きのう岐阜地裁でかった住民訴訟の判決。
簡単に言うと、判決は、85%を認めてくれたもの。
判決の12項の訴訟費用は双方とも支払う習慣のない空文句だけど、ま、ここも85%が被告負担の計算。
判決の主文は ⇒ ◆岐阜県海津のカラ渡船・委託料の住民訴訟、勝った!それも大部分が認められた。気持ちいい判決文
判決はとてもすっきりしていいもの。こういう綺麗な判決だと控訴しにくいはず。
新聞記事で驚いたのは、地元はやめたかったけど県がやめさせてくれなかった、という部分。
大金はちゃんと県から渡っている。仕事していなかったんなら、誰が理由のないお金を懐に入れたのだろう??
裏金の世界に通じるのだろうか。
人気ブログランキング→→←←ワン・クリック10点
(どの写真もクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大
6月1日 読売 ●
渡船運航実績なし、海津市などに委託料1910万返還命
岐阜県が同県海津市に委託している長良川の県営の渡し船が、ほとんど運航されていないにもかかわらず、県が委託料を支払ったのは地方自治法などに違反するとして、市民グループ「くらし・しぜん・いのち 岐阜県民ネットワーク」(事務局=寺町知正・山県市議)のメンバー10人が、梶原拓前知事や海津市などを相手取り、1995年から99年までの5年間に支出した委託料約2200万円の返還を求めていた住民訴訟の判決が31日、岐阜地裁であった。
筏津順子裁判長(野村高弘裁判長代読)は梶原前知事への請求は却下したが、海津市や渡船組合長らに対して「運航実績がない」として、1910万円を県に返還するよう命じた。
判決などによると、岐阜県は55年ごろ、旧海津町(現・海津市)の日原、森下で行われていた二つの渡し船の営業を「県道」として認定した。しかし、その後、近くに橋が出来るなどして交通の便が良くなったため、2ルートの渡し船の利用者はほとんどいなくなり、海津市から委託された地元の渡船組合の船頭も、船着場に待機しなくなった。ところが、海津市と渡船組合は、業務を一年中行っていたと県に報告し、県も委託料を支払い続けていた。(2007年5月31日16時57分 読売新聞)
● ずさんな管理実態 県、公金意識の欠如明らか 6月1日 読売
ほとんど利用されていない長良川の県営渡船事業を巡り、県から委託料を受け取っていた海津市や渡船組合らに対し、原告の主張をほぼ認めた約1900万円を県に返還するよう命じた岐阜地裁の判決。原告の市民グループ「くらし・しぜん・いのち 県民ネットワーク」の寺町知正・山県市議らは31日、判決後に岐阜市内で記者会見を開き、「県庁の裏金問題でも明らかなように、県は隠せるものは最後まで隠し通すという体質がある」と批判した。
県営渡船は、定時に運航しておらず、ほとんど利用者がいないことから、寺町市議は「船の維持費などを考えたら廃止すべきだ」と指摘した。
寺町市議は「県は公金支出に対する意識をしっかりと持ち、県民がチェックしなくても大丈夫なように、職員の道徳観を高めてほしい」と苦言を呈した。
{解説} ずさんな管理実態が司法の場で明らかになった海津市の長良川の県営渡船委託事業。判決は、市や渡船組合のみならず、監督責任がある県の公金意識の欠如を明確にしたといえる。
判決では、地元の渡船組合の船頭が船着き場に常駐していなかったことや、運航日誌には乗員数や運航回数などが虚偽記載されていたことなどが認定された。県は十分な調査をせず、委託料を払い続けるなど「公金」という意識があったとは思えない。
民間会社では、採算の取れない事業をそのまま放置することは許されない。県庁では昨年、裏金が問題となり、支出を透明化し、無駄をなくすことが確認された。この判決は、県をはじめ、あらゆる自治体が税金の使い道を見直すための教訓とすべきだ。(天野雄介)(2007年6月1日 読売新聞)
6月1日 毎日
