なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

1月2日の日直

2022年01月04日 | Weblog

 1月2日の日直の時に、101歳女性が5日前からの胸痛で受診した。ふだんは内科外来に高血圧症・心不全で通院している。

 かなりの難聴と認知力低下があってわかりにくいが、左胸が痛いらしい。痛みの性状を訊きたいところだが、訊いてもわからない。聴診上は右肺にcoarse cracklesが聞こえたが、その後は消失した。痰がらみの音だったようだ。

 両下腿に浮腫は認めない。血圧・脈拍は正常域で、酸素飽和度の低下はなかった。発熱もない。食事は普通に食べられるそうだ。

 左胸に水泡疹を引っ搔いような痕が1個だけあった。帯状疱疹なのだろうか。背中まで見ても、それ以外に発疹はなかった。

 心電図はふだんと変わらず、胸部X線・CTで心拡大はあるが、ふだんと大差はなく、心不全の悪化とする所見もなかった。血液検査では炎症反応は陰性で、トロポニンを含めて心原性酵素上昇もない。

 急性心筋梗塞や心不全の悪化でもなく、肺炎・胸膜炎でもない。帯状疱疹の症状なのだろうか。家族に説明して、抗ウイルス薬(ファムビル)と鎮痛薬(アセトアミノフェン)で経過をみてもらうことにした。

 1個だけだが発疹があるので、無疱疹性帯状疱疹とはいえないのかもしれない。症状が軽快しない時や悪化する時は受診するように伝えていたが、特に今日は来ていない。

 

 1月2日は日直が始まってすぐから、高齢女性の心肺停止が搬入された。起きてこないので、家族が見にいって発見していた。心肺蘇生術にはまったく反応がなく、死亡確認になった。心疾患と判断された。

 その後も切れ目なく、受診が続いた。当直の耳鼻科医に引き継いてすぐに、発熱・酸素飽和度低下の89歳女性が救急搬入された。肺炎で入院になったので、午後8時までかかった。

 

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