トリCのブログ

ジャンル問わず現場に近いスタンスで書いていきます

民主の敗因

2010-07-11 23:55:00 | 政治

 率直に言えば「分りやすい政治」という自ら仕掛けた罠に民主党は嵌ってしまった。ここ最近の政治は小泉内閣からずっと分りやすい主張をした方がウケが良い、という傾向が強かった。


 


原因は政治家主導の選挙ではなく広告代理店やマスコミと言った「軽さ」を売りにしている業界人に運命を預けたところにあると思う(これはアメリカなどの選挙スタイルに影響を受けたものだろう)。この結果、大半の有権者が広告代理店が巧妙に植え付けたイメージを元に判断する様になっておりそのピークは麻生元首相に対する「金持ちで無知なワンマン社長風人物」、対する鳩山前首相は「スタイリッシュでちょっと変わった夢想家」の様に


 


全然政治力と関係の無いところで支持率が上下する様になってしまった。


 


民主党はこういったイメージ戦略を最大限に利用してきたがそれは鳩山さんを見れば判ると思うが「バレた時はその反動が凄い」という点を軽視しすぎた感がある。何故軽視したのかと言えばバレないと思ったからだろう。


 


それは結婚詐欺師が逮捕された時に言う言葉だがこういったプロは騙されやすい人をターゲットにするから逮捕率自体は低い。広告代理店も同じである。騙されて買う人を徹底的に調べ上げその傾向と考え方を研究する。代理店には各世代が経験してきた時代、常識、価値観などが丹念に調べられどういった言葉に弱いか、何に対して不満や心配があるかが把握されている。このターゲットにされたのが小さい子供を持つ主婦層である。


 


しかし広告代理店は「騙されて買った顧客の怒りの反動」と言うものは管理されていない。そこが”軽い”業界なのだ。日本の会社の基本は今抱えている顧客の満足度をいかにして保つか、が基本である。


 


自民はこれと代理店による負のイメージ戦略で顧客に捨てられた。民主は代理店に頼って華々しく自民に取って代わったが顧客を満足させるノウハウはほとんど持ち合わせていなかったわけだ。


 


そして今回の選挙。何よりも「どうやって騙すか」を重視してきた民主党が頑固な政治家である菅さんを首相にした事で広告代理店のイメージ戦略をやめて正直に政治を語った、つまり消費税を語ったわけだ。


 


その結果として騙されていた人が「騙された」とはっきり理解してしまったのが今回の参院選ではないだろうか。不運な事は自民も10%と言っていた事で安全だと踏んだ点である。自民支持層には消費税はあまりマイナスに働かないだろうが子供手当てでなびいた層には深刻なマイナス要素だという点だ。


 


だとしても俺は正直に言えば騙された方が悪い、という考えだし騙された人は今後少しは”全然魅力がない私”に超金持ちの良い男が寄ってくる理由が何であるのか理解出来るかもしれないし詐欺師も反省して真っ当な人生を歩むかもしれない。


 


と言うか民主党には本当に真っ当な政策で官僚も自民も反論出来る余地が無い位になって欲しいものだ。その為には広告代理店とは縁を切るべきではないだろうか。もちろん自民党も同じ事をやっているわけだが今回は谷垣さんがどうのこうのは全然関係ないところで勝敗があった様な気がする。