● 長良川渡船過剰公金:認定、県の怠慢厳しく批判 原告「支出見直しを」 /岐阜
県が海津市(旧海津町)に委託した長良川の渡船へ過剰な公金が支払われていたと、岐阜地裁判決が31日、ずさんでムダな公金支出の実態を認定した。歴代の県土木事務所長らを「市の不法行為を漫然と見逃していた」と厳しく批判。原告の「くらし・しぜん・いのち岐阜県民ネットワーク」側の主張はほぼ認められ、寺町知正・山県市議(53)らメンバーは記者会見で「県職員一人一人はモラルを守ってほしい。今後、県がどうするのか注目したい」と、判決を機に襟を正すよう望んだ。
判決は、渡船の業務日誌の記載が偽っており、県も虚偽記載と知りながら旧海津町や日原渡船、森下渡船の2組合に公金を支払っていたと認めた。ウソだと気付きながら慣習などに従って県民の税金をムダに垂れ流してきた県。その体質に対し、寺町さんは「県は、公金支出のあり方を見直すべきだ。実態のないこと、裏金づくりのようなことをしてはいけないと、裁判所から言われたようなものだ」と、根は県庁の裏金に通じていることを指摘した。
01年5月に渡船組合側から和解の申し出があり、04年12月にも裁判所が和解を原告、被告双方に示した。だが、同ネットワークはいずれも拒否した。県の体質を変えるために「どうしても勝訴がほしかった」からだったという。提訴から8年かかって手に入れた判決。裏金問題を機に体質を変えようとしている県にとって「判決は、大きな意義がある」と、寺町さんはいう。
二つの渡船は、現在も運航されている。同ネットワークは「今後も渡船を運航するべきかどうかについても、検討する必要がある」と、渡船の廃止も視野に入れた県の論議を期待した。【鈴木敬子】毎日新聞 2007年6月1日
6月1日 岐阜
● 県営渡船で不当支出 1910万円支払い命令
海津市海津町の長良川の県営渡船について、業務実態がない「カラ業務」があり、県の委託料が当時の旧海津郡海津町などに不当に支出されたとして、住民グループ代表ら10人が、梶原拓前知事や海津市などを相手取り、1999(平成11)年度まで5年分の委託料約2200万円の返還などを求めた訴訟の判決言い渡しが31日、岐阜地裁であった。筏津順子裁判長(野村高弘裁判長代読)は、原告の請求をほぼ認め、梶原前知事を除く被告側に、約1910万円の支払いを命じた。
「くらし・しぜん・いのち県民ネットワーク」事務局の寺町知正山県市議らが、99年8月に提訴した。
訴状などによると、対象となったのは海津市海津町の組合が運営する日原、森下の2渡船で、返還を求めたのは県が旧町を通じ組合に支払った99年度まで5年分の委託料。利用客が減少している上、船頭が常駐しない渡船事業に対し、運行実績に関わらず委託料を定めて前払いした県の「総額方式」の支出は不当で、カラの業務費が計上されたとしている。
訴訟では、県が98年度まで実施した総額方式の支出や旧町の委託料請求などの正当性が争点となった。原告側は「船頭が常駐しない渡船に、実績無視の委託料が払われたのは不当。旧町も実態を知りつつ県に虚偽報告していた」などと主張。
一方、被告側は「『県道』として常時通行可能な状態を保っており委託料は正当」とし「船頭は常駐してないが乗船客を把握すれば30分で渡船を運行できる態勢だった」と反論していた。地裁から和解勧告もあったが、判決に至った。
2渡船の利用客は落ち込んでおり、昨年度1年間で計53人だった。
6月1日 朝日
● 県営渡船委託訴訟 ずさん支出浮き彫り
海津市に委託されている長良川の県営渡船事業について、岐阜地裁が31日、市などに計1900万円を県に返還するよう命じた判決は、市や渡船組合の虚偽報告を認定し、渡船事業をめぐる公費支出のずさんさを浮き彫りにした。県庁の裏金問題で公金とは何かが問われている折、原告側の住民は「自治体は自浄能力をもっと高めるべきだ」と話す。(内山修)
