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てらまち・ねっと



 一昨日、住民監査請求した。
 問題は、市が下水道事業を進めているのだから、市の施設も下水に接続するのは当然なのに、市はツナイでいないというわけのわからない話。

 簡潔に言うと、「下水道が供用開始された場合、3年位以内に下水につなぐことが法令で定められているけれど、山県市の公共施設の一部は、違法なことに4年以上放置されている。浄化槽の維持費として業者に払っているお金と、下水につないだ時の下水使用量との差額は、市の損害。その損害は市長個人らが市に返せ」
 計算では1300万円ほど。

 昨年来調べてみると、どうも、業者保護の法律があるからその範囲の便宜は当然として、実態は、自治体が業者に過剰に”補償”しているらしい。  問題点は2つ。

 問題点-1 法令規定を超える過剰な便宜供与「下水の未接続によって損害が発生している」
 問題点-2 =「随意契約による業務委託は違法で損害が発生している」

 しかも、岐阜県内ばかりでなく全国的に同様の問題が存在していることがうかがえる。

 12月議会で一般質問した。
 そしたら、今回発表された新年度予算には、未接続の施設のうち、1/4程度を接続する予算はついていた。
 裏返せば、残りは「放置する」というわけ。
 行政が「自らの違法状態を継続すること」は許されないし、実際に損害があるから、市長個人には返してもらうしかない。
 そんな住民監査請求。

 住民監査請求書の提出時のマスコミレクチャーでは、質問されたので「監査結果に納得できない場合は、住民訴訟として裁判所の判断を求めるつもり」

 印刷用データもWebページに載せたので、ブログには、住民監査請求関係の書類や、昨年の12月議会の一般質問の質問と答弁、今回の議会の一般質問の通告文などにリンクを付けておく。

 そこで、まず、今回の山県市の損害の味方の表の説明。
「山県市の公共施設合併処理浄化槽の4年以上の下水道未接続による損害額」の表


(写真をクリックすると拡大)

山県市庁舎の合併浄化槽は「775人」分の処理設備である。
庁舎周辺の下水道の供用開始は「平成20年」である。
しかし、市役所は接続していない=「×」。
下水道法や市の条例で3年以内に接続すべしとしているけれど、「6」年接続していない。

この浄化槽の維持管理費は541万6千円/年間を業者に払っている。
下水に接続したときの下水使用量は、水道使用量から推定できるところ、189万5千円/年間である。
下水に接続していないことで、差引352万1千円の損害が1年間で生じている。
違法な4年目、5年目、6年目の損害合計は1056万3千円である。


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(印刷用データ)⇒★ ◆2014年2月26日 住民監査請求書の本文 印刷用PDF4ページ 323KB

  ★ ◆同/ 住民監査請求書の事実証明書 印刷用PDF1ページ 81KB

 最初に問題にした昨年2013年12月議会のデータ
  ★ 山県市議会公式Webページ ⇒平成25年第4回 11月26日開会 山県市議会定例会会議録
  
 本件の一般質問の部分(56ページ~63ページ)を抜粋したデータ
  ★ ◆ 山県市議会定例会会議録56ページ~63ページを抜粋 印刷用PDF7 ページ 313KB

  ★ 先日通告した3月議会の一般質問 公共施設の下水未接続を放置してよいのか/答弁者 市長 
 

以下、住民監査請求の一式 ↓
山県市の公共施設浄化槽の下水未接続放置にかかる住民監査請求書
(山県市職員措置請求書)

《請求の趣旨》
山県市が公共施施設の合併浄化槽を下水に接続していないことは違法であるから、その是正と損害の回復などのために監査委員に次の措置を求める。
1.9施設の下水未接続状態は怠る事実として違法であるとの勧告。

2.市が市長個人及び相手方業者に対して、4年以上未接続施設にかかる損害の合計額である1341万4千円の賠償を求めていないことは怠る事実して違法であるとの勧告。

3.(1)市長個人に対して、同損害合計額1341万4千円を賠償せよとの勧告。
  (2)相手方業者らは市に対して損害賠償責任、不当利得返還責任があるから、1341万4千円を返還せよとの勧告。
4. 未接続の9施設につき、今後は、当該施設の維持費を市が支出してはならないとの勧告。

