後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

現在のタイ王国はチャクリー王朝で仏陀の入滅、仏教歴の国

2017年10月06日 | 日記・エッセイ・コラム
一昨日、「愛を強く感じる人、全く無関心な人、嗚呼、人はそれぞれ」という記事を掲載して、タイのチャクリー王朝のラーマ9世の昨年の死を嘆く悲しむ様子を写した写真をご紹介しました。
タイ王国という国名が示すように、この国は現在でもチャクリー王朝の王様の権限が大きく、不敬罪のある社会なのです。
この王朝は1782年(タイ仏暦2325年)に成立したのです。現在の王様は初代から数えて10代目のラーマ10世です。
この王国は 仏教を大切にしている文字通りの仏教国なので、お釈迦様が入滅した翌年の西暦の紀元前543年を仏滅紀元元年としている仏歴を日常生活に使っています。
ちなみに私は1936年生まれですから、これに543年を加えた仏歴の2479年に生まれたことになります。
現在のタイの人々はこの仏歴が身についていて西洋の西暦へ換算するのが難しい人々が多いそうです。
そこで今日はタイ王国の仏教をご紹介したいと思います。
まず托鉢をしている修行中の子供や若者の写真をご覧下さい。









これらの写真の出典は「タイ仏教修行」で、そのURLは以下の通りです。
https://www.bing.com/images/search?q=%E3%82%BF%E3%82%A4+%E4%BB%8F%E6%95%99+%E4%BF%AE%E8%A1%8C&go=%E6%A4%9C%E7%B4%A2&qs=ds&form=QBIDMH
タイにおいては、男子はすべて出家するのが社会的に望ましいと考えられているのです。
出家するためには普通20歳以上でそれまで悪いことをしていないことが大切なのです。
出家の目的はお釈迦さまの教えを修行を通してより深く理解するためです。
出家の期間はいろいろですが、大体3ケ月くらいと言われています。それを済ませると一人前の大人と見なされます。
ですからタイの社会では出家は成人への通過儀礼として行われるとも考えられます。
しかしその一方で、自分の精神力を強めたり、社会性をつけたいなどの目的もあります。
基本的には出家で功徳を積み親や先祖の恩に報いるということが基本になっています。
ですから写真のように修業中の人へ食物を献上する行為も自分の親や先祖の恩に報いるということになります。
また貧しい家に生まれたが、学業に優れていたために僧になって仏教大学に入学する若者もいます。
詳しくは、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%81%AE%E4%BB%8F%E6%95%99 をご覧下さい。

このようなタイの仏教的な風景を見聞きすると何故か魅力を感じます。誤解を恐れずに書けばタイの仏教は日本の仏教よりも本物のように思えるのです。お釈迦様の教えどうり忠実にその教えを守っているように思えるのです。
個人的なことで恐縮ですが私の祖父は曹洞宗のお寺の住職でした。それで仏教関係の本を多く読みました。
日本の仏教は中国や朝鮮の百済を通って飛鳥時代に入って来ました、そのせいで中国の道教や儒教や朝鮮の原始宗教と習合し多神教的な宗教になっているようです。お寺のご本尊はお釈迦様ではなく薬師様、観音様、弘法大師様、伝教大師様などいろいろです。
しかしタイのお寺のご本尊様はお釈迦様なのです。お釈迦さまの座った姿の仏像か、寝た姿の涅槃像なのです。
そして出家による修行を大切にしています。私個人は修行無くしては宗教を理解出来ないと信じていますので、タイの仏教こそ本物だと魅力を感じるのです。
スリランカ、タイ、カンボジア、ラオス、ビルマなどの仏教を上座部仏教と言うそうです。そして日本、中国、チベット、朝鮮半島などの仏教は大乗仏教と言うそうです。この両者の比較や検討は今日の記事では割愛します。
そんなことよりバンコックの住宅街での忘れられない体験を書かせて下さい。
それは1993年の頃でした。バンコックに数日滞在した時のことです。朝にホテルの窓から見ていると、幅広い河の向こうから沢山の通勤者が船てやって来るのです。
好奇心にかられて、その日の夕方私は小さな舟に乗り河向うの住宅街に行ったのです。そこは樹木に囲まれた家々が並んでいる住宅街だったのです。決して金持ちではなく、家には塀がありません。道から部屋の中まで見通せるのです。仏壇があって灯明の炎が揺れています。子供が庭で遊んでいて可愛い声が聞こえます。家の裏の方から夕食の準備の包丁の音が聞こえます。何やら金木犀の花のような良い香りが風に乗ってきます。外国人の私がズカズカと歩き回っているのに全く警戒しないのです。全ての人を信頼しているのです。
嗚呼、なんと平和なのだろうと感動しました。仏教国だなあと感動したのです。
もっと書きたいことは沢山ありますが、長くなるのでこれでお終いにします。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)

米国と北朝鮮の戦争を防ぐために大戦の犠牲者数を思い出そう!

