あまちゃんの カタコト中文日記

中国・杭州がえりのライター助手、日々のいろいろ。

息子のために・・・ボスの奔走

2020-05-01 | 日記
今週のボスちゃんは ”あること” で大忙し。もう寝坊なんかしてらんない。
1人の中国人留学生のピンチを救うために、あちこち電話をかけまくり、奔走した。
昨日の午後ひとまず ホッと一息。

学校の教育実習で知り合った、中国人留学生の王くん(仮名)。

王くんのイメージ。こちら↑は中国の人気俳優・王宝强(わんばおちゃん)

現在、上海の実家に帰国している王くん。
先月あたりから毎日のようにウィチャットで日本語の質問をしてくるようになった。

王くんの日本滞在歴は3年。
日本語能力試験はすでにN1を取得、英検でいうところの1級に当たるのだろうか、
そのへんはよくわからないが。
教育実習では先生に果敢に質問をする(同時に先生泣かせでもある)、
いわゆる名物生徒だった。
N1は持っていても、まだまだ「てにをは」はめちゃくちゃで、
チャットではよく間違いを直してあげたりしていた。

いつしか王くんはボスのことを「かあちゃん」と呼ぶように。
ボスは本心では「姐姐(ジエジエ=おねえさん)」と呼ばれるほうがいいのだが、
歳を考えると「かあちゃん」が妥当。
実際に呼ばれてみると、そう悪い気もしない。

ボスも彼のことを「儿子(アルズ=息子)」とたまに呼ぶようになった。
日本の感覚ではおかしいけど、中国では親が息子に向かって「息子!」とフツーに呼ぶのである。
(初めてドラマでそういう母子の場面をみたときはマジびっくり!)

チャットで日本語の質問や、王くんが食べたお昼ご飯の写真を送ってきたり・・・てな
たわいもないやりとりが一変したのが、今週月曜の夜。
「ちょっとお願いが・・・」とボスちゃんはあることを頼まれた。
「不動産屋さんに電話してもらえませんか?」。

実は王くん、大阪市内でワンルームマンションを借りており、
4月末で引き払う予定ですでに2月に解約届を出していた。
当初の予定では4月中に日本に戻り、荷物をまとめて引き払う予定にしていたが。
新型コロナの影響で中国人が日本に来ることができなくなった。

かわいそうな息子よ! 
住めないのに、5月以降も家賃が発生してしまうのだ。
全部コロナのせいだ、コロナが悪い。
いったい、いつになれば中国人が日本に入ってこられる?
それは誰にもわからない。

若干21歳。実家の経済状況悪化につき、この先の留学継続をあきらめた彼に、
家賃は重くのしかかる。
なにしろ「コロナ」は異常事態だ。きっと大家さんも家賃を負けてくれるんじゃ?
そんな都合のいい期待もよぎるが・・・現実はそう甘くない。

実は一番の問題はそこじゃなかった。
王くんがこの場に及んで、「4月末解約(退居)の”取り消し”」を
不動産業者(大家側の管理会社)に連絡していなかったのだ。

やばい。もうすでに4月も終わる。
王くんもやばいことを承知していた。
●不動産業者はきっと怒っている、きっと莫大な罰金(違約金)を取られるに違いない。
●何度か携帯に電話がかかってきたが、中国の電話というのは電話を受けるほうにも
 料金が発生する。きっと高額な国際料金がかかる、出られない・・・。
●出たところで、契約うんぬんの複雑な日本語を理解する自信もない。

ってことで、息子はかあちゃんに助けを求めたのだ。

翌朝、ボスちゃんは覚悟を決め、不動産業者に電話した。
担当の男性は今日あすお休みと聞き、がっかり。
ダメだ、あさって木曜はもう4/30じゃないか!
ええい〜「どうしても連絡とりたいので」と頼み込み、お休み中にも関わらず、連絡をもらうようにした。

すぐに担当者から電話が。かなり怒っていた。
「解約とお聞きしてましたから、我々はすぐ次の入居者の募集を始めているんですよ」
「コロナで来られないなんて、言い訳でしかないです。電話の1本くらいはできたでしょ?
 このままだと不法占拠で部屋の荷物を捨てることもできますし、違約金も発生しますよ、云々・・・」

「電話の1本くらいは」と言われると、こちらは何も言えない。
留学先から母国へ そそくさと退散。借りた部屋のことは気になりつつ、ずるずるとここまできてしまったのだろう。
彼の認識が甘かったことは否めない。

ボス:「かならず本人から30日に電話させます」。
そして本人が5月以降も引き続き契約を希望している旨をきちんと伝えた。

すると、強い口調の担当者が途中から人が変わったように、

「あなたも大変ですね」などと言い出した。
たしかにボスは正式な代理人ではない。
でもなんとか息子の窮地を救いたい一心で電話したのだ。

***
同時にボスはあちこちに電話相談もした。
ネットで各種相談窓口を調べ上げ、
「大阪市立すまい情報センター」や
「大阪市・外国人のための窓口」
「大阪府・外国人住宅相談室」等々、
どこも親切に話を聞いてくれた。

でも結局、この件のポイントは、
「解約の取り消しを、いち早く大家に連絡しなかったのがまずい」に尽きる。
小難しい書類や決め事の前に、大家さんとの信頼関係の上で”賃貸契約”は成り立っているのだ。

***
きのう、月末の30日に王くんは不動産屋に電話をして、解約の取り消しをした。
ただ、担当者が不在だったので、他の人に伝えたという。
その報告を聞き、ボスちゃんは「念のため、メールもしておいたら?」とアドバイス。
おいおい、一番心配性なのは、かあちゃんじゃないの? 
つくづく、本当の息子でなくてよかった、とボクは思う(^-^)。

王くんだけじゃない。ほかにもコロナでつらい思いをしている外国人はたくさんいるはず。
特に日本に残っている留学生たちは学校もバイトも休みになり、困窮に追い込まれているに違いない。
遠い国から、みんな日本が好きで来ているんだ。なんとか政府には救いの手を差し伸べてほしい。

*おまけ*
今週 BS12チャンネルで夕方5時から始まった中国時代劇。

録画して視聴開始。2018年の中国No.1ドラマ、豪華絢爛な衣装を見るだけでも価値があるよ〜 まだ間に合う(^-^)v


コメント (2)