例えばだがこの117億円、日本の古来からの文化展示を目的とするならこんなに叩かれなかったはず。と、同時にそんなのに誰も見に行かないわけで大赤字であっただろう。
行政が考える箱物ってのは往々にして「これなら文句は出ないだろう」という代物になる。美術館なんか最たるものだ。はっきり言えば美術館で欧州と似たような物を展示したところでどれだけの需要と見る側の熱意があるのか正直疑問である。
これらの無駄とも思える美術館と高額で落札されただろう展示物を地方の過疎地で見た時に感じるのは「超贅沢な美術館、欧州のブランドものの作品ってので予算が通りやすいんだろうな」と思える事だ。
その点、日本のアニメやマンガってのはピカソやゴーギャンの作品に比べれば月とすっぽん、価値にして100万対1というような対比という意識が強い。ピカソやゴーギャンを展示するのにプレハブで十分、税金の無駄、とは言われないだろうがマンガやアニメでは上記の価値観が日本人の中にあるので大きな反発となる。
しかし浮世絵などは当時のマンガでありながら後世に芸術とされている。この流れから言えば今の日本のアニメ、マンガは間違いなく後の世では芸術に分類されるだろう。であれば別にこういうものを先に作ってもいいんじゃないかとも思えるが…。
ただここで引っかかるのはこういった箱物を作るときには中身が大事だってことだ。今、海外で人気のアニメはデスノートに代表されるように旬なネタを提供する、しかも大手のディズニーなどが手を出せないジャンルに支えられている。こういった作品の多くはとても政府が推奨出来る内容ではない。(最近で言えばコードギアスなどがあるがこれも無理)
要は江戸幕府が春画を芸術として美術館で飾るようなものだ。
そう考えればこの箱物の中身が「手塚治虫大全集」になったり「巨人の星の幻のセル画」と言うような安全圏に逃げるような気がしてならない。こういった内容であるなら秋葉原に集う人々(外国人含む)の触手もとい食指が動くかは極めて疑問なのだ。
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追記
ただし記事の趣旨は自民党の税金の無駄使いとそれに果敢に食いつく民主党、という構図を演出したいだけでアニメ、マンガはどうでもいいのだろう。ネットでも多くの方が指摘しているがこんなのに金をかけるくらいならアニメスタッフの賃金(多くが年収100万ちょいとか)改善に向けるプロジェクトに使って欲しい。
ただしパイの奪い合いの比率を変えるだけになるだろうからこんな事に手を出すと民主党を支持する広告代理店とテレビ局の社員(両者年収1000万)の収入を減らしアニメーターにその分を分けてあげる事になるだけなので民主党もマスコミも指摘したくないだろうが。
ところで牧村さんって誰?と調べたら熱心な民主党支持者ってだけで漫画家としては無名じゃないか。
>記者氏は「小沢一郎の剛腕コラム」を担当していた小沢ファンだそうです
>プリンセス小沢は本当に口下手で、うまく説明できていれば切りぬけられたと思う、
>と残念そうでした
http://d.hatena.ne.jp/pinsuke/20090511/1242028806
ぷ、プリンセス…
なのでここは反対側の漫画家の意見を掲載する
里中満知子オフィシャルサイト
(仮)国立メディア芸術総合センターが「国立のマンガ図書館」とか「アニメの殿堂」等と世間で誤解されているようなので危惧しております。「メディア芸術」はアニメ、ゲーム、マンガだけではなく新しい時代のデジタルアートを含んでいて今回のセンターは日本発信のメディア芸術をきちんと世界に知らしめる意味があると思っています。
センターは決して「マンガ図書館」でも「国立アニメ殿堂」という性格の物ではありません。日本は外国に認めてもらわないと我が国の文化を低く見る傾向が未だにあります。いつまでもそれではいけない、国を挙げて「日本のメディア芸術はこんなにすばらしい」という事を訴えて行く為の拠点が必要です。
以下つづきは
http://satonaka-machiko.seesaa.net/article/120006495.html