《請求の要旨及び理由》
第1 状況や背景説明
1. 事案の背景
 下水道の整備等にともなう急激な「し尿収集・運搬」の減少により経営業務に打撃を受ける「し尿処理業」等(し尿運搬業者・浄化槽清掃業者)について、業者への支援策をとるという目的で、国は、1975年(昭和50年)5月に、「下水道の整備等に伴う一般廃棄物等の合理化に関する特別措置法」(以下、「合特法」という)を制定した。  
業者の経営の近代化、規模の適正化を図るための計画を策定し、措置をとることで、し尿及びし尿汚泥の適正な処理に資するためである。

2003年(H5年)ごろ、岐阜県庁をたくさんのバキュームカーが取り囲み、県内の住宅や施設の汲み取り業務などが全県的に1か月ほど行えなくなったことは衝撃的だった。

岐阜県は、同年8月に、当時の衛生環境部長・農政部長・土木部長の3部長名で、「下水道整備等に伴う合理化基本方針」という通知文を出し、各市町村に合理化事業計画の策定補償の実施、補償の方法、代替業務例などを示した。各市町村は、これを受けて2005年(H7年)から2007年(H9年)ごろにかけて、業者と協定を結んでいった。

このような経過で業者への”補償”が続けられている。が、過剰な状況が存在する。
問題点は、「法令規定を超える過剰な便宜供与=下水の未接続によって損害が発生している」「随意契約による業務委託は違法で損害が発生している」である。
岐阜県内ばかりでなく全国的に同様の問題が存在していることがうかがえる。

2. 山県市の現状
公共下水道の整備にともなって、下水道の対象区域が広がっている。
下水道法及び山県市下水道条例は、公共下水道の供用が開始された場合、「3年以内に下水へ接続すること」を義務付けている。そこで、山県市は、公共下水の管路工事が完了した地域の順に、該当エリアの市民には、「供用開始から3年以内に下水へ接続すること」を求めている。チラシも配布して周知している。経済的困窮世帯、高齢世帯も例外ない。
他方で、「公共下水道エリア」における山県市の公共施設の浄化槽9件は、地域の下水供用開始後「4年から6年」経過しても接続していない。

3. 本件協定
 情報公開で取得した協定は、当初は「高富町における合理化問題に関する協定書」(H8年12月5日)の三者協定である。それを前提に、「山県市下水道整備に伴う事業転換計画」(H19年3月/日本環境クリーン株式会社)(「当社と連帯責務者である岐阜県環境整備事業協同組合は合理化事業転換業務を受託する」との旨の明記)され、併せて「合理化協定に基づく合理化事業計画見直し確認書」(H19年3月27日)(甲・山県市長、乙・日本環境クリーン株式会社、丙・岐阜県環境整備事業協同組合)が結ばれている。さらに、「合理化協定に基づく合理化事業計画中間見直し確認書」(H23年2月2日)が結ばれている。(以下、一括して「協定」という)。
協定は、簡潔に言えば、業者の仕事の確保として相応の業務を委託することの約束である。

4. 市は未接続の大部分を放置する方針
この未接続問題について、先の12月議会の一般質問で「下水道法及び山県市下水道条例に違反している」と私が見解を尋ねたところ、市長は「未接続は適切ではない」、副市長は「未接続の状況は適当でない」との旨を答弁した。
 それにもかかわらず、今回の3月議会に提案されている新年度予算では、ごく一部しか接続が予定されていない。小規模な6施設だけであり、浄化処理予定人員で見れば、約1600人のうち1/4程度、約400人分だけである。
よって、監査委員に的確な判断を求めるしかない。

第2 「怠る事実」である
下水道法及び市下水道条例に違反して、9施設につき「4年以上、下水に接続していない」ことは、地方自治法242条1項で規定する違法な「財産の管理を怠る事実」に該当する。
 また、当該「怠る事実」によって生じた金銭的損害1341万4千円の回復を放置していることも同1項の違法な「債権の管理を怠る事実」である。なお、事実証明書の損害額がマイナスとなっている2件を除けば、損害額は1408万円である。

第3 「怠る事実」が許されない理由や違法性
1. 下水道法及び山県市下水道条例違反
 下水道法は、第10条で「公共下水道の供用が開始された場合、遅滞なく、下水を公共下水道に流入させる排水管を設置しなければならない。」とし、第11条の3で「公示の下水処理開始日から3年以内に、その便所を水洗便所(汚水管が公共下水道に連結されたものに限る)に改造しなければならない。」としている。3年を経過してもなお市の合併浄化槽を下水に接続していない事実は、前記の両規定に違反している。
市長が提案して成立した山県市下水道条例第4条は「公共下水道の供用開始の日において排水設備を設置すべき者は、当該日から3年以内に当該排水設備を設置しなければならない」と下水道法より明快、つまり厳格であるところ、市自ら同条例に違反している。

