そうそう、30年程前、まだまだ珍しかった、正規単独ロレックス専門店で、
セントかルイスかわからないが、セントルイスの背の高い眼鏡をかけた方によく似たオッサンが
私の16520の問い合わせに、
私:すみませんが、ステンレスのデイトナ(16520)ってありますか
セントルイス店長:あるよ。はいるよ。SSのディートナでしょ(地方の方言)。黒、白、どっち。白なら早いよ。
※たしかに、圧倒的に16520は黒が人気があったが、それでも並行新品で80~100万円以下で販売されていた。ちなみに正規の待ち時間は3~5年ほど。私には、ワインを寝かせるような気が遠くなるほどの時間であったと記憶する。
私:あっ無いならいいのです。別に(えらそーに。田舎もんめ)
セントルイス店長:…
誇らしげに、当時都内でも見かけることは少なかった、エクスプローラーやGMTが並んでいた。
確か16520は50万円に消費税3%だっただろうか。
空港に向かう車中で、そのセントルイス店長が〝ローレックス、ローレックス〟、〝ディートナ・ディートナ〟、〝カルチェ。カルチェ〟と連呼し
ていたことを思い出す。
この地方都市の中古ブランド販売店で客同士の一方が〝このエルジンってよ、完全ダイバーなんだぜッ〟という
言っている意味はわかるが、そんな日本語は無いんだぜ、と思いつつ、ラーメンを喰って帰った若い時分をひょんなときに思い出す。
〝ローレックス、ディートナ、カルチェ、そして完全ダイバー〟
1996年、いま手帳を見返して思い出す、なつかしくもキモい、ロレックス熱が一部で混沌とするずっと前の時代であった。
この後2年後、第一波のロレックスブーマーの時代が2年ほど続く。