トリCのブログ

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組織のトップは規模により全く違う

2019-05-26 17:10:41 | 政治

組織のトップの条件は、その組織自体の環境によって、大きく変わってくる。

大企業の管理職だった人が、引退して中小に降りてきても、なかなか上手くいかない場合が、多々あるが、それは人のレベルが下がったから、と(両者)思ってしまうがそうでもない。


大企業は、格下の企業相手にどうやって勝つか、などと考えているよりも、海外の動向、政界の動き、世の流れ等、業界規模を重視する。一定のパイさえあれば、その中の何パーセントは自社が取れる自信はあるから、業界の規模の方がずっと気になるわけだ。


一方で、中小はいかにして、ライバル社よりも、安く、早く、良いサービス(製品)を提供するかに、比重が置かれる。自社が含まれる業界全体の動向よりも、A社、B社の売り上げが気になる。もちろん不動の地位を築いている業界最大手にも製品自体は負けてはいない自負がある。


この様に、組織には、その規模やポジションによって、重視しているものが、まるで違う場合が、多々あり、同様に、トップに立つ人も、その集団の目的に見合った人が、立つ必要がある。


今日は、トランプ大統領が、来日し安倍首相とゴルフ会談をしている。両トップとも、内政では猛烈な批判を浴びながらも、支持率を維持し、外交では、先進国のリーダーとして各国に認められている。


アメリカは元からそうだが、日本も内政だけ満足にしていれば良い時代は、とっくに終わった。昔の自民党は、(ライバルの)アメリカ産業だけを見て一喜一憂していれば良かった。内政は農業を手厚く保護し、盤石の支持率を築きさえすれば、良かった。言ってみれば、中小企業のトップの様な人材が自民党では求められた。


しかし、東アジアの各国が、日本の経済成長を参考に、頭角を現し、外国はアメリカだけを気にしていれば良い時代は終わったが、自民党はそれでも自社の売り上げだけを重視する方針を維持した為に、路頭に迷う羽目にあった。


安倍首相は、この自民党の中小企業体質を、民主党ショックを逆利用し、大企業気質の人事に入れ替えていくことで、組織を改編し、何とか立ち直らせた。


よく、自民党の重鎮である政治家先生たちが、安倍政治を厳しく批判するが、その視点はどこまでも中小企業視点で、業界全体(世界全体)を見ている人はあまり見られない。


令和の新時代、安倍首相以降で求められる日本のトップは、その意味で、大企業のトップ気質の人が必須であり、さらに言えば世界全体の動向と指針が作れる人を求めたい。


そんな人、ほぼいないではないか、というのが現状だが、今の若い人たちで、安倍首相の様な政治をしてみたい、と思う人は、多いはずだ。そういう人たちが、2,30年後、官僚になり政治家になって初めて日本が、国としてリーダーシップが取れる意思が出始めるはずだ。