2. 合特法違反
合特法による代替業務は、過剰に発生させる必要はなく、バランスが保たれた状態であれば良いのだから、山県市の公共施設の未接続を適法とする理由にはならない。市の現在の代替業務発注は合特法の趣旨を越えており、職員に許された裁量の逸脱として違法である。
これは、下記判例などからも明らかである。

(1)「随意契約は違法」 伊万里市長に百万円支払い命令。支援の必要性自体を否定
「・・裁判長は、合特法による支援について『随意契約を選択する場合、他の支援方法に比べ、その必要性は厳格に審査されなければならない』と強調。その上で『し尿処理量は減少せず、業者の収入も増加しており、下水道の供用によって業者が打撃を被ったとは言えない』とし、支援の必要性自体を否定した。」(佐賀新聞 2011年1月21日)

 (2)業者(原告)が阿久根市による他の業者の許可の取消を求めた裁判
「合特法の立法趣旨に照らせば、同法は既存の許可業者の個別の経済的利益をも保護するものではあるが、・・受ける著しい影響を緩和するという限度での利益保護に限られるというべき。」「関連法令たる合特法の趣旨及び目的を参酌したとしてもなお・・既存の許可業者の経済的利益を広く保護する趣旨に出たものと解することはできない」(鹿児島地裁民事第1部)

 (3)浄化センター維持管理業務を随契すれば地方自治法違反の可能性大
「(合特法で)市町村が支援するか否か、支援するとしてどのような内容の措置を講ずるかは・・市町村が裁量で決定できる」「維持管理業務を随意契約の方式により締結すれば、地方自治法第234条第2項、同法施行令に違反することとなる可能性が大きい」(福岡高裁H17年12月22日判決・判例地方自治281号61頁等)/松阪市監査委員の意見書より

3. 本件協定は地方自治法違反
地方自治法第2条は14項で「地方公共団体は、その事務を処理するに当っては・・最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない」とし、同16項は「地方公共団体は、法令に違反してその事務を処理してはならない」としている。
市の本件怠る事実は、下水道法、山県市下水道条例、合特法違反であり、合理的な根拠なく不当に過剰な業務提供を約束した本件協定は、前記14項に違反した協定であるから、本件に係る市の事務処理は前記16項に違反している。

4. そもそも本件協定は無効
同17項で「前項の規定に違反して行った地方公共団体の行為は、これを無効とする」とされていることから、そもそも本件協定は無効であった。少なくとも、過剰部分に効力はない。

5. 債権の放置は許されない
未接続によって、市に生じた損害の回復を怠ることは、地方自治法242条1項で規定する違法な「債権の管理を怠る事実」である。市が本件損害の回復を怠ることは許されない。
「地方公共団体が有する債権の管理について定める地方自治法240条、同法施行令171条ないし171条の7までの規定によれば、客観的に存在する債権を理由もなく放置したり免除したりすることは許されず、原則として、地方公共団体の長にその行使又は不行使について裁量はない」(最高裁H16年4月23日第2小法廷判決/H12年(行ヒ)246号)

第4 山県市の損害と関係者 
1. 市の損害
 未接続の9つの合併浄化槽施設の年間の維持費は986万円、下水に接続したときの下水使用料予測は526万9千円であるから、未接続によって毎年459万1千円の損害が市に発生している。4年以上未接続施設の損害合計額は1341万4千円である。
なお、げんき広場の2件の維持費と使用料は庁舎に含まれているとして明らかにされていないので、正確な金額は監査委員による特定を待つしかない。

2. 関係者と責任の所在
(1)談合などの事案では、主として業者側に責任が遍よるが、本件のように「協定」があるケースにおいては、責任は市及び協定相手方の双方にあるというべきである。

(2)市の2014年度の新年度予算では、市民税の歳入増を見込み、借金である起債残高は大幅に減少するとし、市長の提案説明では「積極的な予算編成に努めた」と表明された。即ち、財政的には、本件の浄化槽撤去を含む接続予算を組むことが容易にできたのは明らかだ。
しかも、先の12月議会答弁で「未接続は適切ではない」としたのだから、市長の故意・過失責任は格段に重くなった。

