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てらまち・ねっと



 以前から全国的な「育鵬社版」の教科書を使うかどうかの問題。
 沖縄県八重山の竹富町が、自律的に教科書を選択している。
 何も悪いと思わないけれど、安倍政権は「絶対、許さない」という考え。

 八重山地区では、使用教科書を検討する採択地区協議会が育鵬社版の採択を答申。
 石垣市と与那国町はそのまま受け入れ。
 竹富町は「手順がおかしく、答申にも法的拘束力はない」として、別の法律に基づく見解として東京書籍版の教科書を独自に採択。
 しかも、無償給付されないため、教科書を寄付金で購入し使用している。

 育鵬社版を使わない理由は、沖縄戦のときの八重山地区での「集団自決」に日本軍が関与したことを明記していない、沖縄の米軍基地負担にあまり触れていないなど。
 もともと、愛国心を強調し保守色が強いとされる育鵬社の教科書をめぐって各地で反発がある。

 今回の問題は、右傾的な「育鵬社」の教科書を採用する自治体に対して、その教科書を採用しないで「自費で別の教科書」を配布する自治体への政府の圧力。

 この教科書問題が発生した時の民主党政権は、別の教科書の採択を「無効とはできない」。
 政権交代して、安倍政権は違法状態だとして「竹富町に採択のやり直しを要求」。

 教科書の採択制度の問題、検定制度の問題、意図的な教科書の問題、それらも背景にあるのだろう。

 ともかく、政権交代の影響の典型の一つ。
 沖縄の八重山地域での教科書問題のトラブルに対して、昨2013年10月、文科省の介入が行われた。
 それでも従わないし、県教委も慎重姿勢。

 そこで、政府は、今年2月に閣議決定。
 《複数の市町村で構成する教科書共同採択地区内での協議の手続きを明確化した教科書無償措置法改正案を閣議決定。
 15年度の教科書採択で同町教委が自主判断で教科書を選定できないよう法的な縛りをかける狙いがある》
(琉球新報)

 法律改正して強硬に従わせようという政権。
 さらに、文部科学省は昨日14日、使用教科書の変更を促すため、地方自治法に基づく是正要求を出した。
 国が市町村に是正要求するのは全国で初めてだという。

 竹富町教委は、既に教科書が発注済みであることなどを理由に2014年度も町独自に採択した教科書を使い続けるという。
 沖縄の人は気骨がある。

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 以前にもブログでとりあげた。まず、前提の理解のために、一部を再掲。
   
 ● 育鵬社 
        「新しい歴史教科書をつくる会から袂を別った『教科書改善の会』が新たに出版する教科書の版元として、
         2007年8月1日に設立した。扶桑社の100パーセント出資の子会社」 
           (ウィキペディア)では

 ● 東京書籍 
        「日本における教科書出版の最大手として有名だが、ほかにも学習参考書やそれ以外の一般書籍も多く出版するなど、
         事業領域は幅広い。凸版印刷グループの連結決算対象企業。」
           (ウィキペディア)では


 ●沖縄・八重山の教科書問題って何?/いきさつと論点は
        THE PAGE(ザ・ページ)2013.10.9
[図表] 沖縄・八重山の教科書問題

 沖縄県の石垣市と八重山郡(竹富町、与那国町)の3市町で構成される八重山地区では、3市町の間で中学公民教科書の採択結果が割れ、竹富町のみ国の無償給付でない教科書が使われています。文部科学省は竹富町に対し、地方自治法に基づく是正要求を出す方針を固めました。何が、どういう経緯で問題になっているのでしょうか。

 問題の発端は、2011年夏にさかのぼります。八重山地区では、使用教科書を検討する採択地区協議会が育鵬社版の採択を答申し、石垣市と与那国町はこれに従いました。
しかし竹富町は「手順がおかしく、答申にも法的拘束力はない」として東京書籍版の教科書を独自に採択。無償給付されないため、教科書を寄付金で購入し、使用しているのです。

 保守色が強いとされる育鵬社の教科書をめぐっては、沖縄の米軍基地負担にあまり触れていないなどとして、同県内で反発の声が上がった経緯もありました。

背景に法律の矛盾も
 こうした問題が起こる背景には、法律の矛盾もあります。教科書無償措置法は近隣市区町村でつくる「採択地区」内では同じ教科書を使うと定めていますが、地方教育行政法は各市町村に採択権限を与えているからです。竹富町の教育委員会も地方教育行政法を根拠に東京書籍版を選択しました。

