なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

咳喘息

2016年08月08日 | Weblog

 辞めた先生から回ってきた76歳女性は数年来咳が出ているという。日中はそれほどでもなく、時間帯は朝方の午前3~4時だった。喘鳴は聴取せず、自覚的にも喘鳴はないそうだ。

 内服しているのは高コレステロール血症の薬、PPI(これは消化器科の処方を継続)、抗アレルギー薬だった。通年性のアレルギー性鼻炎があり、春と秋に花粉症で悪化するという。申し送りには、心気症とあった。確かにやせた色白の神経質そうな女性だった。話ぶりは穏やかだが、次々に症状を話してくる。打てばひびくというように、問診にすぐに答えてくれるのでやりやすいとも言える。

 子供のころに喘息発作があったという。咳はアレルギー性気管支炎の可能性が高いと判断され、吸入ステロイドを前回から開始した。今日結果を訊くと、咳は良くなったそうだ。良くなったので、吸入ステロイドは自分で中止していた。ひどくなった時に使うつもりだったという。

 吸入ステロイドは定期薬(コントローラー)であり、症状が軽快しても継続することを説明した。症状によって吸入量は調整するが、治癒とは言わず寛解であるのでずっと使用するようお話した。

 10年前に呼吸器科(当時は当院にあった)に入院していて、急性気管支炎となっている。抗菌薬とともに、ステロイドの点滴静注から吸入ステロイドを1か月くらい継続して外来で中止していた。喘鳴とか喘息とは記載していないので、なかったのだろう。感染が契機になって、咳発作がひどくなったと推定される。経過としては、咳喘息が継続しているが、喘息には移行していないということになる。

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