市民センターの講座で「地元の年中行事、正月、春、夏編」
というのがあり、おもしろそうなので聞いてきました。
私の住んでいる埼玉方面の年中行事がどのように行われていて
歴史的にどのような意味があるのかということを、長年にわたって調査している方がいて
貴重な写真と体験を話してくれました。
年中行事は限られた期間に一斉に行われるので、何年にもわたって足を運び調査しているそうです。
お正月の行事は、地方によってさまざまな形態で行われていますが、
そのなかでも、家単位で行われているものもあるそうです。
たとえば、ある家ではお正月の三が日はお餅は食べない、
あるいはお餅を食べるが年神様にみつからないように隠れて食べる・・・などです。
なぜかというと、餅を食べない家族の歴史があって、昔戦禍から逃れてこの地にたどり着いたけれど
お正月でも餅を用意できなかったなどの昔語りです。
全国どこでも「お正月」の行事を大切にするのは、お正月は「年神様」を祀り、
家の繁栄を願うという意味があるから。
門松は、元は青葉だけであった。
青葉は神様の降臨する目印で、元は松だけで松は山の象徴であり
山の神様を迎える目印だった。
今でも、門松の前ににお供えをする風習が残っている地域もある。
お話の中で驚いたのは、除夜の鐘を突けなくなってきているそうです。
その理由は、うるさいから。苦情がくるそうです。
餅つきは「不衛生」と言われて行われなくなっている。
苦情を言ってくる年代は50~60代です。
違う世代が一緒に暮らすことが少なくなり、行事が継承されなくなったうえに
苦情まできたのでは、文化の伝承どころではなくなってしまいます。
高度経済成長の時代に、「異文化」を理解することが国際社会を生き抜く基本と
たたきこまれたのが原因かもと言っていました。
でも、「自文化」を理解してこそ世界に打って出られるのではと
地味な地元の文化、伝承、神社を丹念に調べて、発表しているということでした。
外国のお祭りを楽しむのとはちょっと違う、自国の祀りを理解して伝えるのは大切と思いました。
また、日本は神道の国なのですね。今更ですが。
第二弾の「秋、冬編」が9月にあるということなのでそれも受講しようと思います。