観測にまつわる問題

政治ブログ。政策中心。「多重下請」「住宅」「相続」「農業」「医者の給与」「解雇規制」を考察する予定(未定)。

便乗値上げの横行を許せば、賃金と物価の好循環は実現しない

2024-05-15 18:16:07 | 厚生労働
今、岸田政権は日本経済を再浮揚しつつあると思いますが、賃金と物価の好循環に関して、一番危機感を持っているのは私かもしれません。というのも、企業はこの期に及んで便乗値上げして、内部留保したり、手元資金を厚く積んだりしているんじゃないか?と疑っているんですね。

賃金と物価の好循環を実現するのは、企業の自主性に任せた賃上げではなく、政府の規制や企業間の競争や労働者団体の圧力で止むに止まれず、賃金を上げるケースではないかと私は思います。とにかく便乗値上げを許せば、賃金と物価の好循環等、夢のまた夢なのは明らかです。

便乗値上げを防ぐには企業の良心に頼ってはならないはずです。人間、誰しも自分に甘いですから。では政府がどうするかと言えば、一つに内部留保・手元資金を削るインフレですし、最低賃金上げであったり、サービス残業、差別待遇(同一労働同一賃金違反)の摘発だったりすると思います。

日本人の給与を低く抑えている年功序列終身雇用制に関して言えば、産業、地域、職種別の欧州型の労働組合の導入が、横の移動を容易にし、改善に成功する可能性があると思います。少なくとも日本型の企業別労働組合は年功序列終身雇用制を維持する方向に働くはずです。

これまで問題になってないことで重要なのは、競争に敗れた経営者や個人事業主の生活の問題かもしれません。年をとっていれば、就職も容易じゃないでしょうが、そのために年金を雑に増額すれば、日本が滅びます。若い内に掛け金を増やしたり、高齢者の雇用を促進したりすることが穏当な解でしょうか。

年金とか保険とか上げると、実質増税ダーッって難癖つける人もいますが、これは人口逆ピラミッドの自然な帰結に過ぎません。生活できなくなった人を始末したり(姥捨て山?)、ホームレスを増やさない限り、結局生活保護がありますし、どうやったって負担は生じる訳で、我儘言っても仕方がありません。

若者の負担を上げるのは心苦しいですが、賃上げでお釣りが来るように努力するのが政治の仕事だと思いますし、少子化を促進しないためには、少子化対策(再分配)が重要だと思いますが、負担が上がることで、稼げる仕事につくインセンティブを上げることも出来ると思います。

中間管理職や高齢者の雇用に難しい側面があるのは否めません。ただ最後は生活保護で何処かが負担しなければならず、企業を強くするため、安易に切れるものではありません。私は何も弱肉強食を主張している訳ではなく、悪習の固守を目指している訳でも勿論なく、漸進的な変革を促したいだけなんです。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (管理人)
2024-05-22 19:25:55
所得向上「実現せず」92.2% 政権浮揚策、自民支持層も低評価【産経・FNN合同世論調査】(産経2024/5/20)

中小に賃金上昇余地が小さく、大企業が煽られません。中小を無理に援助することを止めて適切な規模の経営を目指すと共に、同一労働同一賃金を徹底して、中小や下請けや非正規の搾取を止めさせれば、必ず賃金と物価の好循環は実現しますよ。

こういうことを言うと何かリベラル左翼みたいですけど、アメリカで奴隷解放を進めたのは共和党/北軍でした。そしてアメリカは経済的に成功しています。同一労働同一賃金を徹底すると、既得権益層は反発するでしょうが、そこを押し切って改革を断行しなければ、経済再生は非常に困難と思います。

結局、需要/総賃金が大きくならないと企業も商売になりませんから。儲けて貯める癖がついた企業の慣習はそう簡単には直りません。不合理な差別待遇は解消して、生産性を下げずに、賃金上昇を図るべきです。特に下請け・非正規の搾取を止める金が大企業にあります。

コメントを投稿