なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

熱中症の時期

2016年08月05日 | Weblog

 昨日は93歳女性が畑で倒れているところを家族が発見して、救急版搬入された。救急隊の現場到着時は体温40℃だったが、病院搬入時は37.5℃だった。顔が紅潮というより真っ赤だった。点滴が1本入ったころには、会話が可能になってきた。頭部CT・胸部X線・心電図は異常なかった(脳萎縮は目立つ)。血液検査でも筋原性酵素の上昇もなく、血液濃縮だけが目立った。熱中症の診断で入院とした。入院後も点滴を継続して、深夜までに1500ml入れた。

 今日は元気になっていて、食事も普通にとれる。赤かった顔は普通に戻っていた。今日にも帰りたいと言っていたが、家族の希望もあり、週明けに退院予定となった。 昨年に夏に、高齢女性が熱中症で救急搬入されて間もなく亡くなった。血液検査でびっくりするような血液濃縮・多臓器不全(正確には多数の検査値異常)だった。倒れてから発見されるまでの時間が長いと致死的になる。今回はいないのに気付いて、すぐ見に行ったのがよかったのだろう。

 糖尿病で通院している46歳女性が食欲不振で内科外来を受診した。新患担当の先生(大学からの応援)から連絡がきて、入院治療をお願いしますという。尿混濁があり、炎症反応が上昇していた。胸部X線で肺炎はなく、尿路感染症(急性腎盂腎炎)でいいようだ。尿ケトン体陽性だが、血液ガスでアシドーシスはなかった。この患者さんは体重150Kgある。左CVA叩打痛があるように思えるが、よくわからない。腹部エコーでは描出困難なので、腹部単純CTを行った。尿路閉塞・腎膿瘍・腎周囲脂肪織の炎症像はなかった。膵臓の萎縮がかなり目立った。昨年測定したCペプチドは2.11だったが、現在はぐっと低下している可能性がある。SGLT2阻害薬を始めていたのが、影響したのかもしれない。

 

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