 国の是正要求は教育行政としては初めての措置で、地方の教科書選定をめぐって国が法的措置に踏み切るという異例の事態になると報道されています。竹富町が是正要求に従わない場合は、文科省が違法確認訴訟の提起も検討するとも言われており、地元紙などでは「教育に対するあからさまな政治介入というほかなく、文科省は是正要求の方針を直ちに撤回すべきだ」(10/3付、沖縄タイムス社説)などと批判されています。

 この教科書問題が発生した時の民主党政権は、「竹富町の採択を無効とはできない」という考えを示していました。しかし、自民党の安倍政権は違法状態を認めず、竹富町に採択のやり直しを求めてきました。

 愛国心を育む教育などで「美しい国」づくりを目指す安倍政権にとって、竹富町が採択を拒否した保守色の強い「育鵬社」と、すでに同町が配布した「東京書籍」の教科書のどちらが望ましいかについて、記者からの質問を受けた下村文科相は、「コメントする立場にない」と述べ、言及を避けたと伝えられています。



●教科書は採択地区内で統一 無償措置法改定を閣議決定
          琉球新報 2014年3月1日
 【東京】八重山教科書問題をめぐり、政府は28日、複数の市町村で構成する教科書共同採択地区内で、教科書採択に係る協議の手続きを明確化した教科書無償措置法改正案を閣議決定した。市町村教育委員会は教科書の採択理由を公表するよう努めるとの規定も盛り込んだ。2015年度の教科書採択から適用される見込み。

 竹富町は、採択権限が教育委員会にあるとした地方教育行政法(地教行法)を根拠に教科書を自主採択していたが、今回の法改定は「採択地区協議会の協議の結果に基づき、同一の教科書を採択する」ことを盛り込んでおり、15年度の教科書採択で同町教委が自主判断で教科書を選定できないよう法的な縛りをかける狙いがあるとみられる。

 無償措置法改正案は開会中の通常国会に提出される見通し。

 教科書無償措置法は、同じ地区内で教科書を統一するよう定めている一方、地教行法では採択権限は各教育委員会にあるとしており、相反する2法の解釈をめぐって竹富町と文部科学省で意見が分かれている。

 八重山採択地区協議会が選定した教科書を竹富町教委が採択しなかった問題を機に、下村博文文科相は「共同採択のルールを明確化し、こうした問題が発生しないようにしたい」と改定する方針を示していた。

 今回の改定は採択地区の設定単位を「市町村」に柔軟化することも盛り込まれたが、八重山採択地区協議会の分割について文科省は「十分に教科書の調査研究が可能かどうかを踏まえれば、八重山地区は一つの地区として設定すべきだ」と分割方針を否定している。

 今回の改定は、(1)採択地区内の各市町村による協議会の設置(2)教育委員会は協議の結果に基づき、同一の教科書を採択―を義務付けた。協議会の組織や運営については、政令で定める。

 下村氏は28日の記者会見で「教科書採択制度の改善のため、共同採択地区の市町村教委の協議方法に関する規定の整備、採択結果と理由の公表について定めた。速やかな成立に向けて努力したい」と述べた。

 竹富町は、石垣市と与那国町とで構成する八重山採択地区協議会で選定した育鵬社版の中学公民教科書について、協議会の運営方法に問題があるなどとして拒否し、東京書籍版を使用している。

●文科省、竹富町に是正要求 公民教科書採択 全国初の強硬措置
  東京 2014年3月14日
 文部科学省は十四日、周辺二市町とつくる教科書の採択地区協議会が選んだ中学公民教科書の使用を拒否し、別の教科書を使っている沖縄県竹富町教育委員会に対し、使用教科書の変更を促すため、地方自治法に基づく是正要求を出した。文科省によると、国が市町村に是正要求するのは全国で初めて。

 地方教育行政法では、公立の小中学校で使う教科書の採択権は、各市町村の教育委員会にある。一方で、教科書無償措置法は、複数の市町村でつくる採択地区の協議会が採択した同一の教科書を使うと規定している。

