トリCのブログ

ジャンル問わず現場に近いスタンスで書いていきます

大阪都構想は結局どうだったのか

2015-05-18 12:46:22 | 政治

大阪が都構想反対決定で揺れている。


今回もサッカーを絡めて話をしようと思う。ブラジルの指導者の方がTVで言ったことに「チームは常に人の入れ替えを行う必要がある。たとえ今現在完璧な構成になっていたとしても流れを止めた川は必ずよどむから」という趣旨の話をしていた。都構想はこれとは違いいったん壊して再構築だから話は別だが。


日本の行政は類似する国家基準から言っても公務員に大変に好待遇だ。この為競って(頭の働く)有能な人材が公務員になりたがる。一般企業は当たればでかいかもしれないがはずれもずっと多い。定年になった時の人生計画が立てにくいのだ。若いうちはそんな事を考える人間は少ないだろうが後から考えれば…、と後悔する人も多いのではないだろうか。そういう事を若いうちからしっかりと考える人間が公務員になりたがる。こういう人たちが一番ストレスに感じるのは「想定外の大規模な人事異動(リストラも含む)」だ。一般の企業に勤める人間ですら嫌な事だがそれがないから入った公務員。その怒りは一般人の「申し訳ないがわが社の業績から考えて早期退職に同意してもらえないか」よりもはるかにでかい。


ところがこういう話は本音でツイッターなどにぶちまければ香山リカってしまう。そこで策として改革をしても何の効果もないどころか「市民には大損だ」と連呼することになる。本当は反対している当人たちが大損なのは明確なのだが。


サッカーに話を戻すと日本の行政は35歳まで安定してレギュラーが確約されているサッカーチームの様なものだ。35歳で決まった退職金が出てチームを去る。次の年には辞めた人数分の20歳の選手が入ってくる。この選手が質が悪ければ話は別だがそうではない。彼の考え方は「世界規模の選手になるのは一部なのだから勝負は35歳を過ぎた時点で選手生涯でいくらもらっているかであってその後の人生計画も退職金込みで決めています」というものだ。そんなしっかりした人間が入ってくるので人材の出入りの激しい他チームに比べてチームの安定度は高い。ただし優勝は絶対にしない。選手だけが好待遇でサポーターはやる気のない(優勝する気がない)チームにストレス溜めまくり。


そんなチームに橋下という超野心のある指導者がやってきて


「明日からダメな奴は来なくていい。首だから。そんだけ偉そうなんだから他のチームでやっていけるだろ?」


チームの成績で契約金が上下するわけではなかったはずがチームの成績が悪いから年棒を変えるというのだから納得がいくはずがない。


ここで一つ振り返るのはブラジルの指導者の「川の流れを止めるな」なのだ。どんなに質の高い人材を集めても川の流れを止めれば停滞が待っている。個人的には公務員個々には無能なイメージはない。むしろ有能。それでも公務員にしろ政治家にしろ人材の流動性がない集団は必ず腐敗する。

 

大阪都構想もやってみて成功する可能性はあるだろうが人材が再び川の流れを止めるシステムであれば又いつもの大阪に戻るだけだ。人情の町大阪、が選手の流動性を阻み集団を腐敗させる。橋下氏のやり方は劇薬であるがゆえに成功するのは恐らくは短期間だ。そうであればその街の特性を認識し短所を長所に振り向けるように操作する、それが本来の政治家の仕事だと思うのだが反対派は35歳定年制にこだわってばかりの様にも見えるし賛成派共に出口は見えない、というのが正直なところだ。


ただ言えるのはこういった人生設計がしっかりしている人材が公務員に群がるのは決して民間企業には良い事ではない、つまり多大な損失が見えないところで効いているという点だ。その意味で公務員の給与を民間以下に抑え有能な人材を地域活性化に利用する様に仕向けるのは悪い事ではないのではないか。

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憲法の裏事情

2015-05-05 09:43:58 | 政治

3日は憲法記念日という事で各地で憲法を守れ、安倍は許さないみたいな大会が開かれた様だ。


ところで憲法の制定には占領軍のマッカーサーが関与し命令を受けたGHQの職員が10日程度で慌てて作ったのは結構知られるようになってきた。


国連も同様だが当時の敗戦国(ドイツ・日本)が二度と立ち直れない様にこういうものは作られた。なので常任理事国に日本を入れるなんてとんでもない、と憲法を改正するなんてとんでもない、は当時の戦勝国であれば皆強硬にそう言っただろう。


そこでどうして当時の戦勝国は日本にこの様な内容で縛りをつけたかを自分なりにマッカーサー(米国)の立場になって整理してみようと思う。


当時の情勢はソ連が太平洋に出張ってきてアジア各国を共産主義国家にして自分の海域にしてしまわない様に米国がアジア沿岸部に防衛線を張る事が主目的だった。共産革命が起こる条件は国家が疲弊している、大多数の貧民層が一部の富裕層に対し怒りに満ちている、国軍上層部が軍を統率できていない、大国の庇護下にない(無防備状態)という諸条件が必要だ。


