後藤和弘のブログ

写真付きで趣味の話や国際関係や日本の社会時評を毎日書いています。
中央が甲斐駒岳で山麓に私の小屋があります。

森閑とした森だけが残った・・・大会社凋落の風景

2008年06月25日 | 日記・エッセイ・コラム

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JR中央線沿線に、一つの大きな家庭電器メーカーの中央研究所があった。優秀な研究者を多数揃え、研究関係者の訪問が正門守衛所に列をなしていた。筆者も足繁く通い、研究情報を頂いた。専門書を共同執筆した研究者も居た。

車で買い物に行くとき正門の前を時々通る。人の気配がしない。受付に人が居るので閉鎖した訳ではない。

バブル経済の崩壊のあと、多くの研究者がちりぢりになって居なくなる。生産現場へ、関連子会社へ、大学・専門学校へ、そして転職へ。あれから20年近くなるが、あの人々の生き生きした顔を昨日のことのように鮮明に思い出す。正門の前を通るたびに。(終わり)


ブログ文化(3)タテ社会の崩壊は何故?

2008年06月25日 | 日記・エッセイ・コラム

長い間、大学の工学部で研究をしていた。研究の関連で幾つもの大会社の中央研究所の方々に大変お世話になった。一緒にビールも飲んだ。

研究所の人々は優秀で、人格の高い人が多い。でも雑談中に時々ハッとする発言をする。傘下の子会社の人々を軽蔑したような発言をする。他社や他の業界の研究者を、地球以外の惑星の生き物のように距離を置いて、あしざまに批判する。

そして酔いが回ると、会社内の出世速度と派閥の関係をクドクドと説明してくれる。転勤は絶対命令だと学生によく分かるように就職指導をして下さいと言う。会社への忠誠心が最も重要だと教えてくれと言う。自分へも言い聞かせているようだ。

要するに、会社への忠誠心を持続する。会社外の人とは親しくならない。終生同じ会社で働けば、出世も出来る。会社の中は年功序列のタテ型身分制度である。そして、定年後は子会社へ天下りさせてくれる。

これが高度成長期の大会社で働いていた人々の共通な考え方であった。

1990年前後に「バブル経済」が破綻した。不動産を担保にして業務拡大してきた大手銀行が破綻する。銀行から多額の借り入れをして、生産設備拡大を繰り返してきた大会社も当然、経営に行詰まる。関連子会社を独占的に傘下に入れて面倒をみる経済的な余力が無くなる。子会社群の解散が必然的に起きる。

忠誠心さえあれば絶対に解雇しないという暗黙の約束を経営者側が破る。多くの有能な人々を肩たたきで辞めさせる。天下り先の面倒もみないで放り出す。

ここで重要な事実は、大会社の凋落が高度成長の後に起きたことである。

日本全体が豊かになっていたので、大会社を辞めた人々が生活には困らない。タテ社会が崩壊しても生活は大丈夫である。そのことに気が付いた人々の数が多かった。もともと、タテ社会へ不満や疑問を持つのが自然な人情であろう。

上の例は大会社だけで起きた現象である。省略するが、中小企業はもっと悲惨であった。

タテ社会の崩壊は民間企業で起きた。しかし、官庁や国立大学は経済不況と直接関係ないので、タテ社会が残った。タテ社会の残った組織は他にも多い。

そんな変化の後でインターネットが普及する。個人が自由に、そして平等な立場で考えや作品を発表するブログ文化が盛んになってきた。

ブログ文化の隆盛はタテ社会の崩壊のお陰で起きた。同時に、国立や公立の組織や、その他、多くの組織に残ったタテ社会を弱める重要な社会的貢献もしている。

ブログを単なるお遊びの流行と理解するのは自由だ。しかし、社会の変化の結果でもあり、社会変化を加速する重要な役割をしている。と理解することも出来る。(続く)


気分が晴々する写真をどうぞ

2008年06月25日 | 写真

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梅雨の季節、ジメジメした気分が続きます。でも昨日は晴天。霞が浦の沖です。水が青く広がり、白い雲が浮かんでいます。こんな空間に身を置くと毎日の鬱陶しい気分を忘れます。

029 水平線に棚引く白い雲。吸い付かれるように船が動く。

あの白い雲の向こうには潮来のアヤメ畑の花々が

風に揺れているはず。

023 船の傾き加減が、スピード感を出している写真。時速10km(6ノット)で快走中(このヨットで時速10kmは最高速度)。この写真だけでは気分が晴れないと思うが、爽快感をご想像下さい。

009 帆に乾いた初夏の風がいっぱいに吹き込んでいます。

すがすがしい気分になります。マスト天辺の風見の方向をご覧下さい。風へ向かって走っていますね。心地良い空気が頬をなでて通りすぎて行きます。

008若者が3人乗って沖へ急ぐヨット。早く広々した所で帆を揚げようとしている気持ちが分かる。爽快な天候を惜しむかのように。このヨットには前の持ち主に乗せてもらった。

大洗から買ってきた外洋向けのヨット。

034  港近くまで帰ってきたら、さざ波が太陽の光で一面に輝いている。この太陽の輝く惑星の上に生きる幸を、一瞬だけ感じる。そのお陰で雨が続く日々を忘れる。

書いているこの一瞬も。

撮影日時:6月24日午後1時から3時。撮影場所:茨城県、土浦港から出た霞ヶ浦