SME3012Rについてはこれまでに何回も書いてきたが、今調子良く鳴っていることもあり、ここで一度振り返ってみる。
※以下の内容は改造を推奨するものでは在りません。
改造を行なって破損等されても当方は一切責任を取りません。
まず購入したのはH2.7なので大学のころ。その前に中古個人売買で買ったブナ材キャビネットにSME3012R用の穴が開いており、購入を決意。
まだそのころは別売アームがそこそこ市場に有った。
その時はこのロングアームしかないという考えだった。
秋葉原のテレオンで購入した。
当時はまだ価格が6ケタ超えでは無かったが、かなりの出費だった。
値引きは無かった。
第一印象は、鳴らしてみて特に「良い」という感想は無かった。
シェルを色々変えたが多分満足しなかったのだと思う。
それでかなぜか、改造を試みた。
当時、8Nアーム内部配線がオルトフォンより出てたので購入。
ナイフエッジベアリングを金属系のセイシン合金の物へ。
シェルコネクターに穴を明け、カートリッジからフォノアンプ迄直結。この後、コネクターを購入し、戻す。キツい音が取れたので、ロックが弱かったのだと思う。シェルコネクターの4本の端子はバネでシェルの端子にテンションを掛けるようになっており、これによる勘合強度も期待されてたのだと思う。
アーム配線材はモガミ、オーグライン、オヤイデ銀メッキ銅線などにしたが、結局純正と言われたモガミの配線に戻した。
水平に動くベアリングをヘッジホッグ製の高精度なものに交換。
オイルダンプのようなものを取付け。
改造は以上なものか。
続いてチューニング。
ナイフエッジにセイシンテープを貼ったがほとんど効果無かった。
ナイフエッジの受けにテフロンテープを貼ったが音がなまった。
アームパイプに防振材を貼ったが効果無し。アームパイプ内部にはバルサ材が入っている。
アームベースはオプションの肉厚ブラス材も使ってみたが、違うアームの音になってしまった感じがした。
耐震ゲルを貼った銅板でアームべースを作ってみたが、歪っぽい音がした。
ハヤシラボの円形アルミベースにしてみたが、音圧は確かに上がったが、なんか異質な音が混じった気がした。
続いて壊した(破損させた)部位
アームパイプはアース配線を繋ぐのだが、アームパイプ内に仕込んだ端子でパイプとナイフエッジベアリングを共締めするのだが、ネジ穴をダメにした。今はネジとナットで締めているが、なかなか難儀した。
メインウェイトをスライドさせるためのネジ穴に差し込む突起を折ってしまった。
これは鉄の棒をハンダ付けしてごまかしている。
水平方向移動のベアリングを組み込む垂直のシャフトをペンチで握ってしまい、ベアリングが入らなくなったので紙やすりで磨いた。
このベアリングの取付ナットの締め具合が中々だ。
締めていくと手応えが変わるとこがある。この状態でレコードを掛けると曲が進んでいかない。
手応えが変わったところでほんの少しナットを戻してやったらいい感じだった。
アームリフターが数年前ストンと落ちるようになったので高粘度のシリコンオイルを入れてみた。
数回調子良かったが、以降は使っていない。
この引き締まった、リンと鳴る感じは真鍮のアームパイプだからだな、と思う。
312はもっと軽い感じだが、音色が薄く太い鳴り方。
こちらは線が細い。どうしてもナイフエッジの幅が狭いから横方向に踊ってしまうような気がしてならない。
このトーンアームの不満は、有効長が変えられない事。
SPUシリーズに合わせているらしく、他のカートリッジはシェルで調整できるものでないといけない。
そんなにシビアな物でもないらしい。
実効長はスライドベースで調整。
メインウェイトは二分割で軽量・重量のカートリッジに対応でき、取り付けはアームパイプが軸受けの後ろで横にスライドできる機構をを持っておりラテラルバランスを調整できる。
針圧調整ウェイトはアームが内側に曲がっているための重量を相殺するラテラルバランスも役目も担う。
これはメインウェイトに取り付けてありカートリッジの重量によってメインウェイトの位置が変わると針圧も微妙に変わると思うのだが大して影響ないらしい。
20240209