 八重山採択地区協議会(沖縄県石垣市、竹富町、与那国町)は二〇一一年八月、保守色の強い育鵬社の教科書を選定した。しかし、竹富町教委は、沖縄の米軍基地負担が十分に触れられていないことなどを理由に、東京書籍の教科書を独自に採択。教科書無償措置法の規定で無償給付の対象にならないため、民間からの寄付金で教科書を購入し、生徒に配布してきた。

 文科省は一一年九月から、竹富町教委などに対して繰り返し指導してきた。昨年十月には沖縄県教育委員会に対し、竹富町教委への是正要求をするよう指示したが、県教委は是正要求をしてこなかった。文科省は、新年度が迫っていることから、竹富町教委への直接の是正要求に踏み切った。だが、是正要求を受けた自治体側は、対応を見直す法的義務を負うものの、従わなくても罰則もない。

●竹富町、14年度も独自教科書 文科省の是正要求に 
     西日本 2014年03月14日
 採択地区協議会が選んだ中学公民教科書を拒否したのは違法として文部科学省が出した是正要求について、沖縄県竹富町教育委員会の慶田盛安三教育長は14日、記者会見し、既に教科書が発注済みであることなどを理由に2014年度も町独自に採択した教科書を使い続ける意向を表明した。

 一方、是正要求自体への公式な対応は24日の教育委員会定例会で協議する。
 慶田盛教育長は、独自採択した東京書籍版が既に発注されている状況を説明し「4月からは今準備しているものを使うことになる」と述べた。
 一方、菅義偉官房長官は記者会見で、政治介入には当たらないとの認識を示した。

●教科書採択:初の是正要求 にじむ教育の国家主導
         毎日新聞 2014年03月14日 
沖縄県竹富町教育委員会が八重山採択地区協議会(石垣市、竹富町、与那国町)の決定とは異なる中学公民教科書を使用している問題で、下村博文文部科学相は14日、地方自治法に基づき、竹富町教委に対して地区協決定の教科書を使うよう是正要求した。この「直接是正要求」を出した背景には、国家主導で教育政策を進めたい安倍政権の意向もある。

 市区町村への是正要求は本来、都道府県を通じて実施する仕組みだ。国家権力が小さな自治体を追い詰める事態を避けるためで、国が直接要求できるのは「緊急事態」に限られる。それでも文科省が直接要求に至ったのは、2013年3月に義家弘介政務官(当時)が竹富町に出向き、採択地区協議会の決定に従うよう指導した経緯に象徴される「国による教育政策の主導姿勢」がある。
文科省はその後も繰り返し指導したが、国の方針と地元事情の板挟みとなった沖縄県教委が判断できず、留保するしかなかった。文科省はこれを「緊急事態」と判断し「振り上げた拳」の置き場として、直接要求を選んだ。

 一方で、こうした動きに抑制的な動きもある。今国会で審議予定の教育委員会改革関連法案では、自民党と公明党の協議で、国の関与強化は、いじめ自殺などの場合に限定された。今回のような「国権発動」は地方自治体への「脅し」との批判も免れない。政府には今後も慎重な判断が求められる。【福田隆】

●竹富町、「圧力」に反発と戸惑い
       ロイター 【共同通信】 2014年 03月 14日
 中学公民教科書の採択問題で文部科学省が14日、沖縄県竹富町教育委員会に是正要求したことに対し、地元の関係者からは、強硬姿勢への反発と戸惑いの声が相次いだ。

 竹富町教委が採択を拒否した育鵬社版教科書の使用に反対する近隣市町の住民団体「住民の視点から教科書をえらぶ会」の新垣重雄共同代表は「国は圧力をかければ何とかなると思ったのではないか」と語気を強めて反発。「是正要求は何の打開策にもならない。今の教科書で現場は何も混乱がないのに」と話した。

 竹富町の慶田盛安三教育長は「政治介入だ。新年度の準備で忙しい時期にするとは考えられない」と戸惑いの表情を浮かべた。

 (このブログの関連エントリー) 2011年11月29日 ⇒ ◆育鵬社版の教科書押しつけで八重山住民が反発/教科書検定/採択制度

 2013年10月19日 ⇒ ◆文科省/教科書採択で初の是正要求 沖縄・竹富町/政権交代で政治介入へ



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