ららみ先生のピアノのおけいこ

自閉症でも、発達障がいでも、両手でピアノが弾けるんです♪
ピアノが弾けるって、素晴らしい!


湊かなえ著【豆の上で眠る】

2017-08-06 | 読書、文学など

アンデルセン童話に【エンドウ豆の上に寝たお姫様】というお話があります。

本当のお姫様は、何十枚も敷かれたお布団の下に、
たった一粒のエンドウ豆があるだけで、眠れなくなってしまう~
と云うあらすじだったと思います。

えっ  お姫様は、お布団の下に小さな豆があるだけで、
眠れなくなっちゃうの

じゃあ、私は、やっぱりお姫様じゃないわねと、幼かった私は
しみじみと思ったものでした。

 

小さな頃の、そんな思い出がありましたので、
本屋さんで【豆の上で眠る】と云う文庫本を見つけた時は、
思わず手に取り、購入しました。

著者の湊かなえさんは、人気の作家さんで、推理小説を得意としています。

私はあまり、推理小説を好みませんので、湊さんの小説を読むのは初めてでした。

【あらすじ】

小学3年生の時、突然失踪してしまった、大好きな万佑子お姉ちゃん。
家族は必死に捜し出そうとするものの、見つからぬまま、2年が経ちます。
そんな折り、万佑子は見つかり、家族の許に戻ります。
久しぶりに戻った姉に対して、違和感を感じ続ける妹の結衣子。
そして、少しずつ真相が明らかになり、意外な結末へ~

 

私が1番心打たれたのは、登場人物の心理描写です。

1年生の妹、結衣子の気持ちが、手に取るように描かれていて、敬服しました。

1年生くらいの女の子は、大人が思っている以上に、
複雑なことを考えていたり、真実を見極めているものです。

そういう意味では、6歳の女の子は、侮れない部分もあるのですが、
反面、幼い思考故の、妄想も膨らむものです。

そのあたりの描写が、あまりにも素晴らしく、
つい、小説の中に引きこまれてしまいました。

また、娘を捜す為に、猫を使った小芝居を打つ母親の狂気も、
鬼気迫って胸を打ちました。

妹の気持ちになったり、母親の気持ちになったり、
色々な思いを抱きながら、一気に読み進みました。

そして、小説の最後に、結衣子がつぶやく
“本ものって、何ですか ” と云う言葉には、深い余韻が残りました。

小説の随所に描かれる、アンデルセン童話のエピソードも、
姉妹の思い出に奥行きを与えていて、効果的だったと思います。

久しぶりに、寸暇を惜しんで一気に読んだ小説でした。

 

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1時間15分

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太宰治の「斜陽」を読んで

2016-12-19 | 読書、文学など

5日間ほど、帰省していました。
実家の母親も、夫の母親も、とりあえず元気に過ごしていましたので、安心しました。

帰省の往復は、新幹線を利用したのですが、その道中に、太宰治の「斜陽」を読みました。

高校生の頃、私は太宰治に傾倒していましたので、「斜陽」は2回は読んだと思います。

しかし、傾倒していたとはいえ、小説の中の出来事は、戦後間もない昔のこと。
そして、登場人物の織りなす人間模様は、全て大人の出来事で、
10代の私には、実感の湧かない絵空事のようでした。

ですから、解った振りをして読んでいた、と言ってもよいでしょう。

まさに精一杯背伸びして、太宰治を読んでいる自分に、酔っていたのかも知れません。

 

それから私は大人になり、気が付けば、人生の折り返し地点も過ぎてしまいました。

そして今回、改めて「斜陽」を読んだ感想は。。。

登場人物の行動が危なっかしくて、ハラハラしながら読みました。

そんなことをしちゃダメでしょ!  自暴自棄にならないで!

そんな思いを抱きながら、読んだのでした。

文学を味わうよりも、お母さん目線で物語を追っている自分に気づき、
なんだか複雑な思いになりました。

「斜陽」を読むことにより、自分の成長?を感じたのは確かですが、
もしかしたら、文学を味わう瑞々しい感性も、枯れてしまったのかな?

