ららみ先生のピアノのおけいこ

自閉症でも、発達障がいでも、
両手でピアノが弾けるんです♪
ピアノが弾けるって、素晴らしい!

高校卒業決定!そして受験

2019-01-31 | 不登校

先日の日曜日、(高3)のお母様が 私の家に来られました。

の近況を報告に来られたのです。

ミノ君は、4歳から去年の6月まで指導した私の生徒さんです。

 

ミノ君は、小さい時から聡明なお子さんでしたが、
小学5年生の時、かなり深刻な不登校になりました。

不登校は1年程続きましたが、
6年生の夏頃から、少しずつ登校出来るようになりました。

5年生から6年生の頃、ほとんど学校に行かなかったのに、
ミノ君は持ち前の実力を発揮して、難関中高一貫校に合格しました。

ミノ君は、本当に頭の良い子なのです。

テニス部でも活躍していて、全てが上手く行っているように思えたのですが、
高校生になった頃、再び不登校気味になってしまいました。

行ったり行かなかったりが続いていましたので、
何度も単位不足になり、学校からは留年の危機を告げられ、
お母様は生きた心地がしなかったと思います。

ミノ君は、そんな中でもピアノのレッスンには、休まずに来てくれました。

ミノ君は、クラシック、特にバッハ等のバロック音楽が大好きなのです。

お母様から、ミノ君の不登校の事などは、全て報告を受けていましたが、
私は何も知らない振りをして、普通に接していました。

ピアノのレッスンは、ミノ君にとって、気楽な息抜きになっていたのだと思います。

 

さて、去年の6月に入試を理由にピアノを辞めたミノ君でしたが、
お母様からは、その後も しばしば連絡がありました。

何度も「ピアノを復活させたいのです。」と相談を受けていたのです。

しかし、ミノ君はレッスンに戻ることはなく、今に至ります。

 

日曜日に、ミノ君の様子を話しに来られたお母様の話によると、
何とか卒業出来るメドが付き、センター試験も無事に受けたとのこと。

「良かったですね。」と、2人でしみじみ語り合いました。

お母様がお帰りになる時、
私は、「ミノ君へ差し上げてくださいね。」とお菓子をお渡しました。

「入試頑張ってね。応援しているよ~」と、小さなカードも添えました。

するとその夜、ミノ君からメールがありました。

“ 受験の応援をして頂き、ありがとうございます。
お菓子もありがとうございます。
受からなかった時は 、また習いにいきます。”

と書いてありました。

 

お母様の話によると、ミノ君は
浪人したら、息抜きの為にピアノを復活させたいと思っているとのこと。

そんなミノ君の気持ちは嬉しいのですが、今はそんな事を考えずに、
受験勉強に専念してほしいな~と思っています。

ミノ君、頑張れず~っと応援しているからね

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カズオイシグロ著「私を離さないで」を読んで

2019-01-30 | 読書、文学など

(昨日の続きです~

「私を離さないで」の著者カズオ イシグロさんは、長崎県出身の日本人ですが、
6歳からイギリスに住み、今はイギリス国籍を取得されています。

2017年にノーベル文学賞を受賞されたことは、記憶に新しいと思います。

それなのに、私はイシグロさんの御本を 1度も読んだことがありませんでした。

いえ、本屋さんで数ページ立ち読みしたことはあったのですが、
購入するには至らなかったのです。

 

【以下、ネタバレ注意です】

さて、「私を離さないで」を借りてきた私は、正直に言うと、
あまり気がすすみませんでした。

文庫本しか在庫が無く、小さな字が大人の目には読みにくく(笑)、
しかも想像した以上に分厚くて、気軽に読める本ではないな~と思ったのです。

それでも読み始めたのですが、頻繁に出て来る「へールシャム」と云う施設の意味や、
「提供者」と云う単語が意味するところが分からず、私は我慢しながら読みました。

物語は、キャシーと云う介護人が、
自分の育った「へールシャム」のことを回想する~と云う形式を取り、
すべて一人称で語られます。

読み進むうちに、「へールシャム」とは、クローン人間が大人になるまでを過ごす、
ある施設の名前だということが分かってきました。

つまり、そこに育つ子ども達は、「臓器提供者」として生まれたクローン人間で、
大人になったら、複数回、臓器を提供し、そして人生を終えるのです。

そんな運命のもと生まれてきたキャシーや友人達でしたが、
「へールシャム」の中では、普通の人間同様、青春模様が繰り広げられます。

キャシーと友人達との他愛ないお喋りや、その中での様々なトラブルの描写は、
私自身の10代の頃を思い出すきっかけになりました。

そして、私は徐々に物語の中に引き込まれていきました。

読み始めた頃に、何の事だろう。。。と疑問を感じながら読んでいた伏線が、
後半になると、巧みに回収されていきます。

あ~こういうことだったのか。。。と思いつつ読み進み、
後半を読む頃は、夢中になりました。

この小説の感想は、到底ひと言で述べられる内容ではなく、
色々なテーマや作者の問いかけが、幾重にも織り重なっているようです。

その中で、私がひとつだけ述べるとしたら、
人間の記憶~つまり人と人との触れ合う中で生じる思い出の大切さを、
作者は訴えかけているように思います。

同時に、限りある命は大切に生きなければならないこと。

また、大切に生きる為に役立つ教育の重要性を、改めて考えさせられました。

キャシーや「提供者」達は、詩の朗読や絵を描くことで、
臓器を提供する前の心の均衡を保っていられたからです。

これらのことは「へールシャム」において、丁寧に教育されたものなのです。

そして、読みながら気が付いたのですが、
キャシーの様な「提供者」のみならず、私達もまた、「死」に向かって生きています。

「死」を意識するからこそ「生」が意味を成す~ということを改めて思い起こし、
残された日々を大切に生きて行かなければ、と思ったのでした。

 