アジアは日本が政治も軍事も悪い意味で進んでいたがいずれどこのアジア地域も同じ道を歩むとすれば「民族主義をベースにした軍事国家」「共産主義に染まってソ連の衛星国」という選択肢しかなかった。欧州の植民地時代には各国の勢力均衡が保たれ従順な奴隷だったが進歩は悪化に繋がる典型例とも言えるだろう。


日本から解放された朝鮮半島が南が民族主義ベースの軍事国家、北がソ連の衛星国家になったことからも分かるようにアジアの植民地地域が軒並みこのどちらかになってしまう危険性が高かった。欧州が疲弊したためアジアに日本型のウイルスが伝染するのは時間の問題だったと言っていい。


そこでアメリカは自身が提示する「(アメリカの軍事下で)民主主義による経済的繁栄」をアジアの先駆者である日本を例にして示さなくてはならずかなり慌てて憲法を作る必要があった。憲法のメインが非軍事、経済の健全化、支配層の解体にあてられたのはそういう理由だろう。


民族主義や共産主義が蔓延すると一気に軍部が呼応し白人国家による植民地システムが世界規模で崩れる。日本はこの危機の発端であり、だからこそ日本世論への上手なミスリードが必要だった。


そこで日本が自主的に新憲法を制定した、平和主義国家を達成する為に軍事はすべて放棄した、悪かったのは日本人ではなく裁判にかけられている軍人と政治家である、アメリカはこれらの戦犯から日本を早期に解放するためにやむにやまれず原爆を投下し東京大空襲なども行った、と寝返ったマスコミを使って大々的に日本人を洗脳した。特に自分が首謀者ではなかった世代(終戦時16歳以下程度)は上の世代の男子が死亡しているので出世が早かった上に反戦を主張すると政治に疎くても正義側に回れる&上の世代を黙らせられるうま味を体験してしまったので未だに護憲のメイン世代として自身の正当性(成功物語)にこだわりがある。


日本国内の左翼勢力は当時彼らの一番の天敵は右翼勢力だったので右翼=皇軍のすり込みから軍事放棄に即座に飛びつき自身の革命に本来最も必要な軍事力(解放軍)を失った。更に厭戦の平和主義者が軒並み左翼勢力に同調し左翼内部の一大勢力になってしまうと米軍を追い出してから日本解放軍を作るシナリオが話題にするのもはばかれるレベルに不可能になってしまい日米安保条約を解体してもその後どうするのか、の対案が示せず反原発のパターンのごとく説得力をじわじわと失っていく。


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慌ててアメリカ人が作った憲法は当時の日本から右翼、左翼勢力の重要な推進力であった軍事力を取り除くことに成功し朝鮮半島の様な典型的アジアの悪いパターンに陥らずに済んだ。


であるから出来た当初の憲法は改憲派の自分であっても非難には値しないと思っている。むしろ国を東西に分けるレベルの内戦の可能性もあったのをうまいこと収めたと感心できる。


しかし今の日本の社会成熟度では軍事力を背景に国家を一定の方向に動かそうなど発想が中二病アニメすぎる。むしろ今の憲法の価値はこれにがんじがらめになっている日本を周辺国が逆利用しアジアの覇権を日本抜きで完成させようという方にこそあるわけでかえって害悪ですらある。護憲の背後に日本抜きのアジア利権を取ろうと躍起になる東アジア各国支配層(=富裕層)の思惑があるわけでこの野望に冷や水をかけるのにはそれほど躊躇は必要ないと思う。


さて、少し発想を変えて70年不変だった憲法が70年後にどうなっているのか、を想像するのも面白い。日本が黒船で劇的に社会構造を変えたように世界もまた大きな戦争でもなければそうそう様変わりはしない。


しかし70年後には企業と移民を国内にとどめておくのは不可能になり本社がどこにあるのか国籍がどこにあるのかがさして重要ではない時代になっているだろう。軍事力を行使して隣国をどうにかしようにもそのどちらにも多種多様な人種が混在し多国籍企業も点在するわけで土地の奪い合いをする意味がない。貧しくなったらシャッター商店街のごとく人と企業は引っ越しするだけで焼き畑経済になっているのではないかと。


日本は少子化、移民にとって魅力ある地域・翻訳機の劇的発達が理由で移民が増すのは間違いないが大都市周辺部の貧民移入が大問題となりいずれ富裕層の移民と外国企業の獲得戦争に参入し結果勝者になるはずだ。そういった人たちと企業が果たして護憲にメリットがあるかと言えば全くの逆で資産の保護を主目的に憲法の改正を強く主張する。硬直した行政が企業と人の離反を招く時代にあっては今の時代の様に一部の政治集団がしぶとく反対を叫べば結果富はごっそりと逃げ出す。日本の硬直した憲法は時代に即応するしか道はないはずだ。


