カインの倣慢 | ||
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読了日 | 2020/10/12 | |
著 者 | 中山七里 | |
出版社 | KADOKAWA | |
形 態 | 単行本 | |
ページ数 | 301 | |
発行日 | 2020/05/29 | |
ISBN | 978-4-04-109423-5 |
山七里氏の作品には、他の作品で活躍したキャラクターが、シリーズとは言えない作品にも登場して、あたかもその作品の重要な役割を果たすことがある。例えば刑事・犬養隼人は、『切り裂きジャックの告白』から始まって、『七色の毒』、『ハーメルンの誘拐魔』、『ドクター・デスの遺産』と続いて出てくるから、ああ、これはシリーズか!
僕は中山氏の作品を次々読んでいるから、少し混乱したらしい。
カインと言うのは旧約聖書に出てくる、アダムとイブの息子で、良く翻訳小説に弟アベルと一緒に題材にされるのだが、僕はその旧約聖書については無知だが、従来たびたび目にしていたから、薄々は知っていた。
人類最初の殺人事件の加害者と被害者として知られている。
と言うようなことは、左程本書を語るうえで、重要なことではない?
不法な臓器移植に題材を得たストーリー。
警視庁捜査1課に在職する犬養隼人は、女性刑事・高千穂明日香とともに、少年に対する連続殺人事件に立ち向かう。貧困が生み出す犯罪と臓器移植。
人間の尊厳を冒すような、凶悪な犯罪に背筋が寒くなる。 世界の片隅にはまだまだ僕の知らない事柄が、幅を利かせていることがあって、需要と供給が奇怪なバランスをとっているようだ。そんなことを思わせるような内容は、自分とは関わりのないことだと、なかなか割り切れない所に、現実味を感じるのだろう。
温かい日が続いて、このまま春から初夏へと順調に移行するのかと思っていたが、新型コロナウィルスの跋扈する世の中、そう簡単には進まない。そんな思いを起させたのは、4月5日の肌寒さであった。
当に月日の過ぎるのを早く感じるのは、歳をとったせいばかりではないような気がする。
大阪府や兵庫県、北の方では宮城県の新型コロナ感染者が、増加の一途をたどっている。変異株も猛威を振るっているようだ。第4波の始まりだろうか?当初の想定より新型コロナウィルスは、したたかな模様を示している。
毎晩NHKテレビの競泳日本選手権を見て、選手たちから元気をもらっているが、特に池江璃花子選手の復活ぶりには驚くばかりだ。2年の歳月には我々の想像もつかないような、努力や闘いの日々があったのだろうと思うと・・・・。
バタフライ100mの決勝でゴール後、掲示板を振り返った時の、こみ上げる号泣ともいえるプールでの彼女の姿に、思わずもらい泣きをした。
世界に誇る一流選手、スター選手のこれからに増々拍手を送りたくなったのだ。
だが、果たして彼らの努力の結果を示せる、オリンピックは開催されるのだろうか?そんな疑問もわいてくるのだ。海外からの選手の受け入れもままならない状態で、目の前に迫っている開催日が、幻のごとく消えていくような気もしている。
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