後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

寛永、承応、文化、文政、明治、昭和の時代の流れを実感

2015年01月12日 | 日記・エッセイ・コラム
昨日、あるお寺の裏の墓地で2つの事をしみじみ実感しました。思わずため息も出ました。
一つは日本のお墓には西暦ではなく日本独自の年号だけが示してあるのです。明治、大正、昭和は寛永、承応、文化、文政、の単なる続きなのです。
もう一つは時代の流れは農村ではゆっくり流れ、その時間の中身は都会とは非常に違うのです。農村では中央の政治的な変化とは別の静かな時間が流れているのです。
昨日ぶらりと入って散歩したお寺は旧青梅街道にある医王山小川寺です。下にその山門の写真を示します。

このお寺は今から350年くらい前の江戸時代の初期に玉川上水が出来た頃に創建されたのです。この辺一帯を開墾して豊かな小川村が出来た頃、農民のお寺として作られたのです。このあたりは武蔵野の荒地でした。その開拓事業をしたのが小川九郎兵衛でした。彼の14年間の開拓事業は下の写真に説明してあります。

この小川九郎兵衛の名前は現在の小平市の西部に小川町や小川橋として残っています。
それはさておき、このお寺は裏の墓地が広いので時々散歩に寄る所です。下はその墓地の写真です。

この墓地には江戸時代の年号を刻み込んだお墓が延々と並んでいます。下にその写真を示します。

私はその江戸時代の年号に興味を覚え数多くのお墓の墓誌を詳しく見て行きました。そうしたら文化、文政、慶應、に続いて明治、大正、昭和、平成の年号もあります。
私は新しい歴史の視点を教わったような気持になりました。現在、日本で起きるいろいろな事を明治維新以後の欧米文化の視点からだけ観察するのではなく、江戸時代の視点から観察する重要性を知ったのです。お墓には西暦ではなく日本独自の年号だけが示してある事実が教えているのです。そして飢饉があり江戸の大火があり、維新戦争があり、日清と日露の戦争があったことなど一切お墓には書いてありません。ただただ寛永、承応、文化、文政、明治、昭和などと年号が静かに並んでいるだけです。
しかし明治維新以後の大きな戦争で亡くなった軍人のお墓は特別でした。下に戦死したある陸軍曹長のお墓の写真を示します。

明治以後、日本は大きな戦争をして筆舌には尽くせない悲劇を起こしたのです。さきの太平洋戦争では300万人もの死者を出したのです。静かな農村の墓地にはそのことだけは明確な記録を残しています。
昨日感じたもう一つのことは時代の内容は地方、地方によって非常に異なるという「当たり前の事」を再度強く感じたことです。江戸すなわち東京の23区の中心部と都下の小平市小川町では時代の流れ方が全く異なるのです。農村では時間がゆっくり流れ、その時間の中身は都会とは非常に違うのです。農村では中央の政治的な変化とは別の静かな時間が流れているのです。人間は何処に住んでいるかによっていろいろなことを考える視点が変わるのです。当たり前のことですが私にとって警鐘のような感じでした。
昨日、小川寺の墓地を散歩しながら感じたことを書いてみました。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)
===参考資料==============
江戸時代の年号一覧:http://www.k3.dion.ne.jp/~edo-cad/edo_jidai_nengouhyou.html
紀元、西暦、年号、江戸何年
2263 1603 慶長 08 江戸 001 - 1家康 -
2264 1604 慶長 09 江戸 002 - - -
2265 1605 慶長 10 江戸 003 - 2秀忠 -
・・・・・・・
2271 1611 慶長 16 江戸 009 108後水尾 - -
2272 1612 慶長 17 江戸 010 - - -
・・・・・・・・・
2282 1622 元和 08 江戸 020 - - -
2283 1623 元和 09 江戸 021 - 3家光 -
2284 1624 寛永 01 江戸 022 - - -
・・・・・・・・・・
2289 1629 寛永 06 江戸 027 109明正 - -
・・・・・・・・・
2303 1643 寛永 20 江戸 041 110後光明 - -
2304 1644 正保 01 江戸 042 - - -
・・・・・・・・・
2307 1647 正保 04 江戸 045 - - -
2308 1648 慶安 01 江戸 046 - - -
・・・・・・・・・
2311 1651 慶安 04 江戸 049 - 4家綱 -
2312 1652 承応 01 江戸 050 - - -
2313 1653 承応 02 江戸 051 - - -
2314 1654 承応 03 江戸 052 111後西 - -
2315 1655 明暦 01 江戸 053
以下省略。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。