2017年10月06日 | 日記・エッセイ・コラム
アメリカと北朝鮮の感情的な応酬が危険な状態になって来ました。アメリカがトマホーク・ミサイルを北朝鮮の軍事基地に打ち込む可能性があるかも知れません。そうすれば否応無しに日本も戦争に巻き込まれます。
このような危険な情勢なのに日本人は戦争の悲惨さを忘れたように北朝鮮を刺激する発言をしている安倍総理に拍手を送ります。
しかし日本の平和を守るため戦争は絶対に避けなければなりません。
安倍政権になってから再軍備と海外派兵を正当化する法改正が着実に進んでいます。戦争の足音が近ずいているのです。
このような時期に第二次世界大戦の犠牲者数を思い出すことが重要なことではないでしょうか?
戦後72年間、平和の続いたので、現在の日本人は先の戦争の膨大な犠牲者数を忘れてしまったのでしょうか?
多くの日本人は軍備強化を平和を守るための必要悪と認めているのです。
戦争は一旦始めると途中で止められないのです。ですから膨大な数の死者が出ます。人間の人格が破壊されます。捕虜が抑留されます。戦争責任を感じて自殺する人も出ます。
夫や息子が戦死し、残された家族が塗炭の苦しみを味わうのです。
その想像を絶する悲劇の大きさを忘れないでいると、戦争を絶対に避けようと決心出来るのではないでしょうか?
忘れないために何度でも記録を見直すことが大切です。
そこで今日は第二次世界大戦で戦争の犠牲になった人々の数をもう一度示します。
船橋精一さんの「我が家のホームページ」から、第二次世界大戦等の戦争犠牲者数のページを転載いたします。
(http://www.max.hi-ho.ne.jp/nvcc/TR7.HTM に掲載されていましたが、現在は削除されています)

国  名      兵員の死亡数  行方不明者数    一般市民の死亡数 
   アメリカ     407,828人     ―        ―

   イギリス     353,652人   90,844人       60,595人 

   フランス     166,195人       ―       174,620人 

   ポーランド      死者総数 6,000,000人   

   ソ  連       死者総数20,000,000人     
   中  国       死者総数10,000,000人

   ド イ ツ      2,100,000人   2,900,000人     500,000人 

   イタリア     389,000人     214,647人      179,803人 

   日  本    約2,300,000人              約800,000人  
  (日本の兵員のうち、朝鮮・台湾の兵員犠牲者、約5万人を含む)、   (以上の数字はワールドアルマナック等より)

犠牲者数の多いのは、ソ連の2000万人、中国の1000万人、ポーランドの600万人、ドイツの550万人、日本の310万人の順になっています。
更に「シベリア抑留とは」(PDF)を検索すると第二次世界大戦の国別の膨大な捕虜の数の統計があります。そしてシベリア抑留でドイツ兵が55万人死んだと記録されています。日本がシベリア抑留で5万人余死んだと言われていますから、その10倍です。

そして戦後、責任を取って自殺した民間人もいます。
ポツダム会談で敗戦後のドイツの処理案が発表された直後の4日間だけのドイツの自殺者数は;ベルリンで1200人、ライプチッヒで600人、ハンブルグで450人、ケルンで300人でした。4日間だけでの総計が2550人です。
日本では愛宕山にこもった民間人10人位とその他に数人が自殺したと言われています。戦争では敗戦後にも大きな悲劇が起きるのです。
20世紀の人類は狂気のように殺しあったのです。
上に示した犠牲者の数をジッと見て、決して忘れないで下さい。
死んだ人には家族が居ます。犠牲者の数の数倍の人々が生涯忘れられない悲劇を背負ってしまったのです。
「戦争反対!」と叫ぶ前に、戦争の想像を絶する悲劇の大きさを心に刻むのが重要と信じています。永久に戦争を廃絶し平和を守るために悲劇の大きさを忘れないようにしましょう。

北朝鮮とアメリカの戦争を止めるのは中国とロシアです。大戦争になれば中国の経済が崩壊します。ロシアも同様なので北朝鮮の暴走を止めるとも想像されます。
日本はこの動向がより順調に進むように中国やロシアの北朝鮮との外交交渉を支援すべきなのです。アメリカのトランプ大統領の挑発的な発言の尻馬に乗るべきではありません。
皆様はそうお思いになりませんか?

今日の挿し絵代わりの写真は昨日、小金井公園で撮った秋の空の風景写真です。この平和な風景がいつまでも続くようにと思いつつ撮りました。

それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたしす。後藤和弘(藤山杜人)