判決は「実態に見合わない支出があった」として、市、地元の渡船組合長、管理監督する立場にあった当時の大垣土木事務所長らに対し、県への返還を命じた。
「すっきりとした、望んだ通りの判決。今の岐阜にとって大きな意義がある勝訴だった」。閉廷後、県弁護士会館で記者会見に臨んだ原告代表の寺町知正・山県市議は晴れ晴れとした表情で切り出した。「法的に見てもいかにいい加減な事業であったことがわかった」
訴えの対象は、県が海津市を介して地元渡船組に委託する「森下渡船」と「日原渡船」の2事業=図。両渡船とも「県道の一部」と位置づけられているが、長良川をまたぐ東海大橋や長良川大橋の完成で利用者は激減。近年は年間100人に満たない年も多い。
利用実績がほとんどないにもかかわらず、寺町市議らが提訴する前年の98年度まで、両渡船組合にはそれぞれ毎年180万~300万円が支払われた。99年度以降は、運航実績に見合った日当分を委託料として支払う制度に変わったが、それでも支出の一部には疑問が残った。
「何のために、いくら使われたのか」。県に住民監査請求をしたが、結果は却下と棄却。99年8月、いらだたしい思いで提訴する一方、渡船事業の実態を明らかにするため、情報公開制度を利用し文書を請求したが、出てきたのは「黒塗り」文書だった。
船頭名はおろか、当日の天気すらも黒塗り。寺町市議らは、岐阜市の「小紅の渡し」や愛知県内の渡船の運航データを取り寄せ、公開された文書と日付や運航実績を照らし合わせながら証拠資料を積み上げた。
文書の開示を求めて別に起こした訴訟で、05年に最高裁が主張をほぼ認めたことで、調査は大きく前進した。途中、裁判所から和解の打診もあったが「勝訴の判決がほしい」と断った。
寺町市議は「裏金問題と同じで、バレるまで隠す姿勢は早くやめてほしい。判決を受けて、県などが事業を洗い直すのか注目したい」と話した。
6月1日 中日
● 長良川渡船 委託料判決 なれ合い体質を指弾 事業存続に議論も
6月1日 毎日
● 1910万円 支払い命令 長良川「カラ」渡船 海津市などに
6月1日 中日
● 委託料1900万円 返還命令 前知事への請求は却下
| Trackback ( )
|
8年にも及んでいたんですね。
長い闘いの勝利、おめでとうございます。
でもはっきり目に見える怠慢を正すのに
こんなに長い時間とエネルギーが必要なのだと
唖然としました。
祝杯の御馳走写真、みどりさんのブログで見せていただきました。
こういう時のお酒は、おいしいことこの上ないのでしょうね。
さぞかし、甘露~
>ときどきてらまちさんがブログに書かれていた訴訟、8年にも及んでいたんですね。
⇒私のやった(やっている)40数件のうちで一番長い訴訟です。
>長い闘いの勝利、おめでとうございます。
⇒ありがとうございます。
>でもはっきり目に見える怠慢を正すのにこんなに長い時間とエネルギーが必要なのだと唖然としました。
⇒いろんな思惑が絡んでいると、すっと改めることができないのが役所みたいですね。
>祝杯の御馳走写真、みどりさんのブログで見せていただきました。
こういう時のお酒は、おいしいことこの上ないのでしょうね。
さぞかし、甘露~
⇒はい、おいしかった(笑)
ひとつずつ区切りをつけてやっていきます。
★ヒキノさん、おはようございます。
>いまどき渡しなんてと思いましたが思い当たりました。群馬県島村町(現伊勢崎市)に島村の渡しがあります。
⇒へぇーっ。
>利根川を挟んで村の地籍があり県道の一部のようです。県営、乗船賃無料、25馬力の船外機、700m。もちろん車社会ですから上下に大きな橋があります。
⇒道路法で「『渡し舟』を道路として認定してよい」とされていますので、立派な道路ですね。
>観光が主だと思います。機能してれば問題ないのですが?
⇒観光目的なら「別事業」でやってくれないと困りますね。
そもそも、近くに橋があれば、利用者はいないでしょうし。