事故当時に書いたブログですが注水中断に関して分からなければ読んでください。元首相の発言は自己擁護もありますが彼の脳内がのぞき見れるチャンスでもあります。まるで慰安婦(笑)
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今回の中断騒動で漏れ聞こえてきた内容を聞くと「あーそうなっちゃうよなー」という状況だったようだ。東電が悪いとか首相がどうのとか言うがこれは菅首相の熱心さが仇となった感がある。事の状況はどうやらこうだった。
真水→海水、という工程は元から東電側としてあった。メリットもリスクも含みで討論するレベルではないという程に。ちょっと簡単に例を出してみよう。
自動車が長い下り坂でブレーキが効きにくくなった場合、エンジンブレーキが有効なのは常識だろう。メリットは語るべくもなくブレーキ効果が起こる。デメリットはシフトダウンをした時にスリップする「かも」しれないという事か。これは車が猛スピード、シフトダウンがあまりに急激だった場合に「起こるかもしれない」という例だ。
このままでは車はどんどんスピードが上がってしまう。であれば選択肢として妥当だろう。だから現場(運転手)は「エンジンブレーキでいきますから」とだけ連絡してきた。(了承をとるつもりですらない、常識だから)
これに待ったをかけたのが菅首相だ。「俺は車を運転したことはないけれど車には詳しい。エンジンブレーキを使えばスリップする危険性があるじゃないか。どうなんだ」
これに対して斑目委員長「そりゃあ…ゼロとは言えないですがとにかくエンジンブレーキを使わないとまずい状況ですよ(この状況でそれにこだわるかよ…)」
菅首相「ほうら、ゼロではないんだろ?だったらゼロにするように討議してからでないとエンジンブレーキ使用に私は納得しないよ?もっと詰めてからこういう事はしてもらわんと」
海江田経産相「よく分からんがそれはまずいですよ斑目さん、責任者は管さんなんだから納得いくまで説明してもらわないとGOを出せない」
東電武黒氏「(これは…首相を納得させないとエンジンブレーキ勝手に使用したことになってしまうぞ、現場にこっそり連絡しておこう)」
吉田所長(運転手)「え?官邸がデメリットに対して討議中だから待てって?~~~っ分かった…(何を悠長なうちの社の奴素人も説得できねーのか、とぼやきつつ躊躇なくエンジンブレーキ続行)」
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安倍元首相が伝え聞いた話では「菅首相が猛烈に怒って中断させた」であった。ジャーナリストの青山繁晴氏が関係者から聞いた話は上の内容をそのまま海水注入に置き換えてもらえば分かる。
当初誰もが嘘を付いているんじゃないかと思っていたがどうもそうではない。首相が勉強熱心で専門家であれば無視する事例にこだわりそんな議論などしたことがない専門家が答えに四苦八苦する姿を見て周囲の素人が「管さんの方が詳しい」と思い込んだだけの話である。
以下時系列での関係者の発言
5月2日
海江田氏-----試験で20分やったあと中止の報告。重ねて首相の指示でこれを再開させた。
東電-----中止は官邸側から再臨海の可能性を検討するので中断してくれと言われた。
5月20日
安倍元首相-----東電が連絡なしに注水を開始と聞いた菅総理は激怒。菅首相が1時間中断させたと関係者から聞いた
細野氏-----斑目委員長が海水を注入すると再臨界する危険があると。中断の背景には斑目委員長の発言があった。
補佐官-----細野さんには斑目さんはそんな事を言っていないと進言したのですが聞き入れてもらえなかった。
5月21日
斑目委員長-----俺は素人じゃない。そんな発言をするわけがない。
細野氏-----斑目委員長が海水を注入すると再臨海する可能性がゼロではない、と
斑目委員長-----それは確かに言いました。
5月23日
菅首相-----東電から注水も中止も「私には」報告はなかった。もちろん中止の指示もしていない。私が激怒するはずがない。
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唯一嘘があるとすれば菅首相が中止の指示は出していない、というところか。実質中止(という空気に)に追い込んだのは原発に詳しいという自負のあった菅首相だろう。素人の事情通ほどやっかいなものはない典型例ではないだろうか。しかし概ね誰も嘘は言っていないのは確かだ。
会社の会議で誰でも記憶があるだろう。現場を知らない割に指揮をとろうと鼻息の荒い人。こういう人に限って勇気を出して現場の実情を進言するととたんに不機嫌になったり怒鳴り散らしたりするものである。その人なりの出世方法論と自己防衛の為の感情爆発。もちろん会社の為にはさっぱりならないし数値が上がらないがこういう人は「周囲が無能なせいで~」と脳内で処理する。社内から不評の嵐でも「俺がこの会社を支えているんだ。ここでバカどもの言いなりになったら俺も会社も終わりだ」とでも思っているだろう。