トリCのブログ

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NHK問題のタイムリミット

2019-11-03 14:53:42 | 社会

N国が出てきた事で、ようやくNHK問題が国民的話題になってきた。

N国自体は、山本太郎のところと大差ない、色物扱いだが、主張が明確で、ターゲットもはっきりしているだけに、このまま笑ってすませるわけにはいかないだろう。

ラジオやテレビは、始まった当初、もの凄い影響があると想定された。新聞が煽って戦争が始まるくらい、メディアの力は、政治家以上、軍隊と同等、くらい危険なものだった。

有権者を洗脳させる重要なツールだけに、メディアを操れる財力こそが、次の時代を制する。世の中の構造を知っていれば、誰もが野心を持っただろう。

民間の放送局は、沢山の人が視聴すれば、CM効果は絶大なのでスポンサーが大金をはたく。そうなると、企業によっては、一定の方向に世論を導いて自社の利益になるように、番組制作に圧力をかける。もしくは、制作サイドがスポンサーに気に入られる様に、そういう方向に番組を作る。

NHKは、全国民に色のついた情報を与えない様にする為に、政府と大富豪、から独立させる意味もあって、視聴料金を集める事で、一定の距離を保てた。大戦直後の昭和の時代は、これで良かったのだ。


現代に戻って、民間放送局はどうなったか。タダの情報配信がネット上に沢山ある上に、チャンネル数も激増、人の目に映っているのは大手テレビだけではなく、ゲーム機やスマホ、PCまでライバルとなった。つまり物理的に大手の民放を見ている人は、減ったし、今テレビを支えている高齢者が減れば、視聴率3%でも神番組、という時代がやがて来る。


この波は当然NHKにも来ている。民放は、視聴率が減れば、スポンサーがCM効果が低いと判断し、出す金が安くなる。製作費が減り、番組自体がつまらなくなり、更に視聴者離れを起こす。つまり金が減る、職員の給料が減る、人を雇えない、という極めて資本主義なパターンになる。人が金を落とさない商売は縮小に向かう。だから問題はない。しかしNHKは、視聴率0.1%でも集まる金は変わらない、と考えると大問題になる。


だからスクランブル放送にして、視聴率と同等の規模にすればいい、というのがN国の主張だ。

NHKの当初の目的は、全国民に色のついていない情報提供をする、という趣旨だったので、当然スクランブルなどもってのほか、と反論するだろう。かと言って、国民から徴収しておいて誰も見ていない、では説得力がない。結果、視聴料金を上げて民放より贅沢な予算で人を惹きつけるしかない。

が、現代社会では、どこかの情報機関(海外勢力)や、スポンサーの意向で視聴者を洗脳するのは、一極集中が不可能になった今、不可能になってきている。大手マスコミが総力を挙げて安倍政権を倒そうとしても、以前の様に世論が意図する方向に向きにくくなっているのは、要するにTVを見ている、新聞を読んでいる人が減った結果だ。


この傾向は、今度更に加速するはずで、であれば、NHKの存在意義は果たして必要なのか、と。N国は、キャラが立ち過ぎて、信用度が一般の人には、ゼロに近いが、後から振り返れば、あの政党がきっかけだったね、と言われるだろう。ただ、そういう政党が出ようが出まいが、NHK問題はいずれ決着を付けなければいけない。