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ららみ先生のピアノのおけいこ

自閉症でも、発達障がいでも、
両手でピアノが弾けるんです♪
ピアノが弾けるって、素晴らしい!

自閉症児N君~友情は続いている?

2018-02-02 | 自閉症児 N君のこと

先週のある日、某ギャラリーにて、絵画展を見て来ました。

広汎性発達障がいの女性が描いた、美しい絵画です。

その絵がとても素晴らしく、感動したので、

私は久しぶりにノブ君(高1)のお母様に電話をしました。

ノブ君のお母様は、美術大学で学ばれた方なので、

その絵画展をお知らせしようと思ったのです。

 

ノブ君は、4年生から中学1年生まで、私のところでピアノを習っていました。

ノブ君は、ほとんど喋れない重度の自閉症でしたが、
ピアノも両手で上手に弾けるようになり、

さあこれから~と云う時に、辞めてしまいました。

あるスポーツを習い始め、
その練習が、ほぼ毎日あるので、ピアノを弾く余裕が無くなったのです。

 

それでも私は、時々ノブ君のことを思い出し、

「どうしているかな~?」と思っていたのです。

そのことをお母様にお伝えしましたら
「ノブも、時々『ピアノ』と呟いているので、
先生のことを思い出しているのだと思います。

つい先日も、『ピアノ』と言っていましたし。」
と仰ってくださいました。

「まあ嬉しい  N君と私の友情は、まだ続いている、と云うことですね。」

「はい、続いていると思いますよ。
ノブも、本当は、ららみ先生に会いたいのだと思います。」

「じゃあ、ピアノに関係無く、遊びに来てくださいね。
本当にノブ君に会いたいので 

「はい、きっと伺います。」

 

3年前に辞めてしまったノブ君は、
私が障がい児教育を本格的にやろうと思ってからの、最初の生徒さんでした。

ノブ君の指導が感動的だったことが切っ掛けで、
益々意欲が湧いてきたのですから、
私にとっては、忘れられない生徒さんなのです。

何時か近いうちに、再会出来るといいな~と願っています

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自閉症児 N君のこと・17 ピアノ部に入ろう!

2017-02-02 | 自閉症児 N君のこと

発表会が近くなり、生徒のみんなには
「ピアノ部のつもりで、頑張って沢山練習してね」と言っています。

部活に入っていたら、試合の前には、沢山練習するでしょう?

朝練もあるだろうし、日曜日の特訓もあるでしょう。

つまり、
“ピアノ部”なのだから、せめて発表会の直前だけは、本気で練習してね

と云う意味がこめられているのです。

 

“ピアノ部”と云う言葉を言いながら、私はノブ君との会話を思い出しました。

ノブ君が中学生になり、
支援学校の制服を着てレッスンに来るようになった頃のことです。

中学生になり、ノブ君も自我が芽生え、
ノブ君は、お母さんに反抗するようになってきました。

小学生の頃までは、お母さんの言うことをよく聞くノブ君だったのですが、
ことごとく言うことを聞かなくなってきたのだそうです。

ピアノの練習も怠ける日が多くなり、
レッスンに来ても、ちょっとイライラしているようでした。

 

私は、そんなノブ君に
「ノブ君、中学生になったんだから、ピアノ部に入ろう!
ノブ君は、ピアノ部だから、ピアノの練習を頑張ろう!」
と、真剣に言ってみました。

すると、ノブ君は、ちょっとハッとした様子で、頷きました。

ノブ君は、ほとんど喋れない自閉症ですが、
こちらの言うことは、ほとんど理解してくれます。

あの時 ノブ君は、何かを感じてくれたのかな~と、思い出すのでした。

 

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2時間25分

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自閉症児N君のこと⑯2回目の発表会

2016-11-24 | 自閉症児 N君のこと

前回の記事(9月26日、9月29日)の内容と、話が前後してしまうのですが、

今日は、ノブ君の2回目の発表会について記しておきたいと思います。

 

ノブ君がピアノを習い始めて2年が過ぎた頃、
2回目の発表会がありました。

選曲は、色々と悩んだ結果、サン・サーンス作曲「動物の謝肉祭」より、
【ライオンの大行進】にしました。

これは結構聴き映えがしますし、華やかなので、
直君も非常に気に入ってくれました。

しかし、この曲は、ファの音に♯が出てきます。

♯なので、黒鍵を弾くことになるのですが、
黒鍵は白鍵に比べて、幅がとても狭いのです。

白鍵が約230ミリ、それに対して、黒鍵は約9ミリの狭さです。

しかも、運指の関係で、その音を4の指(薬指)で弾かなければなりません。

ただでさえ動かしにくい薬指で黒鍵を弾くのは、
初心者なら誰でも、非常に難しいのです。

 

