に捕らえられる斗和子。「うわあぁ?!」建物内に弾き返された斗和子。「館に結界を張った。今のお前には破れまい!」言い放つ紫暮。流、日輪、僧達も協力していた。「人間ごときがっ!」起き上がる斗和子。潮と霧雄は互いの得物の柄をかち合わせていた。「あの女はお前の母ちゃんじゃない。白面のっ」「言うなッ!!」霧雄が叫ぶと同時に斗和子は白面と同じ青白い炎を起こし、紫暮達を囲い込んでいた。笑う斗和子。「灼熱地獄で、悶え死ぬがいいッ!!」手を止め、斗和子の後ろ姿を見ている霧雄。「さぁ、輪を小さくしましょうねぇ?」
     8に続く

うしおととら 8

2015-12-05 21:02:10 | 日記
斗和子が牙を見せて笑っていると、ドシュッ! 鈍い音と共にエレザールの鎌の刃が斗和子の胸から飛び出した。「あっ、あぁっ!」呻く斗和子。青白い炎は消えた。後ろから、霧雄が斗和子を刺していた。「また、裏切ったんだね、ママ」「き、霧雄。違うわ」刃を抜く霧雄。斗和子は倒れた。人の姿に止まり、床を打って霧雄を促す斗和子。霧雄は斗和子の顔の傍に座った。「もう一回聞くよ? ママ。僕を騙してたのなんて、嘘だよね?」「ええ、霧雄、愛しているわ」泣く霧雄。「ママ、嘘なんだね」霧雄は涙を一滴溢し、これを斗和子は開けた口で受けた。斗和子は笑っていた。体が燃え上がり斗和子は滅びた。
「ママ! ママッ! お前らがママを殺したんだ!」霧雄は鎌を振り回し、デタラメに暴れ出した。「ママが居なきゃダメなんだよぉ!!」槍で鎌を受け、止める潮。「やめろよ霧雄!」「僕はただ化け物を殺す為だけに生きてきたんだ。これでママがいなかったら、もうおしまいだよ」潮は霧雄の頬を張った。鎌を取り落とし、倒れる霧雄。「おしまいなんて言うなよ! 一杯人が死んじゃったんだぞ?! 帰って来ないんだよ! でも、俺達はまだ生きてるじゃないか?! 白面をブッ倒すにはきっと、たくさんの強い味方がいるんだよ。お前みたいなよぉ。だからおしまいなんかじゃねぇ!」「今、初めて、お役目の言ったことがわかった気がする」『皆、仲ようせんと、あかんよ』御角は言い残していた。
「ごめんね」一言言って、霧雄は九印と共に去って行った。「必要なんだろう、時間がな」紫暮は霧雄を見送りながら潮に言った。「親父、白面はすげぇ強いよな?」「ああ」「でも俺は、負けたくねぇぜ!」潮は歩き出した。「おめぇは潮を見限ったんだろ?」聞いてくる流。「ま、少しは喰い応えが戻ったかもなっ!」とらは潮の元へとふわり、と飛んで行くのだった。
・・・原作斗和子の最後は当時結構なインパクトだった。

サムライせんせい

2015-12-05 21:01:59 | 日記
海堂のボディーガードの男がリップクリーム塗る仕草が探偵の探偵の淀野と同じだったが、随分ピンポイントなリスペクトだよ。演出の人があれ好きだったのかも。今回の後半は一気にハードモード。データ云々はふんわり気味だったが、テンプレ大金持ちキャラの中ではそこそこ凶悪な海堂。だが、話の締めの相手は何やら決起するつもりの龍馬のようだ。海堂退治自体はやるにせよね。現代に来てからの期間が武市と違うから微妙なところではあるが、ドラマの龍馬は根本的にはやや性急で大義重視な人物に着地した感じか?
アクションも充実。武市の扇子殺陣の件は凄腕感と落語家感が半端なかったぜ。スレイヴファイトの二人の闘い方が素人然としていることや、最後に倒した相手に膝をついて泣く姿、海堂が「あ~あ、こんなに」と毎回同じ台詞を言っているだろうわかるとこなんかも地味にきっちり押さえてる感じ。最終回ではとうとう刀による殺陣もある。龍馬を斬りはしないだろうが、予告を見るに武市一人だけ過去に戻るような気配もあったりと、油断ならないぜ。
一方で、話の前半は序盤のほのぼの展開に戻ったようなコミカルぶりでこれはこれで楽しい。回転寿司の過剰な発達ぶりは現代人も少なからず戸惑うもんな。が、やっぱそう話数も多くない枠で真逆の展開を並列させると片方のパートの登場人物は置いてきぼりなりがちになるね。昼間は塾講師、夜は悪人退治とか、完全に割り切った話でもないしさ。原作ストックが少ないみたいだからドラマ版の話の結末への筋道をつけるのに苦労したのかしれない。ともかく、もう最終回。楽しみにしようじゃないかっ!