こういった理由で護憲か改憲かという議論は将来単なる物量によって後から考えれば改憲ってレベルじゃねーってという速度で時代に合わせなくてはいけなくなるのでその戦いの意味はどんどんと薄れていく事になるだろう。

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アメリカ議会絶賛の理由:安倍スピーチ

2015-05-01 12:49:52 | 政治

アメリカでの安倍首相のスピーチに入れられた意図は恐らくはこうだ。


安倍首相は「正しい謝罪の仕方」と「正しい和解の受け入れ方」をアメリカ相手に行いより強固な関係をアメリカ相手にした。安倍首相は重ね重ねアメリカの心情を理解している、というメッセージを送った。そうしてその上で共に戦おう、自由の為に、と。正しい和解の受け入れ方はもちろん東アジアの国々に対してのあてつけ、良い意味で言えばヒントだろうか。


アメリカの国の成り立ちはヨーロッパに対する反動だ。王族による圧政、貴族と民衆という階層社会、富裕層の利権争いの代行による戦争で貧困層が死ぬ社会。じゃあアジア人や黒人に対する差別は?というのは当時のこの階層の人種は人ではなかった。白人と猿の間くらいか。


現代世界で言えば火星に移民して新社会が出来た。男女差別はない、宗教活動は一切ない、働いても収入そのものがないので貧富の差がない、政治がない


このレベルの国家を作ろうという壮大なモチベーションがアメリカの起源だ。


再び火星に話を戻すと火星で実際そういう社会が成り立ったとして大成功を収めたと。そうした場合、火星人はその成功に物凄い誇りを持たないだろうか。その観点で言えばアメリカ人、さらに政治家ともなれば「抑圧からの自由、そして成功へ」というのは非常に価値がある。後から裕福の恩恵にあずかろうと入ってきたスパニッシュやアジア人とは全く価値観が違うわけだ。


ところが他の国家にはここが分かりにくい。アメリカを普通の国の枠にはめて色眼鏡で見てしまう。つまり「軍事強国」であり超ゴリ押しの自分とこの価値押しつけ野郎である。この意識の差が大きいため結構アメリカは孤独だ。


ここが安倍首相はよくわかっている。外交上手な政治家は相手の歴史と政治心情がよくわかっている。どうすれば相手が感動するか、逆に腹が立つのか理解している。


この意味で言えば安倍首相は間違いなくアメリカに未来を感じ自由がなく抑圧と洗脳政治の中国と韓国にはダメ出しを実質したに等しい。

 

さて、安倍首相はアメリカに対して謝罪した。この意味は昔、アメリカの国の在り方に異を唱えたがこちらが間違っていた、ということだ。先の大戦で極悪な事をしたから、という意味ではない。アメリカは限られたエリートによる圧政を嫌う。当時の日本は政府と軍部とマスコミによる限られた人による圧政だった。それを安倍首相は認め今後は絶対ならない、させない、と宣言した。


数年前これからアジアは中国、と寄りかかっていた米民主党議員への「お前らアメリカの本質思い出せ!」という安倍氏独特のビンタと言っていい。アメリカの河野洋平であるマイクホンダはさぞかし痛かっただろう。


アメリカは上にも書いた様に欧州の反動で成り立った国家なので欧州各国が本気でアメリカを称賛することはない。日本が中国の反動で成り立った国家である点から中国が日本を心底称賛することがないのに近い。


そういった精神の共有をアメリカ大陸から海のはるか向こうの異文化の人間が認めたのだからたまらないだろう。アメリカの国技であるベースボールに本気で取り組み誰でも(人種関係なく)頂点に立てることを立証しアメリカのシステムに感謝するイチローに対する感動と同じことを安倍首相は短時間でやってのけたわけだ。


日本ではどうしてもアメリカ人に喝采を受けた、というと「媚びた」ととらえる人がいるがそれは東アジア人特有の朝貢の歴史がそう感じさせるだけである。韓国人であればなおさらだろう。偉い相手を褒めればたくさん褒美をもらえる、中国はいまだにこれをやっているし韓国は無意識にそれに従い日本がアメリカに対する態度もそれに見えてしまう。当然ながら主人を取られた飼い犬のライバル心の様なもの全開である。


今回安倍首相が行ったスピーチは古い移民系のアメリカ人には心に響く。何百年にもわたって戦ってきた(当然死者も出した)血を流しても自由を守るという概念に過去真っ向から異論を出した極東の異国が賛同し共闘しようと呼びかけてきたのだから。国家に親友はいない。しかし日本の和の精神は国家同士の共存共栄にはぴったりのツールだと言えるだろう。

 

 

 

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