これからしばらく、太宰治の他の作品も読みながら、
そんなことも検証してみようと思ったのでした。

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ロバート・キャンベル先生の講演会

2016-11-28 | 読書、文学など

昨日は、都内の大学まで、ロバート・キャンベル先生の講演会を聴きに行ってきました。

ニューヨーク出身のロバート・キャンベル先生は、テレビのコメンテーターとしてお馴染みですが、
実は、名高い国文学の先生で、今は、東京大学大学院の教授でいらっしゃいます。

専門は、江戸中期から明治にかけての日本文学で、文化、思想、芸術にも造詣が深く、
私は以前から先生のファンだったのです。

 

さて、昨日のテーマは“Popcorn on the Ginza”

戦後の銀座を、進駐軍の眼から見た随筆と、日本人が当時の銀座を描いた随筆を読み比べ、
その視線、心情の比較を講義してくださいました。

戦後の銀座を舞台にした小説は色々あるのですが、
アメリカ人から見た、当時の銀座を描いた随筆には、初めて触れました。

また、GHQによる言論統制が行われていて、日本の小説家のほとんどが、
その検閲に悩まされていた事など、興味深いお話を聞く事が出来ました。

その際に先生は、英文を朗読したり、日本語で書かれた文章を朗読してくださったのですが、
両方共、耳に心地良い、素晴らしい朗読でした。

キャンベル先生は、アメリカ人なのに、本当に日本語が流暢でした。
しかも、アメリカ人らしからぬ見事な発音で、鼻濁音まで完璧だったのには驚きました。

元々聡明な方だったのでしょうが、並々ならぬ努力があったのでしょう。

日本文学のみならず、漢詩や古文書にも造詣が深く、
しかも、変体仮名までスラスラとお読みになるので、敬服しながら拝聴しました。

さすが、東京大学で、秀才達に教えていらっしゃる教授だな~と、改めて思ったのでした。

今回のキャンベル先生の講義を踏まえた上で、
私ももう一度、戦後すぐにに書かれた文学を読んでみよう、と思いました。

なかなか興味深い講義を聴くことが出来、実りある1日になりました。

 

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句会に行ってきました

2016-11-10 | 読書、文学など

毎週木曜日の夜にやっている「プレバト」と云う番組が好きです。

特に俳句のコーナーが大好きで、夏井いつき先生の添削には、
いつも「なるほど!」と感心してしまいます。

 

今日は、私も初めて“句会”なるものに参加してきました。

以前から、俳句か短歌をやってみたいな~と思っていたのですが、
今日、ようやく第一歩を踏み出したと云う訳です。

今日の句会の流れを簡単に書きますと~

あらかじめ宿題として、各々が俳句を7句作り、それを短冊に書いて持ち寄ります。

それをお当番の方に渡すと、お当番の方は、それをシャッフルして全員に配り分けます。

そして、それをみんなで分担して、用紙に書き写します。

書き終えたら、それをA3の大きさに貼り合わせ、
そして貼り合わせた物を、人数分コピーして、再び全員に配ります。

つまり、誰が何を詠んだのかわからないようにして、お互いの句を鑑賞し合うのです。

そして、それぞれが好きな句を5つ選び、それを集計していきます。

集計したら、点数の高い順番に、みんなで感想を述べ合ったり、先生が添削をしてくださったりしました。

 

私は初めてでしたので、皆様のやり取りが高度過ぎて、付いていけませんでしたが、
それでも、色々な方々の句を鑑賞出来たのは有意義でした。

沢山添削されて、恥ずかしい場面もあったのですが、とても勉強になりました。
月に1度の“句会”  これからが楽しみです♪

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つばらつばら

2016-10-09 | 読書、文学など

夫が京都に出張に行き、“つばらつばら”と云うお菓子を、お土産に買ってきてくれました。

“つばらつばら”とは、面白い響きのお菓子だな~と思って箱を開けますと、
中に栞が入っていました。

『浅茅原 つばらつばらにもの思へば 故りにし郷し思ほゆるかも
(あさぢはら つばらつばらに ものもえば ふりにしさとし おもうゆるかも)  万葉集 巻三

万葉歌人・大伴旅人が、太宰府長官として九州に赴任した折に、“つばらつばらに”
すなわち、“しみじみと”物思いをしていると、故郷の都のことがあれこれと浮かんでくる
と詠んだ歌です。
“つばらつばら”は、しみじみと、心ゆくままに、あれこれと、という意味の万葉のことば。』

 と書いてありました。

少し調べましたら“浅茅原”は“あさつばら”と読む場合もあるらしく、
“つばらつばら”を導く、枕詞として使われているそうです。

大伴旅人は、太宰府に赴任した時は、既に50代後半。
故郷には、もう帰れないかもしれないな~と思う日々も、きっとあったはずです。

その思いを歌に詠んだのですが、“つばらつばら”  と云うリズミカルな言葉を使うことにより、
全体の印象が、悲観的になり過ぎず、程よい情緒が醸し出されているように思います。

また、浅茅原を“あさつばら”と読んだ場合は、歌の調べが一層リズミカルになり、
ちょっとしたユーモアすら感じられます。

このように、強い望郷の思いを、美しい調べにのせてサラッと詠むなんて、
大伴旅人って、何て素敵!!

京都のお菓子“つばらつばら”を前に、万葉の世界に思いを馳せた、秋のひとときでした。

あっ!そのお菓子は本当に、つばらつばら(しみじみ)と美味しくて、心に染みたのでした。

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