なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

バセドウ病の術後

2024年05月16日 | 内分泌疾患

 昨年から大学病院から週1回来てもらって内分泌の外来が始まった。また内分泌に詳しい先生も常勤で来られた。多いのは甲状腺疾患だが、外来に来ている患者さんのバリエーションが増えて興味深い。

 

 24歳男性は5年前から甲状腺の専門クリニックにバセドウ病で通院していた。していたが、何度か中断・再開を繰り返していたらしい。

 昨年11月にそちらのクリニックから居住地に近いということで、当院(内分泌外来)に紹介になった。甲状腺ホルモンはFT3、FT4ともに値が振り切れていた。チアマゾール(メルカゾール)とヨウ化カリウム丸で治療が開始された。

 白血球(顆粒球)が次第に減少して、白血球1700(顆粒球900弱)まで低下した。その時点で大学病院に手術目的で紹介された。

 大学病院耳鼻咽喉科で甲状腺全摘術を無事に受けて、今度は甲状腺機能低下症と副甲状腺機能低下症(低カルシウム血症)の治療が開始された。

 5月15日(水)に術後初めて当院の外来を受診した。処方はチラーヂンS75μg/日に、アルファカルシドール0.5μg/日とカルシウム製剤(アスパラCA200mg)になっている。(大学病院の処方をまずは継続にしていた)

 副甲状腺機能低下症は低カルシウム血症の治療になる。活性化ビタミンD製剤で、血清カルシウム濃度を低カルシウム血症の症状が出ない程度(異所性石灰化や尿路結石をきたさないよう)の低めに維持するのだった。血清カルシウム値は9.2mg/dLだった。

 

 バセドウ病の手術は甲状腺亜全摘術で副甲状腺も1個残すのものだと思っていた。あと、副甲状腺機能低下の管理をしたことはこれまでなかった。

 甲状腺エコーの件数も増えてきている。甲状腺エコーの本は持っていないが、基本的なことはわからないとまずいかもしれない。

 

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