中島と堂安と南野が素晴らしかった。迷いがない、周囲へのパス出しよりもまずは自分の選択、リスクを恐れない、常にゴールへの道筋等々…。
日本は元々、中盤にタレントの集まる国だ。理由としては日本人のメンタルにある。MFは周囲と強調して責任を等配分し、連係を強みにする。
反対にフォワードやキーパーは、個人の技量が大きい。自分の能力で批判と称賛が一手に集まる。大きな仕事を個人でやる自信のある人(=性格)でないと難しい。
どちらが日本人に人気があるかは明確だ。
しかし、そうするとMFで個人技量があり野心もある様なゴールゲッタータイプはどうなるか。集団心理が働いて軽く孤立する事になる。チームからもサポーターからも。
これはクラスで話し相手がいないとか、いつもボッチ弁当とかそういうレベルではなく、集団に埋没するプレーに終始するプレーヤーでないと、試合中に浮いてしまうという、きつい流れになる。
従来の日本代表では、野心ある個性的プレーヤーが、FWかキーパーを選ばない限り、通用しにくい中盤の環境で「いかにして周囲と歩調を合わせるか」苦心するチームになる。
この見えない圧力は相当なもので、中盤で華やかなプレーをしそうな人材は、海外クラブで活躍しても代表ではダメ、という代表病にかかる。
そんな悪しき日本社会の鏡の様な代表であるから、メンバーの選定はサッカー技量よりも性格を重視した方が結果が出る事が結構ある。新代表の立ち上がりは、そのチームの性格を決定づけてしまう。伝統ある企業の社風がいつまで経っても変わらない様にチームも最初に国内の有望新人だけで、などと適当に選定すると、それが社風になり後戻りが効かない。
この観点から今の新代表を判断すると、最初にあげた「自分が決める」系の3人が生きる社風になっている。これは日本代表としては画期的だ。ロシア大会はハリル時代の息苦しい職場からの解放が功を奏した感があるが、今回は若い自由奔放な選手を周囲のベテランが上手にフォローする組み合わせになり、それが試合内容に現れている。
こう言ってはアレだが、長谷部、川島、本田が職場に与えていた影響は他の選手のメンタルに相当影響を与えていただろうな、と思わずにはいられない。