いよいよ発表会当日になりました!
発表会の会場は、大きな公園に面した、素敵なレストランです。
暖かい太陽が燦々と降り注ぐ、大きな窓からは、
広々とした冬の公園を臨むことができます。
私が準備をしていると、ノブ君はお母様と一緒に入ってきました。
ノブ君は、きちんとスーツを着込んで、まるで小公子の様です。
「ノブ君、かっこいいね」と、私は声をかけました。
でも、ノブ君はかなり緊張していて、落ち着きがありません。
そして、それ以上に、お母様が緊張しているようです。
「大丈夫ですよ! 絶対、上手に弾けますよ。
お母様は、安心して客席に居てくださいね。」
ノブ君の出番は、1番最初です。
やはり、かなり緊張しているので、最初だけ私が付き添うことにしました。
司会の女の子が
「オープニングは ちょうちょう、ジングルベル、演奏はノブ君です。」
とアナウンスしました。
するとノブ君は「はい!」と挙手をしました。
名前を呼ばれたので、反射的に手を挙げてしまったのです。
そんな微笑ましいハプニングもありましたが、
結局ノブ君は、最後まで立派に弾き切りました
拍手がいっぱい鳴り響きました
ピアノを始めて7ヶ月、ノブ君は、ちゃんとやり遂げたのです。