ららみ先生のピアノのおけいこ

自閉症でも、発達障がいでも、両手でピアノが弾けるんです♪
ピアノが弾けるって、素晴らしい!


自閉症児 M君の不思議⑤

2016-05-30 | 自閉症児 M君の不思議

M君は、耳がとても良い子です。
今は、12種類の和音を識別出来ます。
主要3和音(ドミソ、ドファラ、シレソ)と属7の和音(シファソ)
そして、それぞれの和音の転回形を合わせ、合計12種類の和音です。

私がピアノで和音を弾いて、M君に当ててもらうのですが、
M君は、たいていの和音を、ピタリと当てるのです。

「M君、すごいね! M君は天才だね~」と褒めると
「はい、僕は天才です。」と、にっこり笑って答えてくれます。

その笑顔が可愛くて、私は何度もM君を褒めます。

 

M君は、絶対音感は持っていないのですが、音に対する感性が、人一倍鋭いのでしょう。
なので、一旦【ハ長調】で覚えた曲を、5度も高い【ト長調】で弾くことに、
違和感を感じたのかもしれません。

実際に、弾くよりも、歌ってみるとよく判るのですが、
【ハ長調】と【ト長調】では、感じ方が大分違うのが判ります。

あと、鍵盤の場所に対する【こだわり】も、あったのだと思います。
時間をかけて、じっくりと指導をしましたので、ハ長調の分散和音のパターンが、
M君の指に、しっかり定着してしまったのでしょう。
しっかり定着したことを変えるのは、自閉症児のM君にとって、
大きなストレスだったに違いありません。

このように考えると、バイエルの際の、M君の『不思議』も、解明出来たように思います。

しかし、M君には、もう1つ『不思議』なことがあったのです。 

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自閉症児 M君の不思議④

2016-05-29 | 自閉症児 M君の不思議

私は、1曲を半分に分けて、なおかつ、片手づつ、丹念に指導しました。
そして、1曲を5週間くらいかけて、ゆっくりと仕上げました。
M君の努力もあり、数ヶ月経つと、M君は、3拍子の分散和音も、4拍子の分散和音も、上手に弾けるようになりました。

そして数ヶ月経った頃~

これは、教育芸術社のこどものバイエルの特徴なのですが、
数ヶ月前に習った曲が、今度はト長調で出てきました。
M君は、分散和音が上手に弾けるようになっていましたから、
ト長調になっても、当然上手に弾ける、と確信していました。

ところが、何週間練習しても、M君は、全く弾けるようになりません。
それどころか、まるで初心者に戻ったかのように、手が硬直して、
まったく弾けなくなってしまったのです!
私は、不思議でなりませんでした。

健常の生徒さん達は、以前習った曲が移調して出てくると、とても嬉しそうです。
なにしろ、指のポジションを移動するだけで、運指は同じですから、練習が非常に楽なのです。

ところが、M君は、それが出来ません。
今まで、ドソミソ、ドラファラ~と、易々と弾いていた分散和音が、
ソレシレ、ソミドミ~になるだけで、M君にとっては大問題。
頭の中では、パニックを起こしていたのでしょう。

それこそが、自閉症児の【こだわり】なのだ!
と私が気がついたのは、それからしばらく経ってからでした。 

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自閉症児 M君の不思議③

2016-05-28 | 自閉症児 M君の不思議

M君のレッスンは、順調に進みました。
ただ、順調だからといって、先を急がないように心がけました。
たどたどしく弾ける程度では、決して合格にはせず、1曲を3週間位かけて、じっくり進めたのです。

その成果があり、M君は、指の形や脱力も、完璧になりました。
学校で、鍵盤ハーモニカを弾く時の指の形も綺麗になり、M君は、学校の先生に
「M君、ピアノ習っているでしょう? 上手に弾けていますね。」
と、褒められたそうです。
音楽の時間は、普通学級で授業を受けるので、M君もお母様も、嬉しかったようです。

M君は、バイエルを順調に進みました。
そして、最大の難関 【分散和音】の伴奏へと進んだのです。

 

【分散和音】とは、和音を分散して弾くことです。
例えば~
3拍子の曲ならば、ドミソ ドファラ シレソ 等
4拍子の曲ならば、ドソミソ ドラファラ シソレソ 等です。

 

さすがのM君も、これには非常に難航しました。
右手でメロディーを弾きつつ、左手で分散和音を弾くのは、初心者には相当難しいものです。
かなり集中して、根気よく練習しないと、弾きこなすのは、大人でも容易ではありません。

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レッスンの前に卓球のお話・3

2016-05-27 | 不登校

一昨日は、ニノ君のレッスンでした。
レッスンの前に、お母様から連絡があり、ニノ君が今月でピアノを辞める!と言っているので、話し合ってください、とのこと。

私はショックでしたが、そのことには触れずに、普段どおりのレッスンを始めました。
勿論、最初に卓球の話をしました(笑)

ニノ君が練習している曲の中間部に、拍子感がずれている箇所が、何箇所かあります。
「この拍子感のずれは、作曲者の気持ちの揺れかもしれないね。」
と指導したら、非常に興味を持ってくれました。

あと、ペダルの踏み方を、何箇所か指導して
「高校生は忙しいから、練習するのは日曜日だけでいいよ。
でも、今日のレッスン内容を定着させる為に、帰ったら1回だけでも弾いてみてね。」
と伝えました。

するとニノ君は
「1回だけなら、毎日出来ると思います。」
と言ったのです。

えっ!?辞めるんじゃなかったの? 

話を聞いてみると、学校の勉強が忙しいので、平日は時間的に無理だけど、土曜日ならば来られる、とのこと。
私は早速、ニノ君のレッスンを、土曜日に組み込むことにしました。

夜になって、お母様から連絡が入りました。
「ピアノに行く前は、あんなに荒れていたのに、すっかり機嫌がよくなりました。
ピアノも続けるとのことで、安心しました。」

私も安心しました(笑)

きっと、超進学校に通い、勉強も部活も頑張っているニノ君は、そのイライラを、お母さんにぶつけただけなのでしょう。
お母さんに楯突くことが、イライラの解消になっているのかもしれません。

そういえば、ウチの息子達の反抗期も、そうだったのかも~
と、今頃になって気が付いたのでした(反省)

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自閉症児 M君の不思議②

2016-05-26 | 自閉症児 M君の不思議

私は、どの子にも【教育芸術社のこどものバイエル】を使ってレッスンをします。
副教材は、その子の年齢や好みに合わせて変えるようにしていますが。

このバイエルの良いところは

①右手が、真ん中の【ド】から始まるところです。
従来のバイエルは、真ん中の【ド】から1オクターブ上にある【ド】から始まり、譜読みが非常に難しいのです。
しかし、このバイエルでは、学校の音楽の教科書と同じ、真ん中の【ド】からはじまりますので、小さな子にとっては、親しみ易い楽譜になっています。

②このバイエルでは、ハ長調で練習した曲が、しばらくすると、ト長調や、ハ長調に移調して出てきます。
そこで、子供達は自然に、移調の意味を知り
「あっ!ピアノって、黒い鍵盤を使うと、どの場所からでも、同じに弾けるんだ!」
と云う事を、身をもって体験出来るという訳です。

 

と云う訳で、私はM君にも、このバイエルを購入し、早速両手のレッスンを始めました。

M君に、最初にマスターしてもらうのは、単音の伴奏です。
右手のメロディーに合わせて、左手は、1の指(親指)で【ソ】を音を弾きます。
右手に合わせて【ソ】を弾くだけですから、M君は、難なく弾けるようになりました。

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