日本には原発が54基もあり、その原発のある工場内に貯蔵プールの中に使用済み核燃料を永久冷却を続けながら保管しています。停電があり、循環水が止まれば水素爆発が起き、放射能が空中へ飛散します。
フィンランドでは使用済み核燃料を埋めるために地下700mの坑道を掘っていて来年から核燃料を実際に埋めはじめます。
日本はその穴を掘る場所さえ、まだ決定していません。
以下の表に示すように総量8910トンの使用済みの核燃料が溜まっていて、各原発敷地にある貯蔵プールで冷却中です。
保管能力が満杯になりつつある事業所は、福島第二原発、柏崎刈羽、浜岡、美浜、高浜、大飯、川内、東海第二などです。保管能力の70%から95%へせまっています。
原発の全体的な安全操業をするためには、まずも8910トンの使用済み核燃料を坑道深く埋めてしまうべきと思います。
皆様のご意見はいかがでしょうか?
下の表の出典:http://www5a.biglobe.ne.jp/~genkoku/kohza-003.htm
各原子力発電所(軽水炉)の使用済み燃料貯蔵量及び貯蔵容量 (平成12年9月末現在) | |||||
電力会社名 | 発電所名 | 1炉心(tU) ( )は1取替分 |
使用済燃料 貯蔵量(tU) |
管理容量 (tU) |
占有率 (%) |
北海道電力 | 泊 | 100 (30) | 240 | 420 | 57.1 |
東北電力 | 女川 | 160 (40) | 190 | 370 | 51.4 |
東京電力 | 福島第一 | 580 (150) | 1,100 | 2,100 | 52.4 |
福島第二 | 520 (140) | 1,250 | 1,360 | 91.9 | |
柏崎刈羽 | 960 (250) | 1,370 | 1,890 | 72.5 | |
中部電力 | 浜岡 | 420 (110) | 720 | 860 | 83.7 |
北陸電力 | 志賀 | 60 (20) | 30 | 100 | 30.0 |
関西電力 | 美浜 | 160 (50) | 280 | 300 | 93.3 |
高浜 | 290 (100) | 800 | 1,100 | 72.7 | |
大飯 | 360 (120) | 670 | 840 | 79.8 | |
中国電力 | 島根 | 170 (40) | 270 | 440 | 61.4 |
四国電力 | 伊方 | 170 (60) | 330 | 530 | 62.3 |
九州電力 | 玄海 | 270 (100) | 420 | 1,060 | 39.6 |
川内 | 140 (50) | 570 | 700 | 81.4 | |
日本原子力発電 | 敦賀 | 140 (40) | 430 | 870 | 49.4 |
東海第二 | 130 (30) | 230 | 260 | 88.5 | |
合計 | 4,630(1,330) | 8,910 | 13,190 | 67.6 | |
注)管理容量は、原則として「貯蔵容量から1炉心+1取替分を差し引いた容量としている。 |
昨日、今朝のマスコミ報道によると3つの原発炉の核燃料棒が全て熔け落ちていることが明らかになりました。
そして熔け落ちたウランやプルトニウムの酸化物が炉心圧力容器の底に溜まり、底の配管貫通部分に隙間を作り、原子炉格納容器にへも漏れ出しているという発表がありました。
更に原子炉格納容器へ幾ら注水しても水位が上がらないので、その底の近辺に割れ目や穴が出来ているということも分かりました。
すると当然の事ながら核燃料物質の粉が水に溶けたり、懸濁して格納容器から流れ出て、地下室に溜まり、溢れて地中へ沁み込んでいるのです。
このような悲劇的現象は3月15日までに起きてしまっていたのです。
3月15日に全ての最悪の現象が起きてしまって居たのです。
その後は注水を続行して炉心の温度が上がらないように努力して来たのです。しかし注水した分だけ汚染水が出来、それが地中へ沁み出しています。この状態が何時までも続くという事も分かりました。
3つの原発の炉心が全て熔け落ち、底に穴を開け、炉心の汚染水が流れ出ているという明快すぎる解析結果が発表されたのです。驚愕したのは私だけでしょうか?
このニュースを見た国民はきっと大きな驚きを覚え、暗い気持ちになったと思います。
このブログでは、このような悲劇的な現象を予想した記事を度々掲載してきました。その予想が現実になってみると、その恐ろしさに手が震えます。皆様は平静なお気持でいられますでしょうか?
しかしよく考えて見るとこんな大きな悲劇の中にも幸運な事があったのです。それは炉底に熔け落ちた核燃料が再臨界状態になって、核連鎖反応を始めなかった事です。
新聞の炉心部分の図面は間違っています。熔け落ちた核燃料が大きな塊になって、その中心部分が赤く、熔けた液体になっているように描いてあります。これがウソなのです。
圧力容器の底には100本近い制御棒が貫通して立っています。その一部は損傷しいているでしょうが、水に漬かっている部分は健全に立っている筈です。何故なら炉底には注水した水の一部が溜まっているからです。
従って、熔け落ちた核燃料は制御棒の隙間へ流れ落ち、水に急冷され粉化し、下に沈殿します。従って炉底の核燃料は制御棒の間の隙間に溜まっていて、大きな塊になっている訳ではありません。
これこそが最大の幸運と私は感激しています。
再臨界が起きれば炉底が本当に熔け落ちて、大きな穴が開き、核燃料の全てが空中や地下へ放出されるからです。クワバラ、クワバラです。
大きな悲劇の中にも幸運があるものです。それに希望を託して、諦めず、一歩一歩と復旧作業を続行すべきです。一縷の希望でも捨てずに、明るい希望へ繋げて行きたいと思います。
今日も皆様のご健康と平和をお祈り申し上げます。藤山杜人