3. 未接続が放置されることで生ずる今後の損害も、順次、怠る事実と認識されてくる。

第5 本件住民監査請求には1年ルールの適用がない
本件怠る事実は、三者協定の背景の威圧等に因る不法行為に基づくものである。
不法行為に基づく怠る事実(真正怠る事実)には、地方自治法第242条2項「前項の規定による請求は、当該行為のあった日又は終わった日から一年を経過したときは、これをすることができない」とのいわゆる「1年ルール」の適用がないことは確定している。怠る事実が継続している限り住民監査請求の対象である。これは、以下の最高裁判決に照らして明白である。

「本件監査請求を遂げるためには、監査委員は、県が請負契約や代金額が不当に高いか否かを検討せざるを得ないが、契約締結や代金額の決定が財務会計法規に違反するとされて初めて損害賠償請求権が発生するのではなく、談合に基づく入札と契約が不法行為法上違法の評価を受け、これにより損害が発生したことなどを確定しさえすれば足りるから、本件監査請求は契約を対象とする監査請求を含むものとみざるを得ないものではないから、本件規定の適用がない。」(最高裁第3小法廷H14年7月2日判決/H12年(行ヒ)第51号)

「本件監査請求中上記怠る事実について監査を遂げるためには、監査委員は、被上告会社9社について上記行為が認められ、それが不法行為法上違法の評価を受けるものであるかどうか、これにより県に損害が発生したといえるかどうかなどを確定しさえすれば足りる。」(最高裁第1小法廷判決H14年10月3日/H9年(行ツ)第62号)
                                      以上
《請求者》 岐阜県山県市西深瀬208-1  山県市議会議員   (寺町知正 印)

 以上、法第242条第1項により、事実証明書を添えて、必要な措置を請求します。
                              2014年2月26日
 岐阜県山県市監査委員 各位 

《別紙事実証明書》 ◎「山県市の公共施設合併処理浄化槽の4年以上の下水道未接続による損害額」の表



(写真をクリックすると拡大)

コメント ( 6 ) | Trackback ( )



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コメント
 
 
 
住民監査請求 (木村康一)
2014-03-05 10:09:51
勇気ある行動賛同します。私も住民監査請求を検討していますが、寺町さんは回答に納得いかない場合は住民訴訟をされるということですが、弁護士を頼まずご自分で訴訟されるのでしょうかお教えいただきましたら幸いです。又、監査請求する場合ですが、事前にマスコミに連絡したほうがよいでしょうか?それとも行政側が自動的にマスコミに伝えるのでしょうか?ご面倒ですがよろしくお願いいたします。
 
 
 
すばらしい! (●てらまち)
2014-03-08 08:01:25
★木村さん、おはようございます。

>私も住民監査請求を検討しています

それは素晴らしい!!

私は、住民訴訟するつもりです。本人訴訟です。

住民監査請求は住民側が行うことですから、役所は関知しませんので、マスコミには、こちらが案内を出しています。
役所に記者クラブがあれば、そこと連絡をとればよいです。
 
 
 
住民訴訟 (木村)
2014-03-09 22:08:02
ご指導心から御礼いたします。

住民訴訟(本人訴訟)ですが、素人でもわかりやすい本があればお教えいただきましたら幸せです。ご面倒ですがよろしくお願いいたします。
 
 
 
書籍 (●てらまち)
2014-03-14 05:23:07
★木村さん、返信が遅くなって済みません。

本人訴訟をお考えなら、下記の本をお勧めします。

「住民訴訟の上手な対処法」(監査請求から訴訟までの理論と実務) (秋田 仁志, 井上 元)
 
 
 
著書の件 (木村康一)
2014-03-14 10:56:56
ありがとうございます。早速図書館で借りることにしました。3月議会の最中にお手間をかけます。今後は自治体財政、入札なども猛勉強したく思います。

議員、行政職員と同じレベルで協議できることを楽しみにしています。いつか寺町様とお会いできる日も来るかもしれません。その時までにレベルを上げていきたいと思っています。ご活躍心よりお祈りいたします。
 
 
 
しっかりと (●てらまち)
2014-03-19 18:40:07
★木村さん、

>今後は自治体財政、入札なども猛勉強したく思います。

頑張ってください。

>議員、行政職員と同じレベルで協議できることを楽しみにしています。いつか寺町様とお会いできる日も来るかもしれません。

その時を楽しみにします。
 
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