そこでノブ君には、
週に2回ずつレッスンに来てもらって、大特訓をしました。

そして右手が弾けるようになると、勿論、左手の伴奏も付けました。

前回の発表会の時は、
右手のリズムと同じリズムで、左手の伴奏を付けましたが、
今回は、1小節に1回、全音符の和音を付けました。

これもまた、ノブ君にとっては難しいようでした。

右手と左手のリズムが違うので、
最初の頃は、非常にイライラしていたようです。

 

何度も繰り返し特訓をし、ご家庭でも、かなり練習した様子でした。

お母様はノブ君の為に、【動物の謝肉祭の絵本】を購入し、
イメージ作りにも協力してくださいました。

 

今回は2回目の発表会ですので、
ノブ君も、発表会の意味を理解した上での特訓となり、
ノブ君は、見事にこの曲を仕上げることが出来ました。

当日も、落ち着いて弾くことが出来、拍手を沢山頂くことが出来ました。

その時のノブ君の得意そうなお顔は、今でも忘れられません。

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自閉症児 N君のこと⑮ハノン教則本 その2

2016-09-29 | 自閉症児 N君のこと

ノブ君は、ハノンの楽譜を見ながら、ゆっくり弾いていきました。

この頃ノブ君は、
色を付けた音符ならば、初見でも弾けるくらいになっていたのです。

まず、最初の8小節を右手だけ、何度も弾かせました。

ゆっくりゆっくり時間をかけて。。。

 

何回か弾いた後、私はノブ君に
「この曲を好きな人!」と聞いてみました。

すると、ノブ君は右手を挙げて、
小さな声で「あい。」と答えたのです。

最初は、条件反射で「あい。」と言ったのかな~と、
半信半疑でした。

 

それからノブ君のレッスンの時は、
最初にハノン教則を弾くことがお決まりになりました。

ノブ君にハノンを弾かせる一番の目的は【左手の指の神経の分化】ですから、
レッスンの時は、左手をなるべく多く弾かせるようにしました。

そのようなレッスンが続き、
ノブ君の左手も、随分と動くようになってきました。

 

しかし相変わらず、ノブ君は両手で弾く分散和音が苦手です。

勿論、最初の頃に比べたら、随分と上手になってはいるのですが、
やはり、両手で分散和音を弾いていると、イライラしてくるみたいでした。

そんな時には、コチョコチョしたり、手遊びをしたり、
一旦意識を他の事にずらすように心がけました。

 

そんなある日、私はちょっとしたイタズラ心で、
「ノブ君、そんなにイライラするなら、ハノン弾いて。」と、
もう一度ハノン教則本を広げました。

すると、ノブ君は落ち着いたお顔で、ハノンを弾き始めたのです。

ノブ君は本当に、ハノンの練習曲を弾くのが好きなんだな~と
改めて思いました。

単純な音型の繰り返しが、自閉症のN君には心地よいのかもしれません。

お母様にうかがったら、お家でも、好んで弾いているとのことでした。

ノブ君の頭の中を垣間見たような、そんな貴重な体験でした。

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自閉症児 N君のこと⑭ハノン教則本 その1

2016-09-26 | 自閉症児 N君のこと

ノブ君のレッスンは、ゆっくりなりに確実に進み、
とうとう両手の本に入ることになりました。

そこで、私が生徒さん達に愛用している
教育芸術社の「こどものバイエル 第1集」を購入し、
ノブ君にもやってもらうことにしました。

発表会で、簡単な両手を経験しているとはいえ、
やはり、ピアノを両手で弾くのは難しいことです。

左手が「ソ」の音だけ、の単音の場合は、順調に進みました。

しかし、分散和音の様に、他の音が混ざると、途端に難易度が増してしまうのです。

 

ノブ君の場合、左手の神経の分化が未発達なのだ~
と云うことは気がついていました。

なので、左手の神経の発達を促すために、
左手の特訓をすることにしました。

そこで私は、子ども用の「ハノン教則本」を購入して、
ノブ君に練習してもらうことにしました。

 

「ハノン教則本」とは、
指の独立等、ピアノのテクニックのみを追求した教則本で、
単調な指の練習ばかりが載っているものです。

なので、大抵の生徒さんは、この教則本が好きではありません。

ノブ君はどうかな~? 
嫌がるかしら?? と心配しつつ、
私は楽譜に色を塗り、ノブ君に弾かせてみました。

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