以上は、私の拙い感想です。

その他にも、臓器移植の是非や、人権に関する様々なことを考えさせられましたが、
今回は以上のことを述べるだけにしておきます。

それにしても、この本を私に薦めてくれたYちゃんには、心から御礼を言いたいと思います。

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ハ長調の曲をハ短調で弾かせてみた~自閉症児M君

2019-01-28 | 自閉症児 M君の不思議

先日のマサ君(支援学校中1)のレッスンの時のことです。

マサ君は、今までハ長調の曲ばかりを練習してきました。

教育芸術社のバイエル①を練習していた頃、
ハ長調の曲をト長調で弾かせるように試みたことがあったのですが、
マサ君自身が混乱してしまい、それ以来試みたことがなかったのです。

以下が、その時の様子です。

https://blog.goo.ne.jp/soraminosorami/e/69319b7809bd800132b6a8853ce78fc2

https://blog.goo.ne.jp/soraminosorami/e/ca36513dd13d69e2b9b00822d4769ad3

 

ところが、バイエル②には、ハ長調の曲を、ハ短調で弾かせる箇所があります。

私は、少々迷いました。

また混乱したらどうしよう。。。

私は少し緊張しつつ、ハ長調の曲をハ短調で弾きました。

「マサ君、この曲は好きですか?」

「はい、好きです。」

「弾いてみたいですか?」

「はい、弾いてみたいです。」

 

私は、マサ君にハ短調で弾かせてみて、もう1度聞きました。

「お家でも練習したいですか? 頑張れますか?」

「はい、頑張れます

 

ハ長調の曲をト長調で弾いても、同じ曲に違いありませんが、
ハ短調になると、全く違う曲調になります。

マサ君にとっても、違った曲を弾いている感覚になるのでしょう。

ハ長調の曲をハ短調で弾く課題は、難なくクリアー出来そうです。

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短期記憶が鍛えられた!広汎性発達障がいR君

2019-01-27 | 広汎性発達障がい児 R君のこと

昨日はルイ君(小5・広汎性発達障がい)のレッスンでした。

ルイ君は、先回のレッスンのから引き続き、3拍子の特訓をしています。

小節と小節の間に、微妙な間が空かないように弾く事が、もっぱらの課題です。

さて昨日のレッスンでは、R君は随分と3拍子に慣れてきたように思います。

ルイ君は、新しい課題に、慣れるまでに時間はかかりますが、
一旦習得すると、きちんと定着するタイプです。

 

そして、いつものリズム打ちもやりました。

リズム打ちを始めた頃は、1小節でさえ覚えるのが大変そうなR君でしたが、
最近は、2小節のリズム打ちも出来る様になってきました。

短期記憶が発達してきた証拠だと思います。

昨日は、少し難しいリズムも取り入れてみたのですが、
1回、もしくは2回で覚えることが出来ました。

【リズム例】タン タタ タタ タン l タタ タタ タン  ウン  

 

ルイ君は、短期記憶が1番苦手だと、お母様から伺っていたのですが、
訓練によって、まだまだ伸びしろがあるようです

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80代のルービックキューブ

2019-01-26 | 日記

私の母親は、80代です。

何年か前に大腿骨を骨折していますので、歩く時に少し不自由があるのですが、
何とか独りで生活しています。

そんな母親に、私は先回帰省した時に、ルービックキューブを薦めました。

ルービックキューブをレッスンにも使っていて、何らかの効果を感じたからです。

母は、想像以上にルービックキューブにハマってしまったらしく、
暇さえあれば、やっているそうです。

その成果があり、先日私が滞在中に、とうとう6面を完成させました

本人曰く「2時間43分で出来た」そうです

80代でルービックキューブを完成させるなんて、母親ながら素晴らしいと思います

 

そこで、今回の滞在中に、滑りの良い「競技用のルービックキューブ」を購入してあげました。

今まで持っていたのは10年以上前に、私の息子達が遊んでいたもので、
とても滑りが悪かったのです。

私「この滑りの良いキューブで、もっと速く完成させるようになるといいね。」

母「うん、でも、こんなに滑りが良いと、考えが追いつかなくなるわ。」

私「えっ?考えながらやってるの?」

母「うん、考えないと出来ないでしょ。」

私「私が買ってあげた攻略本は見ないの?」

母「うん、本に負けたくないからね。」

そんな~本に勝ってもしょうが無いのに。。。

 

私「本を見た方が、速くできるようになるよ。」

母「展開図を想像して、何手も先を考えてやる事が面白いんでしょ。
      因数分解を解くような楽しみがあるからね。」

私「えっ?因数分解?」

母「うん、因数分解に通じるよ。」

 

は~っ恐れ入りました。

まさか80代の口から、因数分解と云う言葉が出て来るとは思わず

畏るべし、80代のパワーです

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